電子回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路Ⅱ
科目番号 A4-0242 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:3
教科書/教材 髙木茂孝,鈴木憲次 監修「電子回路概論」実教出版/A.AGARWAL and J.H.LANG, Foundations of Analog and Digital electronic Circuits, Morgan Kaufmann, 2005.
担当教員 工藤 彰洋

到達目標

1)発振回路,変調・復調回路の動作原理を理解し,説明できる。
2)電源回路の動作を理解し,説明できる。
3)オペアンプの動作原理と使用方法を理解し,説明できる。
4)実習を通じてオペアンプの特徴を理解し,種々の応用回路の動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
発振回路,変調・復調回路の動作について発振回路,変調・復調回路の原理を深く理解し,回路の動作を定量的に説明できる。発振回路,変調・復調回路の原理を理解し,回路の動作を説明できる。発振回路,変調・復調回路の原理の理解が不十分のため,回路の動作を説明できない。
電源回路の動作について電源回路の原理を深く理解し,回路の動作を定量的に説明できる。電源回路の原理を理解し,回路の動作を説明できる。電源回路の原理の理解が不十分のため,回路の動作を説明できない。
オペアンプの動作原理と使用方法をについてオペアンプの動作原理と使用方法を深く理解し,素子の動作を定量的に説明できる。オペアンプの動作原理と使用方法を理解し,説明できる。オペアンプの動作原理と使用方法の理解が不十分のため,素子の動作を説明できない。
実習を通じたオペアンプの特徴と種々の応用回路の動作について習を通じてオペアンプの特徴を深く理解し,種々の応用回路の動作を定量的に説明できる。実習を通じてオペアンプの特徴を理解し,種々の応用回路の動作を説明できる。実習を通じたオペアンプの特徴を理解が不十分で,種々の応用回路の動作を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用できる能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および電気磁気学,電気回路などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,エネルギー・制御関連科目,エレクトロニクス関連科目,情報通信関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
本講義は、前期の電子回路Iの続きで、前半で発振回路、変復調回路、電源回路を学習した後、後半ではオペアンプを中心に学習する。
特に、オペアンプは講義と演習の組み合わせをひとつの単位とし、回路を設計・製作するための実践的な知識を身につけることを目指す。
授業の進め方・方法:
本講義では,電子回路Ⅰで学んだ知識を基礎とし,回路設計で重要となるオペアンプについて学習する。授業の最初は前期からの続きとして,発振回路,変調・復調回路,電源回路について学習する。講義は前半が座学中心,後半が実験演習を中心とする。
達成目標に関する内容の試験および演習・課題レポートで総合的に達成度を評価する。割合は試験50%,小テスト30%,演習・課題レポート20%を基準とし、合格点は60点以上である。
注意点:
第3学年の電子デバイスⅠおよび第4学年前期の電子回路Ⅰの学習内容についてよく理解しておくこと。
授業中に与える演習課題は,授業中および自学自習により積極的に取り組むこと。演習課題は目標が達成されていることを確認後,返却する。目標が達成されていない場合には,再提出を求めることもある。
予習と復習を含めて60時間の自学自習時間を必要とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 発振回路(発振の原理、発振条件) 発振の原理を図示して説明できる。発振の条件を複素数を用いて表現できる。
2週 発振回路(ウィーンブリッジ型発振回路) ウィーンブリッジ回路の発振条件を導出できる。
3週 発振回路(VOCとPLL回路) PLL回路の動作を説明できる。PLL回路が組み込まれた工業製品を説明できる。
4週 変調・復調回路(AM波の周波数特性、変調度、電力) 信号波が正弦波の場合のAM波の周波数特性が算出でき、変調度とAM波の電力を式で示すことができる。
5週 変調・復調回路(コレクタ変調回路の動作解析) 負荷線を用いて、コレクタ変調回路の動作を説明できる。
6週 変調・復調回路(復調回路) AM波の復調回路をブロックに分けて動作を説明できる。
7週 電源回路(全体概要、半波整流、全波整流) 電源回路全体の構成を説明できる。半端整流と全波整流回路の動作と特徴を説明できる。耐圧の観点から適切なダイオードを選定できる。
8週 電源回路(平滑回路、電圧変動率) 平滑回路の役割と動作を説明できる。整流回路と平滑回路によって変化する電圧変動率の振る舞いを説明できる。
4thQ
9週 電源回路(安定化回路の概念と三端子レギュレータ回路) 安定化回路の役割と動作原理を説明できる。三端子レギュレータの使い方と選定方法を説明できる。
10週 オペアンプ(全体概要、特徴、応用例、内部回路構成) オペアンプの内部回路構成と理想的な特徴を説明できる。オペアンプが用いられる工業製品や技術について説明できる。
11週 オペアンプ(差動増幅器、GB積、スルーレート) オペアンプを構成する差動増幅器の動作原理を説明できる。GB積とスルーレートの定義とこれらの値に基づいたオペアンプの選定方法が説明できる。
12週 オペアンプ実習(両電源の構成方法、オシロスコープの校正) 2つの単電源を組み合わせて両電源を構築できる。オシロスコープの電圧プローブとGNDの校正が実行できる。
13週 オペアンプ実習(反転アンプと非反転アンプの電圧増幅率の測定) 反転アンプと非反転アンプの回路をブレッドボード上に製作し、電圧増幅率を算出できる。
14週 オペアンプ実習(反転アンプと非反転アンプの電圧増幅率の導出) 仮想接地を利用して、反転アンプと非反転アンプの理論的な電圧増幅率を導出できる。
15週 オペアンプ実習(音の増幅と再生回路) オペアンプで構成した音波を出力する回路を作成できる。
16週

評価割合

試験小テスト課題合計
総合評価割合503020100
基礎的能力30201060
専門的能力20101040