電磁波工学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電磁波工学
科目番号 117010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:3
教科書/教材 [教科書] 三輪 進 著「高周波の基礎」東京電機大学出版局 「参考図書」鹿子嶋 慶一 著「光・電磁波工学」コロナ社,山口 昌一郎著「基礎電磁気学」電気学会,中島 将光著「マイクロ波工学」森北出版,砂川 重信著「電磁気学の考え方」岩波書店,John D. Kraus : "Electromagnetics", McGraw-Hill Education, D.Dearholt, W. McSpadden : "Electromagnetic Wave Propagation", Dover Pubns.
担当教員 伊藤 芳浩

到達目標

ベクトル解析を用いた電気磁気学が理解できるようになること.マックスウェル方程式から波動方程式が導出できること.伝送路において,伝搬モードが理解できること.特にTEMモードでは,分布定数回路の方法論が容易に適用でき,回路理論と電気磁気学でTEM線路が同じように議論できることを理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微分系のマックスウェル方程式の意味が十分に説明できる.微分系のマックスウェル方程式の意味が教科書をみながらなら説明できる.微分系のマックスウェル方程式の意味が教科書をみても正しく説明できない.
評価項目2数学公式集を見ながら,波動方程式が導出できる.数学公式集を見て,かつヒントをもらえば,波動方程式が導出できる.数学公式集やヒントを与えても波動方程式が導出できない.
評価項目3マックスウェル方程式から伝搬定数を求めることができ,電信方程式から求めたものと比較できる.マックスウェル方程式か電信方程式のどちらからか伝搬定数を導くことができる.マックスウェル方程式,電信方程式から伝搬定数を求めることができない.
評価項目4導波路の種類について説明ができ,伝搬モードであるTE,TM,TEMモードの説明が十分にできる導波路の種類について説明ができ,伝搬モードであるTE,TM,TEMモードの説明ができる導波路の種類について説明ができな.,伝搬モードであるTE,TM,TEMモードの説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第2学年,祭3学年で学んだ電気磁気学Ⅰ,Ⅱを基礎とし,ベクトル解析を用いてより一般的に考察することができ,巨視的電磁気現象のほとんどがマックスウェルの方程式により説明されることを理解することを目的とし,その応用として導波管理論の入門を学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業は,基本的に講義形式で行い,演習は自学自習時間に行う.授業内容はベクトル解析を使った電磁気学とその応用であり,記号演算が主になる.
到達目標に関する内容の試験および課題レポートによって、評価項目1から4に基づいて総合的に達成度を評価する.定期試験80%、演習および課題レポート20%とし、合格点は60点以上とする。また、必要と判断した場合には再試験を行う.
「関連科目」電気回路Ⅲ,電気磁気学Ⅰ,Ⅱ,応用数学,通信工学Ⅰ,Ⅱ,応用物理,光エレクトロニクス
注意点:
予習,特に復習をしっかりと行うこと.また,履修における義務として60時間の自学自習を行うこと.自学自習において行う学習内容については授業中に指示を出すが,指示された内容が終わってしまった場合は予習・復習に当てても良い.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 電気磁気学の社会における応用例を示すことができる.
2週 基本4法則の復習 マックスウェル方程式の基礎となる4つの法則が説明できる.
3週 変位電流 変位電流と電流連続の式が説明できる.
4週 div rot の意味 発散と回転の意味が的確に説明できる.
5週 微分系のマックスウェルの方程式 微分系のマックスウェル方程式の意味が的確に説明できる.
6週 1次元波動方程式の導出 1次元の波動方程式を解くことができ,モードの概念が説明できる.
7週 電場,磁場の波動方程式の導出
ベクトル解析によりマックスウェル方程式から電場と磁場の波動方程式が導出できる.
8週 平面波,位相速度,平面波の反射と屈折,到達度確認テスト 平面波において位相速度が光速を超えることがあることが説明でき,境界での反射と屈折が説明できる.
2ndQ
9週 物体中の電磁波,表皮効果 物質中の電磁波が減衰することを説明でき,表皮効果が説明でき,表皮厚さが計算できる.
10週 電信方程式 電信方程式から伝送線路の伝搬定数が計算できる.
11週 伝送線路の特性 マックスウェル方程式から伝送線路の伝搬定数が計算できる.
12週 TE,TM,TEMモード 伝搬の基本の3つのモードについて簡単に説明できる.
13週 TE,TMの一般的な性質 TEとTMの伝搬モードの形態が図示できる.
14週 TEMモードの一般的な性質 TEMモードが断面では,静電場,静磁場を満たすことが説明できる.
15週 同軸線路,マイクロストリップライン 同軸線路とマイクロストリップラインの線路の特性インピーダンスが計算できる.
16週

評価割合

試験確認テスト課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合404020000100
基礎的能力20202000060
専門的能力2020000040
分野横断的能力0000000