生化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生化学Ⅰ
科目番号 S3-5081 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 H.R. Horton他著 鈴木紘一他監訳 「ホートン 生化学 第5版」 東京化学同人/参考書:D. Voet著 田宮信雄他訳 「ヴォート 生化学 第3版」 東京化学同人,田村隆明他著 「基礎分子生物学」 東京化学同人,岡田隆夫著 「楽しくわかる生物・化学・物理」 羊土社
担当教員 宇津野 国治

到達目標

1.アミノ酸や糖,脂質,核酸の構造を書くことができる。
2.タンパク質や糖,脂質,核酸の機能を説明することができる。
3.遺伝情報の流れを説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.アミノ酸や糖,脂質,核酸の構造を書くことができる。アミノ酸や糖,脂質,核酸の構造を書くことができる。アミノ酸や糖,脂質,核酸の構造を概ね書くことができる。アミノ酸や糖,脂質,核酸の構造を書くことができない。
2.タンパク質や糖,脂質,核酸の機能を説明することができる。タンパク質や糖,脂質,核酸の機能を説明することができる。タンパク質や糖,脂質,核酸の機能を概ね説明することができる。タンパク質や糖,脂質,核酸の機能を説明することができない。
3.遺伝情報の流れを説明することができる。遺伝情報の流れを説明することができる。遺伝情報の流れを概ね説明することができる。遺伝情報の流れを説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

物質工学科の学習・教育到達目標 1 数学,自然科学,情報技術および物質工学基礎,無機化学Ⅰ・Ⅱ,有機化学Ⅰ・Ⅱ,分析化学Ⅰ・Ⅱ,物理化学Ⅰ・Ⅱ,生化学Ⅰ・Ⅱ,分子生物学,化学熱力学,応用数学,応用物理,物質工学実験などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅱ 自然科学に関する基礎的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
生体を構成する主要な物質,および生物が利用する代表的な物質の構造と性質を覚え,生体内でそれらがどのように役立っているのかを理解することを目標とする。特に,タンパク質の機能型である酵素の特性とタンパク質が作られるまでの遺伝情報の流れを学ぶことによって,生体反応のメカニズムを理解するための基礎知識を身に付けることを目指す。
授業の進め方・方法:
授業は,教員による説明のほかにグループワークや発表を行う。発表日以外は,毎回,小テストを実施する。また,個人発表に対して全員が質問をする。授業の最後に授業のまとめを作成し,理解度を確認する。
成績評価は,前期中間試験15%,前期定期試験15%,後期中間試験15%,後期定期試験15%,小テスト15%,質問10%,発表10%,授業のまとめ5%である。合格点は60点以上とする。再試験は中間・定期試験分の60%とする。
注意点:
正当な理由なく発表を行わなかった場合や課題を提出しなかった場合には最終評価を60点未満とする。授業態度が悪い者や小テストの平均点が40点未満の者には原則として再試験を実施しない。特別欠席以外で小テストを未受験の場合や質問をできなかった場合,授業のまとめが未提出の場合は0点とする。不正行為を行った場合には成績評価を0点とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生化学入門
(教科書pp.3~24)
タンパク質,核酸,多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。
2週
(教科書pp.25~44)
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合や疎水性相互作用など)の化学を理解している。
3週 アミノ酸とタンパク質の一次構造
(教科書pp.47~71)
タンパク質の機能をあげることができ,タンパク質が生命活動の中心であることを理解している。タンパク質を構成するアミノ酸をあげ,それらの側鎖の特徴を理解している。
4週 アミノ酸とタンパク質の一次構造
(教科書pp.47~71)
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。
5週 タンパク質:三次元構造と機能
(教科書pp.72~113)
タンパク質の立体構造(一次・二次・三次・四次構造)について説明できる。
6週 酵素の特性
(教科書pp.114~135)
酵素の性質について理解している。
7週 酵素の特性
(教科書pp.114~135)
ミカエリス・メンテン式を理解することができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 酵素の反応機構
(教科書pp.136~163)
酵素の構造と酵素-基質複合体について理解している。
10週 補酵素とビタミン
(教科書pp.164~188)
補酵素の働きを例示でき、水溶性ビタミンとの関係を理解している。
11週 糖質
(教科書pp.189~212)
糖の生物機能を説明できる。単糖の化学構造を説明でき,各種の異性体について理解している。
12週 糖質
(教科書pp.189~212)
グリコシド結合を説明できる。多糖の例を説明できる。
13週 脂質と生体膜
(教科書pp.213~246)
脂質の機能を複数あげることができる。トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。
14週 脂質と生体膜
(教科書pp.213~246)
リン脂質が作るミセル,脂質二重層について説明でき,生体膜の化学的性質を理解している。
15週 生化学に関する発表 生化学に関して調査した内容をパワーポイントを用いて発表することができる。また、他人の発表を適切に評価できる。
16週
後期
3rdQ
1週 核酸
(教科書pp.485~508)
ヌクレオチドの構造を説明できる。DNAの二重らせん構造,塩基の相補的結合を理解している。
2週 核酸
(発表)
核酸に関する問題を解くことができ,それをパワーポイントを用いて発表することができる。また,発表に対して質問をすることができる。
3週 核酸
(教科書pp.485~508)
染色体の構造を理解することができる。
4週 核酸
(発表)
染色体に関する問題を解くことができ,それをパワーポイントを用いて発表することができる。また,発表に対して質問をすることができる。
5週 DNA複製
(教科書pp.509~526)
DNAの半保存的複製を説明できる。
6週 DNA複製
(発表)
複製に関する問題を解くことができ,それをパワーポイントを用いて発表することができる。また,発表に対して質問をすることができる。
7週 転写とRNAプロセシング
(教科書pp.535~560)
RNAの種類と働きを列記できる。転写の過程について理解することができる。
8週 転写とRNAプロセシング
(発表)
転写に関する問題を解くことができ,それをパワーポイントを用いて発表することができる。また,発表に対して質問をすることができる。
4thQ
9週 後期中間試験
10週 転写とRNAプロセシング
(教科書pp.535~560)
遺伝子の発現制御について理解することができる。
11週 転写とRNAプロセシング
(発表)
遺伝子の発現制御に関する問題を解くことができ,それをパワーポイントを用いて発表することができる。また,発表に対して質問をすることができる。
12週 タンパク質合成
(教科書pp.561~586)
コドンについて説明でき,翻訳の概要を説明できる。
13週 タンパク質合成
(発表)
タンパク質合成に関する問題を解くことができ,それをパワーポイントを用いて発表することができる。また,発表に対して質問をすることができる。
14週 タンパク質合成
(教科書pp.561~586)
翻訳の過程について理解することができる。
15週 タンパク質合成
(発表)
翻訳の過程に関する問題を解くことができ,それをパワーポイントを用いて発表することができる。また,発表に対して質問をすることができる。
16週

評価割合

試験小テスト質問発表授業のまとめ合計
総合評価割合601510105100
基礎的能力301500045
専門的能力30055040
分野横断的能力0055515