制御工学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 制御工学
科目番号 117048 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:3
教科書/教材 日本機械学会 著,「制御工学 (JSMEテキストシリーズ)」,日本機械学会、森・小川 共著,「初めて学ぶ 基礎制御工学」,電機通信大学出版局 野波・西村 共著,「MATLABによる制御理論の基礎」,東京電気大学出版局 明石 一・今井弘之 共著,「詳解 制御工学演習」,共立出版 Di Stefano III, Stubberud, Williams,“Feedback and Control Systems”, McGraw-Hill, 1967.明石 一・今井弘之 共著,「詳解 制御工学演習」,共立出版 日本機械学会 編,「JSMEテキストシリーズ 制御工学」,(社)日本機械学会 日本機械学会 編,「JSMEテキストシリーズ 演習 制御工学」,(社)日本機械学会
担当教員 吉村 斎

到達目標

(1) 位置、速度と微分のつながり、工学分野での微分の表記微分方程式の意味、指数関数、制御とは何か、制御方法の違いを理解し、説明できる。制御系の物理モデルを古典と現代の制御理論に適合するモデルとして表現できる。
(2) 静的システム、動的システムおよび機械系、電気系のモデルの表し方を理解し、説明できる。古典制御理論を用いた制御系の基本的な設計ができ、その説明ができる。
(3) ラプラス変換の概念、動的システムの伝達関数、およびシステムのアナロジーを理解し、説明できる。
(4) 動的システムの応答とは何か、・インパルス応答とその求め方、ステップ応答とその求め方を理解し、説明できる。
(5) 過渡特性、定常特性の意味、1次遅れ系のインパルス応答やステップ応答から、システムの過渡応答特性や定常特性を調べる方法、システムの極とは何か、またその意味を理解し、説明できる。
(6) 2次遅れ系のインパルス応答の求め方、2次遅れ系の過渡特性の形がシステムのパラメータの違いによってどのように異なるかを理解し、説明できる。
システムの定常特性と最終地の定理を用いた定常地
(7) 値の求め方、極と過渡特性の関係からシステムの安定性調べる方法、ラウスの安定判別法を理解し、説明できる。
(8) フィードフォワード制御、フィードバック制御、制御系の設計、内部安定性、コントローラの設計パラメータ、を理解し、説明できる。
(9) PID制御、各制御法の役割と違い、を理解し、説明できる。
(10) 制御系設計において満たすべき望ましい定常特性、種々の目標値や外乱に対する定常誤差の計算方法、定常偏差をおとするコントローラの設計方法を理解し、説明できる。
(11) システムの周波数応答、1次遅れ系の数は数特性、ボード線図の読み取り方を理解し、説明できる。
(12) ボード線図の合成、2次遅れ系のボード線図の特徴、周波数伝達関数とベクトル軌跡を理解し、説明できる。
(13) ナイキストの安定判別法、ゲイン余裕、位相余裕、安定余裕と制御系の応答の関係を理解し、説明できる。
(14) 制御系の評価とループ成形法の関係、ループ成形法による設計での重要点、位相遅れ。進みコントローラの設計の考え方とフィードバック制御系の特性の関係を理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1 達成目標(1)~(14)に使用する式の意味や英語を含む用語について説明できる。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目2 達成目標(1)~(14)に必要な式の導出や計算ができる。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目3 達成目標(1)~(14)に必要な数値シミュレーションをプログラムできる。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目4 達成目標(1)~(14)を通して、制御系の解析、設計を行うことができる。 80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目5 達成目標(1)~(14)の授業ノート・レポートおよび数値シミュレーションのプログラム・演習を行い、提出できる。 80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および計算機システムⅠ・Ⅱ,オペレーティングシステムⅠ・Ⅱ,情報理論などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける.
本科の点検項目 D-ⅲ 情報技術を利用できる
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,情報工学実験,情報通信Ⅰ・Ⅱ,システム工学などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける.
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
日本語、英語、数学、物理、電気、電子および情報の基礎知識を総合的に適用することで、さまざまな工学的応用分野で利用されている古典制御理論を学習する。
授業の進め方・方法:
授業もしくは授業項目毎に授業中に提示する演習問題を含む授業ノート・レポートと授業中に行うプログラミングに説明を加えたプログラム演習課題を提出する必要がある。授業ノート・レポートとプログラム演習課題を活用して自学自習に取り組み、中間試験と定期試験に準備することが必要である。授業ノート・レポートとプログラム・演習は、指定されたファイル形式で提出期限までに、Blackboardから提出すること。内容が不適切な場合には再提出を求めることがある。授業ノート・レポートとプログラム演習課題をすべて提出することが必要である。
注意点:
準備する用具:ノート、A4レポート用紙、筆記用具、英和辞書、関数電卓。
前提となる知識:微分、積分、線形代数、ラプラス変換、電気回路、電子回路、信号処理I、3年次および4年次に行われる情報工学実験の知識が必要になる。また、説明のための文章力も必要である。
その他注意事項:理解度を見るために、授業開始直後に、前回の内容に関する確認試験を演習課題として行う事があるので復習しておくこと。なお、授業予定に変更がある場合は、授業中に連絡するので注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.制御の基礎概念 制御の基礎概念を理解し、説明できる。
2週 2. 制御の基礎概念 制御の基礎概念を理解し、説明できる。
3週 3. 線形モデルを作る 線形モデルを理解し、説明できる。
4週 4. 線形モデルを作る 動的システムの応答とは何か、・インパルス応答とその求め方、ステップ応答とその求め方を理解し、説明できる。
5週 5.. システムの要素 過渡特性、定常特性の意味、1次遅れ系のインパルス応答やステップ応答から、システムの過渡応答特性や定常特性を調べる方法、システムの極とは何か、またその意味を理解し、説明できる。
6週 6. システムの要素 2次遅れ系のインパルス応答の求め方、2次遅れ系の過渡特性の形がシステムのパラメータの違いによってどのように異なるかを理解し、説明できる。
7週 7. の求め方、極と過渡特性の関係からシステムの安定性調べる方法、ラウスの安定判別法を理解し、説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 8. 応答の周波数特性 フィードフォワード制御、フィードバック制御、制御系の設計、内部安定性、コントローラの設計パラメータ、を理解し、説明できる。
10週 9. 応答の周波数特性  PID制御、各制御法の役割と違い、を理解し、説明できる。
11週 10. フィードパック制御 制御系設計において満たすべき望ましい定常特性、種々の目標値や外乱に対する定常誤差の計算方法、定常偏差をおとするコントローラの設計方法を理解し、説明できる。
12週 11. フィードパック制御 システムの周波数応答、1次遅れ系の数は数特性、ボード線図の読み取り方を理解し、説明できる。
13週 12. システムの時間応 ボード線図の合成、2次遅れ系のボード線図の特徴、周波数伝達関数とベクトル軌跡を理解し、説明できる。
14週 13. 制御系設計の古典的手法 ナイキストの安定判別法、ゲイン余裕、位相余裕、安定余裕と制御系の応答の関係を理解し、説明できる。
15週 14.制御系設計の古典的手法 制御系の評価とループ成形法の関係、ループ成形法による設計での重要点、位相遅れ。進みコントローラの設計の考え方とフィードバック制御系の特性の関係を理解し、説明できる。
16週 定期試験

評価割合

中間試験定期試験授業ノートレポート課題合計
総合評価割合30302020100
基礎的能力00000
専門的能力30302020100