電気電子材料

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気電子材料
科目番号 A5-0260 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書:鈴置保雄 編著「電気電子材料」オーム社/参考図書:澤岡昭 著「電子材料」森北出版,一ノ瀬昇 編著「電気電子機能材料」オーム社,水谷照吉 編著「電気・電子材料」オーム社,Charles Kittel, “Introduction to Solid State Physics”, John Wiley & Sons Inc, 2004.,L. Solymar and D. Walsh, “Electrical Properties of Materials”, Oxford University Press, 2004.
担当教員 山田 昭弥

到達目標

1.代表的な電気電子材料の種類を挙げ,応用上の問題点や現状などについて概説できる.
2.電気電子材料の基礎となる,物質の電気伝導について理解し,各種導電・抵抗材料の概要について説明できる.
3.各種誘電体材料の性質と諸特性について理解し,その概要について説明できる.
4.磁性の起源や各種磁性材料の性質について理解し,その概要について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気電子材料を分類し,代表例を挙げてその特性や応用,現状について説明できる.電気電子材料を分類し,代表例を挙げてその特性について説明できる.電気電子材料の代表例を挙げて説明することができない.
評価項目2導電・抵抗材料について,物質の電気伝導現象を踏まえ,その特性や応用例を説明できる.導電・抵抗材料の代表例を挙げ,その応用について説明できる.導電・抵抗材料に関する説明ができない.
評価項目3誘電体,絶縁体材料の基礎物性を踏まえ,応用上求められる特性や代表例について説明できる.誘電体,絶縁体材料の基本性質や応用例について説明できる.誘電体,絶縁体材料に関する説明ができない.
評価項目4磁性体材料の基礎物性を踏まえ,応用上求められる特性や代表例について説明できる.磁性体材料の基本性質や応用例について説明できる.磁性体材料に関する説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(4) (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し,適切に対応する基礎的な能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および電気磁気学,電気回路などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,エネルギー・制御関連科目,エレクトロニクス関連科目,情報通信関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる
学校目標 H(社会と時代が求める技術) 社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける
学科目標 H(社会と時代が求める技術) 電気電子セミナー,卒業研究などを通して,社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける。
本科の点検項目 H-ⅰ 専門とする分野について,社会が要求する技術課題を認識できる

教育方法等

概要:
エレクトロニクス産業の基盤となる各種電気電子材料について,それらに関係する基礎物性論から,導電・抵抗材料,誘電体材料,磁性材料各分野を例に,代表的な材料の基本特性,応用事例を中心に学習を行う.
授業の進め方・方法:
講義は座学中心で行い,教科書以外に各種材料に関する補足説明用として,適宜自作プリントを配布する.
授業計画に対する到達目標に示した内容に関する試験及び自学自習で努めた演習・課題レポート等で総合的に達成度を評価する.
割合は,学期末試験:50%,達成度確認小テスト:30%,演習・課題レポート:20%とし,合格点は60点以上である.
注意点:
電気磁気学Ⅰ・Ⅱ,電子デバイスⅠ・Ⅱ,応用物理で学習した内容が基礎となるので,よく復習すること.
授業で課される演習・課題レポートは自学自習時間等を活用し,取り組むこと(30時間の自学自習を必要とする).
演習・課題等は添削し,目標が達成されていることを確認後,返却する.目標が達成されていない場合には,再提出を求めることもある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 原子構造と電子配置 ボーアの水素原子モデル,量子数,パウリの排他律等の原子構造に係わる重要概念について説明できる.
2週 化学結合 各種化学結合の構成要素,結合力,結晶構造,電気伝導,代表物質例等の特徴について説明できる.
3週 固体の結晶構造 結晶構造の種類や分析方法について説明できる.
4週 金属の電気伝導 金属の導電現象の特徴や影響を与える要因について説明できる.
5週 導電材料 導電材料に求められる条件や代表例について説明できる.
6週 抵抗材料 抵抗材料に求められる条件や代表例について説明できる.
7週 超電導材料 超電導現象の特徴と発生機構,および応用例について説明できる.
8週 誘電体の性質 誘電現象のしくみと電気分極の種類について説明できる.
2ndQ
9週 絶縁破壊 絶縁破壊の種類と発生のしくみについて説明できる.
10週 圧電体材料 圧電効果のしくみと応用例について説明できる.
11週 強誘電体材料 強誘電体の特徴と応用例について説明できる.
12週 磁性材料の性質と分類 磁気モーメントの種類と,その配列に基づく磁性体の分類ができる.
13週 軟磁性・硬磁性材料 軟磁性体,硬磁性体の特徴と応用事例について説明できる.
14週 磁気記録材料 複数の磁性材料から構成される磁気記録媒体について,それぞれに求められる特性の違いについて説明できる.
15週 スピンエレクトロニクス スピンエレクトロニクスの概念と応用事例について説明できる.
16週 学期末試験

評価割合

学期末試験小テスト演習・課題その他合計
総合評価割合5030200100
基礎的能力10100020
専門的能力402020080
分野横断的能力00000