日本文化論

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 日本文化論
科目番号 116871 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:3
教科書/教材 自作プリント、『三訂版 国語の常識 plus』(明治書院)/参考図書は適宜紹介する
担当教員 片山 ふゆき,蓼沼 正美

到達目標

1、『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の物語内容を的確に理解することができる。
2、『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の背景となっている文化的な事項について理解することができる。
3、ジェンダーの問題について、考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1、『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の物語内容を的確に理解することができる。『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の物語内容を十分理解している。『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の物語内容を基本的に理解している。『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の物語内容を理解していない。
2、『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の背景となっている文化的な事項について理解することができる。『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の背景となっている文化的な事項について、十分理解している。『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の背景となっている文化的な事項について、基本的に理解している。『堤中納言物語』『とりかへばや物語』の背景となっている文化的な事項について、理解していない。
3、ジェンダーの問題について、考察することができる。 ジェンダーの問題について、十分に考察することができる。 ジェンダーの問題について、基本的に考察することができる。 ジェンダーの問題について、考察することがができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (a) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
学習目標 Ⅰ 人間性
学習目標 Ⅱ 実践性
学習目標 Ⅲ 国際性
学校目標 A(教養) 地球的視点で自然・環境を考え,歴史,文化,社会などについて広い視野を身につける
本科の点検項目 A-ⅰ 社会,経済,法学,哲学,歴史,文化,言語など社会科学および人文科学に関する基本的な事項について説明できる。
本科の点検項目 A-ⅱ 社会科学および人文科学における概念や方法論を認識できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる

教育方法等

概要:
 二つの物語作品を教材として取り上げ、多様な角度から読み解いていくことで、日本文化に関する理解を深める。
 前半(中間試験まで)は、物語文学である『堤中納言物語』を教材とし、日本の古典文化のあり様を学習する。後半(定期試験まで)は、男女入れ替えのテーマを扱った『とりかへばや物語』を教材とし、現代にわたるジェンダーの問題を考える。
 授業は主に講義の形で進めるが、自学自習の成果を確認するために、10回の小テストを授業中に行う。
授業の進め方・方法:
 達成目標に関する試験、課題・レポート及び小テストにより、以下の要領で評価する。合格点は60点である。
 中間及び定期試験75%、課題・レポート15%、小テスト10%の割合で評価する。成績が60点未満の場合は、再試験を実施する場合がある。なお、その場合の評価の上限は60点とする。
注意点:
 副教材『三訂版 国語の常識 plus』(明治書院)により自学自習に取り組むこと。
 取り上げる教材の内容について、テキストやプリントを参考に、十分理解を深めておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション
『堤中納言物語』
「花桜折る中将」第1節①
授業の進め方や履修上の留意点を理解する。
平安貴族の恋愛・結婚について理解する。
2週 『堤中納言物語』
「花桜折る中将」第1節②
平安貴族の私生活について理解する。
3週 『堤中納言物語』
「花桜折る中将」第1節③
平安貴族の一生について理解する。
4週 『堤中納言物語』
「花桜折る中将」第2、3節
平安貴族の服装や乗り物について理解する。
5週 『堤中納言物語』
「花桜折る中将」第4節①
宮中で働く男たち・女たちについて理解する。
6週 『堤中納言物語』
「花桜折る中将」第4節②
天皇家の人々と宮中の建物について理解する。
7週 『堤中納言物語』
「花桜折る中将」第5節
平安時代の仏教と俗信について理解する。
8週 中間試験 これまでの授業内容を確認する。
4thQ
9週 『とりかへばや』の紹介と「ジェンダー」 異性装とは何を意味するか理解する。
10週 明治時代・藤岡作太郎の評価と当時の評価 『とりかへばや物語』に対する各時代の評価の違いを把握し、背景となっている文化的事項を理解する。
11週 『とりかへばや』前史―女性像と男性像― 平安時代の物語文学において理想的とされた男性像、女性像を理解する。
12週 『とりかへばや』を読む(異性装と物語展開)① 『とりかへばや物語』の物語内容を理解し、そこにおける男女の描かれ方に関して理解を深める。
13週 『とりかへばや』を読む(異性装と物語展開)② 『とりかへばや物語』の物語内容を理解し、そこにおける男女の描かれ方に関して理解を深める。
14週 『とりかへばや』を読む(異性装の解除) 『とりかへばや物語』の物語内容を理解し、そこにおける男女の描かれ方に関して理解を深める。
15週 異性装を扱った作品とフェミニズムの問題 ジェンダーとフェミニズムの問題を認識し、理解する。
16週 定期試験 これまでの授業内容を確認する。

評価割合

中間・定期試験課題・レポート小テスト合計
総合評価割合751510100
一般的能力751510100