電子工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子工学Ⅰ
科目番号 J3-4021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 末松安晴,藤井信生監修「電子回路入門」実教出版/藤井信生「なっとくする電子回路」講談社,津田利春「電気と電子の基礎知識」工学図書,尾崎弘他「電子回路アナログ編」共立出版,砂沢学「増幅回路の考え方」オーム社,曽和将容「トランジスタ回路を学ぶ人のために」オーム社
担当教員 稲川 清

到達目標

1)半導体素子の構造,動作,特性に関する基礎知識を理解し,増幅回路の動作解析における考え方,増幅回路の小信号等価回路,増幅回路の動作量について説明できる。
2)本講義で得た知識を使用してダイオード・トランジスタを用いた基本的な回路について,等価回路パラメータや,回路の入出力の関係を求める等の課題を解ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.半導体素子の構造,動作,特性に関する基礎知識を理解し,増幅回路の動作解析における考え方,増幅回路の小信号等価回路,増幅回路の動作量について説明できる。半導体素子の構造,動作,特性に関する基礎知識を理解し,増幅回路の動作解析における考え方,増幅回路の小信号等価回路,増幅回路の動作量について、的確に説明できる。半導体素子の構造,動作,特性に関する基礎知識を理解し,増幅回路の動作解析における考え方,増幅回路の小信号等価回路,増幅回路の動作量について、標準的なレベルで説明できる。半導体素子の構造,動作,特性に関する基礎知識を理解できておらず,増幅回路の動作解析における考え方,増幅回路の小信号等価回路,増幅回路の動作量について説明できない。
2.本講義で得た知識を使用してダイオード・トランジスタを用いた基本的な回路について,等価回路パラメータや,回路の入出力の関係を求める等の課題を解ける。本講義で得た知識を使用してダイオード・トランジスタを用いた基本的な回路について,等価回路パラメータや,回路の入出力の関係を求める等の課題を、的確に解ける。本講義で得た知識を使用してダイオード・トランジスタを用いた基本的な回路について,等価回路パラメータや,回路の入出力の関係を求める等の課題を、標準的なレベルで解ける。本講義で得た知識を使用してダイオード・トランジスタを用いた基本的な回路について,等価回路パラメータや,回路の入出力の関係を求める等の課題を解けない。

学科の到達目標項目との関係

学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および計算機システムⅠ・Ⅱ,オペレーティングシステムⅠ・Ⅱ,情報理論などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける.
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる

教育方法等

概要:
 本講義では,まず半導体と,現在の電子回路における基本構成要素であるダイオード,バイポーラトランジスタ,FET,およびICの構造と動作原理を学ぶ。
 次に増幅の原理,増幅回路の解析に用いられる等価回路について学ぶ。
授業の進め方・方法:
 基本的には座学が中心となるが,適宜演習を行う。
 成績は、定期試験40%,到達度試験35%,演習・課題レポート25%の割合で評価する。合格点は60点以上である。
 また,再試験を実施する場合には,別途その扱いについて連絡するので注意すること。
注意点:
 電気・磁気現象の基礎知識,回路計算の基礎知識,連立一次方程式の解法,数表現,三角関数,指数関数,複素数の計算等の数学的な基礎知識・計算力をしっかり身に付けておくこと。 さらに,演習に備えて,授業の際には関数電卓を常に用意すること。なお,講義予定に変更がある場合は授業中に連絡するので注意すること。
 自学自習として,授業毎に必ず復習をし、自主的な問題演習を行い,その週までの授業内容で分からない点が残らないようにすること。特に,成績不良の学生については,復習レポートの提出を求める。また,必要に応じて,数学,回路理論に関する復習を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体とキャリヤ 半導体と導体・絶縁体の違い,半導体の種類,キャリヤの種類について説明できる。
2週 半導体とキャリヤ 半導体と導体・絶縁体の違い,半導体の種類,キャリヤの種類について説明できる。
3週 真性半導体とキャリヤのふるまい 真性半導体のキャリヤ発生の仕組みとふるまいについて説明できる。
4週 n形半導体とキャリヤのふるまい n形半導体のキャリヤ発生の仕組みとふるまいについて説明できる。
5週 p形半導体とキャリヤのふるまい p形半導体のキャリヤ発生の仕組みとふるまいについて説明できる。
6週 pn接合 pn接合の平衡状態と,順バイアスおよび逆バイアスにおけるキャリヤの移動について説明できる。
7週 pn接合 pn接合の平衡状態と,順バイアスおよび逆バイアスにおけるキャリヤの移動について説明できる。
8週 前期到達度試験
2ndQ
9週 pn接合ダイオード pn接合ダイオードの構造,電圧・電流特性について説明できる。
10週 pn接合ダイオードによる整流回路 pn接合ダイオードを用いた整流回路の動作を説明でき,整流回路の平均値,実効値を計算できる。
11週 バイポーラトランジスタの基本構造 バイポーラトランジスタの構造を説明できる。
12週 バイポーラトランジスタの基本動作 バイポーラトランジスタの基本動作を説明できる。
13週 バイポーラトランジスタの基本動作 バイポーラトランジスタの基本動作を説明できる。
14週 バイポーラトランジスタの静特性 バイポーラトランジスタの静特性,回路記号を提示でき,さらにそれらと構造・動作の関係を説明できる。
15週 バイポーラトランジスタの静特性 バイポーラトランジスタの静特性,回路記号を提示でき,さらにそれらと構造・動作の関係を説明できる。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 JFETの構造と動作 JFETの構造と動作を説明できる。
2週 JFETの構造と動作 JFETの構造と動作を説明できる。
3週 MOSFETの構造と動作 MOSFETの構造と動作を説明できる。
4週 MOSFETの構造と動作 MOSFETの構造と動作を説明できる。
5週 FETの静特性 FETの静特性,回路記号を提示でき,さらにそれらと構造・動作の関係を説明できる。
6週 トランジスタ基本増幅回路の動作原理 増幅の基本的な概念,条件,増幅回路の動作原理を説明できる。
7週 トランジスタ基本増幅回路の動作原理 増幅の基本的な概念,条件,増幅回路の動作原理を説明できる。
8週 バイアス バイアスの概念およびその必要性について説明できる。
4thQ
9週 後期到達度試験
10週 電圧・電流・電力の増幅度と利得 増幅度や利得の定義を説明でき,定義に基づいてそれらを求めることができる。
11週 hパラメータと小信号等価回路 hパラメータの定義を説明でき,定義に基づいてそれらを求めることができる。また,バイポーラトランジスタの小信号等価回路を説明できる。
12週 hパラメータと小信号等価回路 hパラメータの定義を説明でき,定義に基づいてそれらを求めることができる。また,バイポーラトランジスタの小信号等価回路を説明できる。
13週 エミッタ接地増幅回路の動作量 エミッタ接地の基本増幅回路について、hパラメータ等価回路を用いて、動作量を計算できる。
14週 FET基本増幅回路 FETの小信号等価回路を説明でき,それを用いて基本増幅回路の動作量を求めることができる。
15週 FET基本増幅回路 FETの小信号等価回路を説明でき,それを用いて基本増幅回路の動作量を求めることができる。
16週 定期試験

評価割合

定期試験到達度試験演習・レポート合計
総合評価割合403525100
基礎的能力20201555
専門的能力20151045