情報学特論

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 情報学特論
科目番号 J5-4500 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書:なし/参考図書:A.-L. バラバシ『新ネットワーク思考~世界のしくみを読み解く』NHK出版,青木薫訳 (2002),M. ブキャナン『複雑な世界,単純な法則 ネットワーク科学の最前線』草思社,阪本芳久訳 (2005),井庭崇, 福原義久『複雑系入門 知のフロンティアへの冒険』NTT出版 (1998),メラニー・ミッチェル『ガイドツアー 複雑系の世界』紀伊國屋書店,高橋洋訳(2011),吉永良正『「複雑系」とは何か』,講談社現代新書 (1996),M・ワールドロップ『複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち』新潮文庫, 田中三彦, 遠山峻征訳 (2000),古川正志,荒井誠,吉村斎,浜克己『システム工学』コロナ社 (2000)
担当教員 原田 恵雨

到達目標

1) 複雑ネットワークとは何かを説明できる.
2) 複雑ネットワークの振る舞いについて,基本的な用語を織り交ぜた文章で説明できる.
3) 複雑ネットワークの簡単な構造分析ができ、評価できる.
4) 複雑ネットワーク上で起こる振る舞いの簡単なシミュレーションができ,評価できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑ネットワークとは何かを詳しく説明できる.複雑ネットワークとは何かを説明できる.複雑ネットワークとは何かを説明できない.
評価項目2複雑ネットワークの振る舞いについて,基本的な用語を織り交ぜた文章で詳しく説明できる.複雑ネットワークの振る舞いについて,基本的な用語を織り交ぜた文章で説明できる.複雑ネットワークの振る舞いについて,基本的な用語を織り交ぜた文章で説明できない.
評価項目3複雑ネットワークの多様な構造分析ができ、評価できる.複雑ネットワークの簡単な構造分析ができ、評価できる.複雑ネットワークの構造分析ができず、評価できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用できる能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(4) (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し,適切に対応する基礎的な能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,情報工学実験,情報通信Ⅰ・Ⅱ,システム工学などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける.
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる
学科目標 H(社会と時代が求める技術) ソフトウェア工学Ⅰ,情報学特論,卒業研究などを通して,社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける.
学校目標 H(社会と時代が求める技術) 社会や時代が要求する技術を工夫,開発,システム化できる創造力,デザイン能力,総合力を持った技術を身につける
本科の点検項目 H-ⅰ 専門とする分野について,社会が要求する技術課題を認識できる

教育方法等

概要:
 この授業では,現実世界の多くの現象が様々な"層"における多数の"要素"の相互作用によって引き起こされていることを発見し,その相互作用をネットワークとして表現したものについて理解を深める。
 なんらかのプログラミング言語で計算機上にシミュレーション環境を築くことにより,複雑な挙動に対する理解を深める。
授業の進め方・方法:
 本講義では,複雑ネットワークに関する基礎について学習する.その上で,理解を深めるための演習(主にプログラミング)を行う.
 講義はスライドおよび配布資料に基づいて行う.適宜,計算機演習を行い,講義内容についての理解をより深める.
 授業項目に対する達成目標に関する内容の試験および演習で総合的に達成度を評価する.定期試験および中間試験60%,演習40%の割合で総合的に評価する.合格点は60点である.なお,レポートは提示後から原則2週間以内に提出されない場合に大幅に減点する. 最終評価が合格点に達しない場合,再試験を行うことがある.
注意点:
 授業毎に配布する演習課題を取り組むこと.目標が達成されていない場合には再提出を求める.演習課題の8割以上を提出することが必須である.確率,統計,微分積分,線形代数,集合論,グラフ理論,プログラミングを復習しておくと役に立つだろう.
 また,自学自習時間は演習課題に使うこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 複雑系および複雑ネットワークの基礎 複雑ネットワークを簡単に説明でき、現実の複雑ネットワークの例を挙げることができる。
2週 使用するプログラミング言語の基本的な文法 なんらかのプログラミング言語を用いて複雑ネットワークを計算機上で取り扱う準備ができる
3週 使用するプログラミング言語の基本的な文法 なんらかのプログラミング言語を用いて複雑ネットワークを計算機上で取り扱う準備ができる
4週 使用するプログラミング言語の基本的な文法 なんらかのプログラミング言語を用いて複雑ネットワークを計算機上で取り扱う準備ができる
5週 ネットワークの各種表現方法 複雑ネットワークを計算機上で取り扱うための、具体的なデータ構造を用いることができる
6週 複雑ネットワークのスモールワールド性 複雑ネットワークのスモールワールド性を説明でき、その有無について計測できる
7週 複雑ネットワークのクラスタ性 複雑ネットワークのクラスタ性を説明でき、その有無について計測できる
8週 複雑ネットワークのスケールフリー性 複雑ネットワークのスケールフリー性を説明でき、その有無について計測できる
4thQ
9週 中間試験
10週 ネットワーク中心性 各種ネットワーク中心性を取り扱うことができる
11週 複雑ネットワークのコミュニティ構造 複雑ネットワーク上にコミュニティを定義できる
12週 ネットワーク上の情報伝播 ネットワーク上の情報伝播を計算機上でシミュレートでき,挙動について説明できる
13週 ネットワーク上の同期現象 ネットワーク上の同期現象を計算機上でシミュレートでき,挙動について説明できる
14週 その他のネットワーク上のダイナミクス ネットワーク上の動的な挙動を計算機上でシミュレートでき,挙動を説明できる
15週 その他のネットワーク上のダイナミクス ネットワーク上の動的な挙動を計算機上でシミュレートでき,挙動を説明できる
16週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000