材料工学(材料化学コース)

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料工学(材料化学コース)
科目番号 117078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:3
教科書/教材 教科書:足立吟也・島田昌彦・南努共著「新無機材料科学」化学同人/参考図書:坂田亮著「物性科学」培風館,柳田博明編「セラミックスの化学」丸善,サイエンティフィックアメリカン編,黒田晴雄訳「材料の化学」共立出版,荒川剛・江頭誠・平田好洋・松本泰道・村石治人共著「無機材料化学」三共出版,W.D.Kingery, H.K.Bowen, D.R.Uhlmann, “Introduction to Ceramics” 2nd Edition, Wiley Interscience, 1967.,A.R.West, “Basic Solid State Chemistry”, Wiley Interscience, 1984.
担当教員 古崎 毅

到達目標

1.真性半導体,不純物半導体の電気伝導性,p-n接合及びトランジスタの原理と特性,酸化物超伝導体の特性と電気伝導機構を説明できる。
2.イオン導電体の特性を説明できる。
3.ガラスの定義,ガラス転移点におけるイオンの挙動を説明できる。
4.シリカゲルの吸着特性・半導体ガスセンサの作動原理等,固体表面への気体の吸着現象を説明できる。
5.微粒子の持つ特性とそれが発現する理由を説明できる。
6.蛍光管及びレーザーの発光原理等,通信用光ファイバの構造と主たる製造法を説明できる。
7.顔料と染料を理解し,無機顔料・有機顔料の着色機構及び顔料の表面処理を説明できる。
8.バイオセラミックスの特徴を理解した上で工学的な用途を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.真性半導体,不純物半導体の電気伝導性,p-n接合及びトランジスタの原理と特性,酸化物超伝導体の特性と電気伝導機構を説明できる。真性半導体,不純物半導体の電気伝導性,p-n接合及びトランジスタの原理と特性,酸化物超伝導体の特性と電気伝導機構を説明できる。真性半導体,不純物半導体の電気伝導性,p-n接合及びトランジスタの原理と特性,酸化物超伝導体の特性と電気伝導機構の基本的な説明ができる。真性半導体,不純物半導体の電気伝導性,p-n接合及びトランジスタの原理と特性,酸化物超伝導体の特性と電気伝導機構の基本的な説明ができない。
2.イオン導電体の特性を説明できる。イオン導電体の特性を説明できる。イオン導電体の特性の基本的な説明ができる。イオン導電体の特性の基本的な説明ができない。
3.ガラスの定義,ガラス転移点におけるイオンの挙動を説明できる。ガラスの定義,ガラス転移点におけるイオンの挙動を説明できる。ガラスの定義,ガラス転移点におけるイオンの挙動の基本的な説明ができる。ガラスの定義,ガラス転移点におけるイオンの挙動の基本的な説明ができない。
4.シリカゲルの吸着特性・半導体ガスセンサの作動原理等,固体表面への気体の吸着現象を説明できる。シリカゲルの吸着特性・半導体ガスセンサの作動原理等,固体表面への気体の吸着現象を説明できる。シリカゲルの吸着特性・半導体ガスセンサの作動原理等,固体表面への気体の吸着現象の基本的な説明ができる。シリカゲルの吸着特性・半導体ガスセンサの作動原理等,固体表面への気体の吸着現象の基本的な説明ができない。
5.微粒子の持つ特性とそれが発現する理由を説明できる。微粒子の持つ特性とそれが発現する理由を説明できる。微粒子の持つ特性とそれが発現する理由の基本的な説明ができる。微粒子の持つ特性とそれが発現する理由の基本的な説明ができない。
6.蛍光管及びレーザーの発光原理等,通信用光ファイバの構造と主たる製造法を説明できる。蛍光管及びレーザーの発光原理等,通信用光ファイバの構造と主たる製造法を説明できる。蛍光管及びレーザーの発光原理等,通信用光ファイバの構造と主たる製造法の基本的な説明ができる。蛍光管及びレーザーの発光原理等,通信用光ファイバの構造と主たる製造法の基本的な説明ができない。
7.顔料と染料を理解し,無機顔料・有機顔料の着色機構及び顔料の表面処理を説明できる。顔料と染料を理解し,無機顔料・有機顔料の着色機構及び顔料の表面処理を説明できる。顔料と染料を理解し,無機顔料・有機顔料の着色機構及び顔料の表面処理の基本的な説明ができる。顔料と染料を理解して無機顔料・有機顔料の着色機構及び顔料の表面処理の基本的な説明ができない。
