電子工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子工学Ⅱ
科目番号 J4-4022 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:3
教科書/教材 末松安晴,藤井信生監修「電子回路入門」実教出版/藤井信生「なっとくする電子回路」講談社 尾崎弘他「電子回路アナログ編」共立出版 尾崎弘他「電子回路ディジタル編」共立出版 砂沢学「増幅回路の考え方」オーム社 白土義男「アナログICの基礎」東京電機大学出版局 Barbara Paynter:“Introduction Electronic Device and Circuit” ,Prentice Hall,2003.
担当教員 稲川 清

到達目標

1)増幅回路におけるバイアス設定,静特性と等価回路を用いた動作量解析の手法,負帰還の理論を説明でき,与えられた回路に対するバイアス,動作量の計算,および与えられた条件での増幅回路の設計ができる。
2)演算増幅器を用いた回路,発振回路,A-D変換器,D-A変換器の構造と動作原理を理解し,課題として与えられた回路図の動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.達成目標の各項目に関する知識を述べることができるか。達成目標の各項目に関する知識を、的確に述べることができる。達成目標の各項目に関する知識を、標準的なレベルで述べることができる。達成目標の各項目に関する知識を述べることがでない。
2.達成目標の各項目にある基礎事項,原理,概念を説明できるか。達成目標の各項目にある基礎事項,原理,概念を、的確に説明できる。達成目標の各項目にある基礎事項,原理,概念を、標準的なレベルで説明できる。達成目標の各項目にある基礎事項,原理,概念を説明できない。
3.達成目標の各項目にある各回路について,回路解析に必要な方程式を立てられるか。達成目標の各項目にある各回路について,回路解析に必要な方程式を、的確に立てられる。達成目標の各項目にある各回路について,回路解析に必要な方程式を、標準的なレベルで立てられる。達成目標の各項目にある各回路について,回路解析に必要な方程式を立てられない。
4.3.の回路方程式を基に解析結果,あるいは設計結果を提示できるか。3.の回路方程式を基に解析結果,あるいは設計結果を、的確に提示できる。3.の回路方程式を基に解析結果,あるいは設計結果を、標準的なレベルで提示できる。3.の回路方程式を基に解析結果,あるいは設計結果を提示できない。
5.専門用語を英語で表現できるか。また,英語の専門用語を日本語で表現できるか。専門用語を英語で的確に表現できる。また,英語の専門用語を日本語で的確に表現できる。専門用語を英語で表現できる。また,英語の専門用語を日本語で表現できる。専門用語を英語で表現できない。また,英語の専門用語を日本語で表現できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用できる能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および計算機システムⅠ・Ⅱ,オペレーティングシステムⅠ・Ⅱ,情報理論などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける.
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる

教育方法等

概要:
 3年生の電子工学Ⅰで学習した内容をもとに,種々の電子回路の構成と動作を講義する。
 具体的には,バイアス回路,CR結合増幅回路,負帰還回路,演算増幅器,発振回路,A-D変換器,D-A変換器について学ぶ。
授業の進め方・方法:
 基本的には座学が中心となるが,適宜演習を行う。
 成績評価は、定期試験40%,到達度試験35 %,演習・課題レポート25%の割合で評価する。合格点は60点以上である。
 また,再試験を実施する場合には,別途その扱いについて連絡するので注意すること。
注意点:
 3年生までの回路理論,電子工学Ⅰにおいて講義された回路計算,半導体,電子回路に関する基礎知識,また,連立一次方程式の解法,数表現,三角関数,指数関数,複素数の計算等の数学的な基礎知識・計算力をしっかり身に付けておくこと。さらに,演習に備えて,授業の際には関数電卓を常に用意すること。なお,講義予定に変更がある場合は授業中に連絡するので注意すること。
 本科目においては、45時間以上の自学自習が必要となる。自学自習としては,授業毎に必ず復習レポートを作成し、その週までの授業内容で分からない点が残らないようにすること。また,必要に応じて,数学,回路理論,電子工学Ⅰに関する復習を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電流帰還バイアス回路 バイポーラトランジスタのバイアス回路の構造を理解し,その動作を説明できる。また,与えられたバイアス条件を満足するバイアス回路を設計できる。
2週 FETバイアス回路 FETのバイアス回路の構造を理解し,その動作を説明できる。また,与えられたバイアス条件を満足するバイアス回路を設計できる
3週 CR結合増幅回路と等価回路 CR結合増幅回路について,その交流等価回路を導出できる。
4週 CR結合増幅回路の動作量 交流等価回路を用いて,CR結合増幅回路の動作量の導出,CR結合増幅回路の設計ができる。
5週 負帰還の原理 負帰還の概念を説明でき,その特徴について説明できる。
6週 直列帰還回路 負帰還増幅回路の動作量を,交流等価回路を用いて導出できる。
7週 到達度試験
8週 発振回路の基礎 発振の原理を理解し,発振条件について説明できる。
2ndQ
9週 LC発振回路 LC発振回路について,発振条件の導出,回路の設計ができる。
10週 水晶発振回路 水晶発振回路について,その特徴、動作原理を説明できる。
11週 演算増幅器の特性と基本動作 演算増幅器の特徴と基本的な入出力特性について説明できる。
12週 反転・非反転増幅器・加算回路 演算増幅器を応用した反転増幅回路・非反転増幅回路・加算回路の動作を説明でき,入出力関係を導出できる。
13週 A-D,D-A変換の基礎 A-D変換,D-A変換に関する基礎事項について説明でき、基本的な数値を計算できる。
14週 A-D変換器 代表的なA-D変換回路の動作を説明でき、変換値を計算できる。
15週 D-A変換器 代表的なD-A変換回路の動作を説明でき、変換値を計算できる。
16週 定期試験

評価割合

定期試験到達度試験演習・レポート合計
総合評価割合403525100
基礎的能力20151045
専門的能力20201555