制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 117008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:3
教科書/教材 教科書:杉江俊治他「フィードバック制御入門」コロナ社/参考図書:土谷武士他「基礎システム制御工学」森北出版,宮崎道雄編著「EE Text システム制御Ⅰ」オーム社,横山修一他「基礎と実践 制御工学入門」コロナ社,森泰親「演習で学ぶ基礎制御工学」森北出版,J. J. Distefano, et al.:"Feedback and Control Systems, 2nd Ed.", Mcgraw-Hill
担当教員 堀 勝博

到達目標

1.数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,動的システムを伝達関数で表現できる。
2.動的システムの過渡応答,周波数応答について理解し,応答計算および表示できる。
3.フィードバック制御系の感度特性,定常特性,安定性,ロバスト性について理解し,動的システムを解析できる。
4.フィードバック制御系の設計手順について理解し,制御系を設計できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,動的システムを伝達関数で表現できる。数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,動的システムを伝達関数で表現できる。数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,基本的な動的システムを伝達関数で表現できる。数学,物理学や制御対象が属する他の専門領域の知識を統合して,動的システムを伝達関数で表現できない。
2.動的システムの過渡応答,周波数応答について理解し,応答計算および表示できる。動的システムの過渡応答,周波数応答について理解し,応答計算および表示できる。動的システムの過渡応答,周波数応答について理解し,基本的な応答計算および表示できる。動的システムの過渡応答,周波数応答について理解し,応答計算および表示できない。
3.フィードバック制御系の感度特性,定常特性,安定性,ロバスト性について理解し,動的システムを解析できる。フィードバック制御系の感度特性,定常特性,安定性,ロバスト性について理解し,動的システムを解析できる。フィードバック制御系の感度特性,定常特性,安定性,ロバスト性について理解し,基本的な動的システムを解析できる。フィードバック制御系の感度特性,定常特性,安定性,ロバスト性について理解し,動的システムを解析できない。
4.フィードバック制御系の設計手順について理解し,制御系を設計できる。フィードバック制御系の設計手順について理解し,制御系を設計できる。フィードバック制御系の設計手順について理解し,基本的な制御系を設計できる。フィードバック制御系の設計手順について理解し,制御系を設計できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
制御工学は,電力,鉄鋼などの基幹産業をはじめ自動車や家電など様々な方面に応用されており,分野の枠を越えて使われている横断型の科学技術です。本科目では,制御工学の基礎となる古典制御理論の修得を目標とします。
授業の進め方・方法:
授業は,伝達関数によるシステム表現から始めて,ブロック線図によるシステム表現,過渡応答と安定性,フィードバック特性,周波数応答,フィードバック制御系の安定解析,ロバスト性解析,フィードバック制御系設計法の順に進めます。
評価は,学期末の定期試験,課題レポートおよび達成度確認のための小テストにより総合的に行います。評価の割合は,定期試験40%,課題レポート30%,小テスト30%とし,合格点は60点以上です。
注意点:
微分方程式,ラプラス変換,力学,電気回路等の知識が前提となります。また,授業内容の予習・復習や課題レポート等について自学自習により取り組むこと(60時間の自学自習が必要です)。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論 制御の定義,制御系の構成と制御目的,フィードバック制御の利点と課題について理解し,説明できる。
2週 動的システムの表現(1)伝達関数 動的システムの表現法について理解し,システムを伝達関数で表現できる。
3週 動的システムの表現(2)ブロック線図 システムをブロック線図で表現できる。
4週 過渡応答と安定性(1)過渡応答計算 過渡応答および極・零点との関係,安定性について理解し,基本的な入力信号に対する過渡応答を計算できる。
5週 過渡応答と安定性(2)安定判別 システムを安定性を判別できる。
6週 フィードバック制御系の特性 フォードバック制御系の感度特性,定常特性,根軌跡について理解し,与えられたフォードバック制御系の各特性を計算できる。
7週 周波数応答(1)周波数伝達関数 周波数応答について理解し,伝達関数から周波数伝達関数を求めることができる。
8週 周波数応答(2)ベクトル軌跡・ボード線図 ベクトル軌跡やボード線図を用いて,周波数特性を図式的に表現できる。
2ndQ
9週 フィードバック制御系の安定性(1)ナイキストの判定判別 フィードバック制御系の安定性の概念について理解し,周波数特性から安定判別できる。
10週 フィードバック制御系の安定性(2)安定度 周波数特性から安定度を求めることができる。
11週 フィードバック制御系のロバスト性解析(1) フィードバック制御系のロバスト性の概念について理解し,モデルの不確かさを表現できる。
12週 フィードバック制御系のロバスト性解析(2) フィードバック制御系のロバスト性を解析できる。
13週 フィードバック制御系の設計法(1)制御系設計手順と性能評価法 フィードバック制御系設計手順と性能評価法について理解し,説明できる。
14週 フィードバック制御系の設計法(2)PID補償 PID補償により制御系を設計できる。
15週 フィードバック制御系の設計法(3)位相進み・遅れ補償 位相進み・遅れ補償により制御系を設計できる。
16週 定期試験

評価割合

定期試験課題レポート小テスト合計
総合評価割合403030100
基礎的能力0000
専門的能力403030100
分野横断的能力0000