経営工学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 経営工学
科目番号 228115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 関 利恵子, 石井 宏宗 著「会社の数字がガンガンわかる ゼロからの経営分析ワークブック」  創成社、 Martin S. Fridson (著), Fernando Alvarez (著) Financial Statement Analysis: A Practitioner's Guide (Wiley Finance) 4 , Kindle版、都崎雅之助、大村實 共著「経営工学概論」森北出版 吉川武男、東海幹夫、木島淑孝 共著「企業経営とコスト」日本生産性本部 藤野信雄 著「経営判断のための採算計算入門」日本経済新聞社 太田雅晴 著「生産情報システム」日科技連 石渡徳彌 著「販売情報システム」日科技連 小川一夫、中島茂喜、吉田恵子 共著「勘定科目便覧」 Robert N.Anthony:"Core Concepts of Accounting"、Prentice Hall College Div、2003
担当教員 吉村 斎

到達目標

(1) 財務諸表について理解し、説明できること。
(2) 財務諸表の入手方法について理解し、説明できること。
(3) 貸借対照表を理解し説明できること。
(4) 損益計算書について理解し、説明できること。
(5) キャッシュフロー計算書について理解し、説明できること。
(6) 安全性分析について理解し、説明できること。
(7) 資本回転期間について理解し、説明できること。
(8) 収益性分析について理解し、説明できること。
(9) 売上高利益率について理解し、説明できること。
(10) 資本回転率と資本回転期間について理解し、説明できること。
(11) 生産性分析について理解し、説明できること。
(12) 財務分析をするときのポイントについて理解し、説明できること。
(13) 管理会計とは生きるための知恵について理解し、説明できること。
(14) 経営戦略について理解し、説明できること。
(15) 事業戦略について理解し、説明できること。
(16) 予算実績差異分析について理解し、説明できること。
(17) CVP分析について理解し、説明できること。
(18) これからの管理会計モデルについて理解し、説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1 達成目標(1)~(18)に対して理解し、これらの概要について説明できるか。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目2 (2) 達成目標(1)~(18)に対して授業ノート・レポートを提出しているか。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目3 (3) 達成目標(1)~(18)に対して演習課題を提出しているか。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(4) (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し,適切に対応する基礎的な能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学科目標 H(社会と時代が求める技術) ソフトウェア工学Ⅰ,情報学特論,卒業研究などを通して,社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける.
学校目標 H(社会と時代が求める技術) 社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける
本科の点検項目 H-ⅰ 専門とする分野について,社会が要求する技術課題を認識できる