8.バイオセラミックスの特徴を理解した上で工学的な用途を説明できる。バイオセラミックスの特徴を理解した上で工学的な用途を説明できる。バイオセラミックスの特徴を理解した上で工学的な用途の基本的な説明ができる。顔料と染料を理解して無機顔料・有機顔料の着色機構及び顔料の表面処理の基本的な説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
無機材料の電気的性質及び光学的性質をさらに深く教授するとともにその工学的応用について教授する。また,固体表面の機能性,セラミックスの強さの秘密,金属材料の機械的性質等についても教授する。
授業の進め方・方法:
授業は,教員による説明により進める。授業で課される課題・予習は自学自習により取り組むこと(90時間の自学自習を必要とする)。試験及び課題では,授業項目に対する達成目標を達成できているかどうかを評価の観点に基づいた問題や課題を出題して,試験及び課題により総合評価する(中間時期の到達度確認40%,定期試験45%,課題15%の割合)。提出期限の遅れた課題は減点する。合格点は60点である。再試験は,学業成績の評価点が40点以上60点未満の学生を対象として行うことがあり,試験分(85%分)の再評価をするものとする。再試験を受けた学生の成績評価は60点を越えないものとする。
注意点:
授業で課される演習・課題に自学自習により取り組むこと(45時間の自学自習を必要とする)。提出された演習・課題は添削後,目標が達成されていることを確認する。目標が達成されていない場合には再提出を求める。講義時には,ノート,筆記用具,定規を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 固体中での電子やイオンの動き(1):エネルギーギャップの形成,金属・半導体・絶縁体のバンドモデル,真性半導体と不純物半導体 真性半導体,不純物半導体の電気伝導性の基本的な説明ができる。
2週 固体中での電子やイオンの動き(2):ゼーベック効果,ホール効果,p-n接合,トランジスタ p-n接合及びトランジスタの原理と特性の基本的な説明ができる。
3週 固体中での電子やイオンの動き(3):酸化物高温超伝導体の特性,イオン伝導体(安定化ジルコニア,β-アルミナ)の特性 酸化物超伝導体の特性と電気伝導機構の基本的な説明ができる。
4週 固体中での電子やイオンの動き(4):イオン伝導体の応用 イオン導電体の特性の基本的な説明ができる。
5週 ガラスについて(1):ガラスの概念,ガラス転移の熱力学的考察 ガラスの定義,ガラス転移点におけるイオンの挙動の基本的な説明ができる。
6週 ガラスについて(2):ガラスの構造におけるイオンの配置 同上
7週 固体表面の機能(1):シリカゲルの吸着特性,固体表面の構造,吸着現象と触媒作用 シリカゲルの吸着特性,固体表面への気体の吸着現象の基本的な説明ができる。
8週 固体表面の機能(2):吸着剤と触媒の特性,半導体ガスセンサの作動原理,微粒子の特性 半導体ガスセンサの作動原理等,微粒子の持つ特性とそれが発現する理由の基本的な説明ができる。
2ndQ
9週 光る材料について(1):蛍光管の発光原理,カラーテレビの蛍光体 蛍光管の発光原理等の基本的な説明ができる。
10週 光る材料について(2):エネルギー移動,レーザーの発光原理 レーザーの発光原理等の基本的な説明ができる。
11週 光る材料について(3):光ファイバの構造と製造法 通信用光ファイバの構造と主たる製造法の基本的な説明ができる。
12週 顔料について(1):顔料と染料,顔料の着色機構,顔料の表面処理 顔料と染料を理解し,無機顔料の着色機構及び顔料の表面処理の基本的な説明ができる。
13週 顔料について(2):顔料の隠蔽力,代表的な有機顔料 有機顔料の着色機構の基本的な説明ができる。
14週 バイオセラミックスについて(1):硬組織の代用品としての材料,生体材料に求められる性質 バイオセラミックスの特徴を理解した上で工学的な用途の基本的な説明ができる。
15週 バイオセラミックスについて(2):生体で溶解する材料と溶解しない材料 同上
16週

評価割合

中間時期の達成度確認定期試験課題合計
総合評価割合404515100
基礎的能力1520540
専門的能力25251060
分野横断的能力0000