電力システム工学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電力システム工学
科目番号 117013 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 道上勉著「送電・配電 改訂版」電気学会(オーム社)/小池東一郎著「送配電工学(前編)」養賢堂/Olle. I. Elgerd,「Electric Energy Systems Theory: An Introduction」, McGraw-Hill/Glenn. W. Stagg, Ahmed. H. El-Abiad,「Computer Methods in Power System Analysis」, McGraw-Hill
担当教員 赤塚 元軌

到達目標

(1)送電線を電気回路としてモデル化することができ、送電における無効電力の役割を説明できる。
(2)電力システムを構成する要素機器について理解し、動作を説明することができる。
(3)送電線事故発生時の電圧や電流を計算できる。
(4)電力品質と電力システムの運用について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1送電線を電気回路としてモデル化することができ、送電における無効電力の役割を十分に説明できる。送電線を電気回路としてモデル化することができ、送電における無効電力の役割を説明できる。送電線を電気回路としてモデル化することができない。
評価項目2電力システムを構成する要素機器について理解し、動作を詳しく説明することができる。電力システムを構成する要素機器について理解し、動作を説明することができる。電力システムを構成する要素機器について、説明することができない。
評価項目3送電線事故発生時の電圧や電流を計算でき、計算方法を十分に理解している。送電線事故発生時の電圧や電流を計算できる。送電線事故発生時の電圧や電流を計算できない。
評価項目4電力品質と電力システムの運用について十分に説明できる。電力品質と電力システムの運用について説明できる。電力品質と電力システムの運用について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
エネルギーとしての電力を発電所から需要家まで伝送するために必要な電気工作物の構成と運用に関する知識と技術について理解を深め、第2種電気主任技術者試験相当の問題解決能力を修得する。
授業の進め方・方法:
物理、電磁気学、電気回路、電気機器、電気電子計測の知識を前提として授業を進める。問題演習を適宜取り入れるため、電卓を使用することもある。また,評価は定期試験40%,達成度確認40%,課題20%の割合で行う。なお,評価が60点未満の学生に対して再試験を実施することがあるが,この場合の評価は60点を上限とする。
注意点:
電卓を持参すること。60時間の自学自習を求める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 概要説明 電力システムの構成と交流方式の採用理由を理解する。
2週 電気方式 単相2線式、単相3線式、三相3線式での電圧降下や電力損失の違いを理解する。
3週 送電線の線路定数① 往復2導体の送電線路について抵抗、インダクタンスの導出方法を理解する。
4週 送電線の線路定数② 往復2導体の送電線路について静電容量の導出方法を理解し、三相の場合に拡張できる。
5週 送電線の等価回路① 短距離および中距離送電線を電気回路としてモデル化する。四端子定数の導出およびベクトル図の描き方を理解する。
6週 送電線の等価回路② 中距離および長距離送電線を電気回路としてモデル化する。長距離送電線の分布定数回路としてのモデル化を理解する。
7週 送電電力と電力円線図 定電圧送電の維持に必要な条件の把握に便利な電力円線図の導出方法を理解する。
8週 調相 定電圧送電には無効電力の調整が不可欠であることを理解し、必要な無効電力の計算方法を理解する。
2ndQ
9週 送電線路の機械的特性 送電線のたるみ、張力、実長の計算ができる。また、電柱支線の強度計算を行うことができる。
10週 架空送電と地中送電、直流送電 架空送電線路の構成要素を理解する。また、部分的に直流送電を採用するメリットを理解する。さらに架空と地中方式のそれぞれの特徴を説明できる。
11週 単位法の説明と簡易法による故障計算 単位法を用いる利点と計算方法を理解する。また、簡易法による故障計算を理解する。
12週 対称座標法による故障計算① 三相不平衡故障を取り扱うために不可欠な対称座標法を理解する。
13週 対称座標法による故障計算② 対称座標法による一線地絡故障の計算ができる。
14週 中性点接地方式 中性点接地方式によって事故時の電圧上昇が異なることを理解し、電圧階級毎に適した方式を理解する。
15週 電力品質と電力システムの経済運用 電圧や周波数、停電頻度、高調波の許容範囲と制御方法を理解する。また、電力システムの経済運用について理解する。
16週 前期定期試験

評価割合

定期試験達成度確認課題合計
総合評価割合404020100
評価項目11010525
評価項目21010525
評価項目31010525
評価項目41010525