教育方法等

概要:
本講義は。経営分析の目的は,貸借対照表 , 損益計算書 および キャッシュフロー計算書、すなわち財務諸表を使用して,企業の状況を分析,判断することを習得することを目的とする。従来の財務会計を中心とした経営分析のみを扱うのではなく、実務でも役に立つ管理会計もカバーして、 まんべんなく経営分析の理論と実践を豊富な演習課題をとおして習得する。
この科目は企業で会社経営を担当していた教員が、その経験を活かし、経営分析の方法について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートを実施します。
自学自習への取り組み:授業もしくは授業項目毎に授業中に提示する演習問題を含む授業ノート・レポートと授業中に行う演習課題を提出する必要がある。授業ノート・レポートと演習課題を活用して自学自習に取り組み、中間試験と定期試験に準備することが必要である。授業ノート・レポートと演習課題は、指定されたファイル形式で提出期限までに、Balckboardから提出すること。内容が不適切な場合には再提出を求めることがある。授業ノート・レポートと演習課題をすべて提出することが必要である。
その他注意事項:理解度を見るために、授業開始直後に、前回までの授業内容に関する確認試験を演習問題として行う事があるので復習しておくこと。なお、授業予定に変更がある場合は、授業中に連絡するので注意すること。
注意点:
準備する用具:ノート、A4レポート用紙、筆記用具、英和辞書を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.財務諸表とは
1-1 財務諸表
1-2 財務分析の方法
財務諸表 (貸借対照表損益計算書・キャッシュフロー計算書) の仕組みと財務諸表の役割、財務分析の4つの視点を理解し、説明できる。
2週 2.財務諸表の入手方法
2-1企業ホームページから入手
2-2金融庁のEDINETから入手
財務諸表の企業ホームページと有価証券報告書 (財務諸表) を金融庁 EDINETから入手する方法を理解し、説明できる。
3週 3.貸借対照表
3-1 貸借対照表
3-2 項目分類基準
3-3 資産負債純資産
貸借対照表から、 企業の財政状態を知り、貸借対照表から,企業の資金の調達状況と運用形態を理解し、説明できる。
4週 4.損益計算書
4-1損益計算書
4-2 損益計算書の構造
4-3段階別利益
損益計算書からは,企業の1年間の経営成績を知ることできることおよび損益計算書に記載される5つの利益の意味を理解し、説明できる。
5週 5.キャッシュフロー計算書
5-1キャッシュフロー計算書
5-2キャッシュフロー計算書の区分と表示
5-3 キャッシュフロー計算書の分析
キャッシュフロー計算書は,企業の資金状況が明らかになる表であり、キャッシュフロー計算書では,企業活動を営業,投資,財務の3つに分類してキャッシュの流れを示していることを理解し、説明できる。
6週 6. 安全性分析①
6-1 安全性分析
貸借対照表を使って企業の財務的安全性を分析し、 3つの視点である財務健全度,短期的支払能力,長期的支払能力を理解し、説明できる。
7週 7.安全性分析②
7-1回転期間による資金繰り分析
7-2 棚卸資産・売上債権・買入債務の回転期間
7-3 その他の指標
安全性分析は,貸借対照表の分析以外に資本回転期間を使って分析することもでき、売上債権,買入債務,棚卸資産の3つの回転期間の関係をみることで,資金繰りを分析することができることを理解し、説明できる。
8週 収益性分析①
8-1収益性の総合指標としての資本利益率
8-2 資本利益率の種類
8-3 資本利益率の分解
資本利益率は,資本を投じて効率的に利益を生み出しているかをみる指標であり、資本利益率は,比率を分解 (売上高利益率と資本回転率) することにより,収益性の要因分析が可能になることを理解し、説明できる。
4thQ
9週 中間試験
10週 9.収益性分析②
9-1売上高利益率
9-2 各種売上高利益率と売上高費用率
売上高利益率は,売上高に占める利益の割合をみることで,収益性の要因分析ができ、これをみる場合には.費用分析もするとより詳細な分析ができ、資本利益率の要因の1つでもあることを理解し、説明できる。
11週 10.収益性分析③
10-1資本回転率
10-2 資本回転率と資本回転期間
10-3 資本回転率による資産項目ごとの効率性
資本利益率の要因の1つである資本回転率を理解し、これが各種資産項目の効率性について判断する比率であることと,大きな項目から小さな項目へと絞り込んで分析してゆくことを理解し、説明できる。
12週 11.生産性分析
11-1生産性分析
11-2 付加価値
11-3 生産要員の分析
11-4 分配関係の分析
付加価値の意味、生産性分析の手法および従業員や設備などがどれだけの付加価値を生み出していることを理解し、説明できる
13週 12.財務分析をするときのポイント
12-1財務分析をするときのポイント
13.管理会計とは生きるための知恵
財務諸表は,貸借対照表,損益計算書,キャッシュフロー計算書の3表が相互に関連していること、 これらの3つの比較基準および数値以外の情報も判断基準にすることを理解し、説明できる。
 管理会計とは何か、財務会計と管理会計の時間概念の違いおよび意思決定会計と業績評価会計の意味を理解し、説明できる。
14週 14.経営戦略
15.事業戦略
16.予算実績差異分析
なぜ経営戦略としての中期経営計画を策定するのか 、経営戦略体系と管理会計のかかわりおよび中期経営計画の策定事例を理解し、説明できる。
予算とは何か、予算作成と損益計算書のかかわりおよび予算の作成事例を理解し、説明できる。
なぜ予算実績差異分析が必要なのか、予算実績差異分析に使用する一般的な項目と手法および予算実績差異分析の実例を理解し、説明できる。
15週 17.CVP分析
18.これからの管理会計モデル
18-1固定収益モデル
12-2 BSC(バランス・スコア・カード)
CVP分析とは何かおよびCVP分析をもちいた損益分岐点の計算方法を理解し、説明できる。
固定収益会計モデルとは何かおよびBSCとは何かを理解し、説明できる。
16週 定期試験

評価割合

中間試験定期試験授業ノートレポート課題合計
総合評価割合20203030100
基礎的能力00000
専門的能力20203030100