電気電子工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気電子工学実験Ⅲ
科目番号 A5-0813 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 苫小牧高専電気電子工学科編「電気電子工学実験 第5学年」/堀重雄 著「電気実験・電子編(改訂版)」電気学会/ 電気学会通信教育会著「電気実験・機器電力編(修正増補版)」 電気学会/木下是雄 著「理科系の作文技術」中公新書/Robert Barrass: Scientists Must Write(A Guide to Better Writing for Scientists, Engineers and Students), Falmer Pr
担当教員 堀 勝博

到達目標

1) 実験内容の理解とともにデータの処理,解析方法および論述方法を身につけ,技術者として実践的な報告書を作成することができる。
2) 班のメンバーと協力し,円滑かつ効率的な実験を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験内容を十分に理解している実験内容を理解している。実験内容を理解していない。
評価項目2データ処理、解析方法、論述方法が十分に身についており、技術者として実践的な完成度の高い報告書を作成できる。データ処理、解析方法、論述方法が身についており、技術者として実践的な報告書を作成できる。データ処理、解析方法、論述方法が身についておらず、報告書を作成できない。
評価項目3班員と綿密に協力して、円滑かつ効率的に実験を行うことができる。班員と協力して、円滑かつ効率的に実験を行うことができる。班員と協力できず、円滑かつ効率的に実験を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(2) いくつかの工学の基礎的な知識・技術を駆使して実験を計画・遂行し,データを正確に解析し,工学的に考察し,かつ説明・説得する能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(3) 工学の基礎的な知識・技術を統合し,創造性を発揮して課題を探求し,組み立て,解決する能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (h) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め,まとめる能力
学習目標 Ⅰ 人間性
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,エネルギー・制御関連科目,エレクトロニクス関連科目,情報通信関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
本科の点検項目 F-ⅱ 実験,演習,研究を通して,課題を認識し,問題解決のための実施計画を立案・実行し,その結果を解析できる
本科の点検項目 F-ⅲ 専門とする分野の技術を実践した結果を工学的に考察して,期限内にまとめることができる
学校目標 I(チームワーク) 自身の専門領域の技術者とは勿論のこと,他領域の技術者ともチームを組み,計画的かつ円滑に仕事を遂行できる能力を身につける
学科目標 I(チームワーク) 電気電子工学実験,学外実習などを通して,自身の専門領域の技術者とは勿論のこと,他領域の技術者ともチームを組み,計画的かつ円滑に仕事を遂行できる能力を身につける。
本科の点検項目 I-ⅰ 共同作業における責任と義務を認識し,計画的かつ円滑に仕事を遂行できる能力を身につける

教育方法等

概要:
電気・電子工学の各分野における応用的な実験を行うことで,講義で得た知識を深め,さらに発展させる能力を養う。また,技術者として必要な理論的解析能力および大局的な思考力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
クラスを10班に分けて1テーマ1班で行う。3もしくは4テーマ毎を目安に実験指導日を設け,当該テーマの実験指導および評価を行う。また,評価は各テーマで実験の態度10%(個人の実験態度,チームワーク),実験の理解度・達成度20%(予習・事前の準備,製作物の完成度。ただし,評価方法は実験テーマ毎に異なるので,詳細については担当教員の説明を受けること),報告書70%(体裁,結果の分析,考察,提出期限の厳守)で行い,全テーマの評価点から総合的に判断したものを本科目の評価点とする。合格点は60点以上である。

注意点:
関数電卓,テスター,工具,グラフ用紙,定規の他,担当教員の指示による用具を用意する。自学自習時間は実験の円滑な実施のための事前学習,および実験後の報告書作成と作成に関する調査等のための現況時間を総合したのもとする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 説明日 各テーマの概要を理解する。
2週 送電線路特性の測定 模擬送電線を使用して送電線路の回路定数および特性を測定し,これを利用して電力円線図を描くことができる。
3週 制御工学実験 倒立振子制御を通して安定解析法および制御系設計方法を理解する。
4週 真空蒸着によるCuの薄膜作製 Cuの真空蒸着膜を作製し,その電気的特性を測定する。実験を通して油回転ポンプと油拡散ポンプの動作原理および取扱い方を理解する。
5週 三相同期発電機の並行運転 三相同期発電機の母線投入条件を理解する。負荷分担実験を通して,発電機入力および力率調整を行うことができる。
6週 実験指導 報告書の体裁および内容について指導を受け、報告書の作成方法を習得し、当該テーマの理解を深める。
7週 PWMインバータ PWMインバータの動作原理およびその基本特性を理解する。高調波解析を行うことができる。
8週 アクティブフィルタの実験 演算増幅器を使用した二次伝達関数を持つフィルタを形成し,アクティブフィルタの原理と特性を理解する。
2ndQ
9週 各種信号の周波数スペクトルの解析 方形波やインパルスをはじめ各種波形および変調波の周波数スペクトルを解析し,スペクトルが理論通りであることを理解する。また,実際の放送や携帯電話のスペクトルを観察し,理解する。
10週 実験指導 報告書の体裁および内容について指導を受け、報告書の作成方法を習得し、当該テーマの理解を深める。
11週 受光素子と発光素子の光学特性 光学的測定の基礎を学び,半導体と光との関わりを理解する。ロックインアンプの原理および取扱い方を理解する。
12週 ディジタル回路シミュレーション ディジタル回路についての理解を深めるとともに,回路シミュレータを使用したディジタル回路設計方法を理解する。
13週 マイクロコンピュータの入出力 マイクロコンピュータの入出力ポート制御をアセンブラ言語で実施しすることで,コンピュータのアーキテクチャを理解する。
14週 実験指導 報告書の体裁および内容について指導を受け、報告書の作成方法を習得し、当該テーマの理解を深める。
15週 学期末実験指導 報告書の体裁および内容について指導を受け、報告書の作成方法を習得し、当該テーマの理解を深める。また、学期内の報告書提出を完了させる。
16週

評価割合

実験態度実験の理解度・達成度報告書合計
総合評価割合102070100
評価項目1020020
評価項目2007070
評価項目3100010