錯体化学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 錯体化学
科目番号 228188 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 教科書:なし/ 参考図書:長谷川靖哉,伊藤肇共著「錯体化学 基礎から応用まで」講談社,岩本振武,萩野博,久司佳彦,山内脩共著「大学院錯体化学」講談社,基礎錯体工学研究会編集「新版錯体化学 基礎と最新の展開」講談社,松林玄悦,黒沢英夫,芳賀正明,松下隆之共著「錯体・有機金属の化学」丸善,長尾宏隆,大山大共著「無機化学 基礎から学ぶ元素の世界」裳華房,古崎毅,奥田弥生,川村靜夫共著「苫小牧工業高等専門学校物質工学科の学生のための無機化学」,F. Bassolo, R. C. Johnson共著, 山田祥一郎訳「配位化学ー金属錯体の化学ー」化学同人,F. Bassolo, R. C. Johnson, “Coordination Chemistry”, Science Reviews Ltd. (1986)
担当教員 藤田 彩華

到達目標

1. 錯体化学を学ぶ上で重要な用語(配位子、配位数、配座など)について説明することができる。
2. IUPAC法に基づいて錯体の命名ができる。
3. 静電的モデルおよび共有結合を用いて金属イオン-配位子の組み合わせから錯体の安定性を説明できる。
4. 2つの化学結合理論(原子価結合理論、分子軌道理論)に関する基礎的な知識を持ち,錯体の電子配置が説明できる。
5. 結晶場理論を応用して配位子場の強さから錯体の構造や磁性の傾向、色が推定できる。
6. 配位子の置換反応を用いて錯体の反応速度を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 錯体化学を学ぶ上で重要な用語(配位子、配位数、配座など)について説明することができる。錯体化学を学ぶ上で重要な用語(配位子、配位数、配座など)について全て説明することができる。錯体化学を学ぶ上で重要な用語(配位子、配位数、配座など)のうち内、半数の用語について説明することができる。錯体化学を学ぶ上で重要な用語(配位子、配位数、配座など)の内、半数の用語について説明することができない。
2. IUPAC法に基づいて錯体の命名ができる。IUPAC法に基づいて、複雑な構造の錯体を命名することができる。IUPAC法に基づいて、簡単な構造の錯体を命名することができる。IUPAC法に基づいて、簡単な構造の錯体を命名することができない。
3. 静電的モデルおよび共有結合を用いて金属イオン-配位子の組み合わせから錯体の安定性を説明できる。静電的モデルおよび共有結合を用いて金属イオン-配位子の組み合わせから錯体の安定性を説明できる。静電的モデルおよび共有結合を用いた錯体の安定性を説明できる。静電的モデルおよび共有結合を用いた錯体の安定性を説明できない。
4. 2つの化学結合理論(原子価結合理論、分子軌道理論)に関する基礎的な知識を持ち,錯体の電子配置が説明できる。2つの化学結合理論(原子価結合理論、分子軌道理論)に関する基礎的な知識を持ち,錯体の電子配置が説明できる。2つの化学結合理論(原子価結合理論、分子軌道理論)の違いを説明できる。2つの化学結合理論(原子価結合理論、分子軌道理論)の違いを説明できない。
5. 結晶場理論を応用して配位子場の強さから錯体の構造や磁性の傾向、色が推定できる。結晶場理論を応用して配位子場の強さから錯体の構造や磁性の傾向、色が推定できる。結晶場理論、配位子場理論を説明できる。結晶場理論、配位子場理論を説明できない。
6. 配位子の置換反応を用いて錯体の反応速度を説明することができる。配位子の置換反応を用いて錯体の反応速度を説明することができる。2つの配位子置換反応の機構について違いを説明できる。2つの配位子置換反応の機構について違いを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・金属錯体を対象とし,錯体を構成する金属や配位子の種類と錯体の安定度について理解する。
・2つの化学結合理論について初歩的なことを理解する。
・錯体の中心原子の電子配置と配位子置換の反応速度との関係を理解する。
授業の進め方・方法:
・演習問題への取り組みおよび発表,中間・定期試験により総合的に達成度を評価する(課題への取り組みおよび発表:20%,中間試験40%,定期試験40%の割合)。合格点は60点以上である。
・再試験は,学業成績の評価点が40点以上60点未満の者を対象として行うことがあり,試験分(80%分)の再評価をするものとする。再試験を受けた学生の成績評価は60点を超えないものとする。
・この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として課題レポートの提出を求める。
注意点:
・分析化学および無機化学で習得した知識が基礎となるので,関連科目を復習し講義に臨むこと。図書館やインターネットを活用して関連事項を参照したり,自学自習に取り組むこと(30時間以上の自学自習を必要とする)。
・教科書は用意していないので,自分で作成したノートが教科書代わりとなる。講義を聴き,きちんとノートを取ること。なお,講義の理解を深めるためにプリントは適宜配布する。
・授業中もしくは授業外の課題として演習問題に取り組み、その課題・演習問題について発表すること(評価の発表点となる)。
・講義時には,ノート,電卓,定規を準備すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 錯体とはー配位子、配位数、配座ー 錯体化学を学ぶ上で,重要な用語(配位子,配位数,配座)を説明することができる。
2週 錯体の命名 IUPAC法に基づいた錯体の命名ができる。
3週 錯体の安定度と金属イオンの種類(1) 静電的モデルで錯体の安定性について説明することができる。
4週 錯体の安定度と金属イオンの種類(2) 共有結合を使って錯体の安定性を説明することができる。
5週 錯体の安定度と金属イオンの種類(3) エントロピー変化の観点から錯体の安定性を説明できる。
6週 金属錯体の電子構造 有効原子番号を計算することができる。
7週 原子価結合理論 原子価結合理論を用いて内軌道錯体,外軌道錯体と電子配置の関係が説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 結晶場理論(1) d電子数からCFSEが計算できる。低スピン錯体,高スピン錯体の電子配置が書ける。
10週 結晶場理論(2) 結晶場分裂の大きさを決める要因について説明することができる。
11週 配位子場理論 分子軌道理論を理解し,配位子場理論を説明できる。
12週 遷移金属錯体の吸収スペクトル(色)と磁性 配位子場の強さから錯体の色や磁性について説明することができる。
13週 反応速度の定義 活性化エネルギー,反応エネルギーと錯体の反応速度との関連が説明できる。
14週 置換活性と置換不活性錯体 置換活性と置換不活性の定義が説明できる。錯体を置換活性,置換不活性に分類できる。
15週 置換反応の機構 2つの置換反応(解離、会合)の機構について説明することができる。トランス効果を用いて平面四角形錯体の構造を決定できる。
16週 定期試験

評価割合

中間試験定期試験課題・発表合計
総合評価割合404020100
基礎的能力30301070
専門的能力10101030