化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 S4-5100 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:3
教科書/教材 化学工学会監修 多田豊編「化学工学(改訂第3版) -解説と演習-」朝倉書店Warren McCabe,“Unit Operations of Chemical Engineering (Mcgraw-Hill Chemical Engineering Series)”,Mcgraw-Hill,2004
担当教員 平野 博人

到達目標

1.化学工学で扱う諸量の単位換算ができ,次元式で表すことができる。
2.気体の状態方程式を用いて諸量を計算で求めることがきる。
3.物質収支の考えを理解し,収支計算をすることができる。
4.両対数グラフ,片対数グラフを使って実験式を求めることができる。
5.円管内の定常流れの流速,流量等を計算し,レイノルズ数を求め流動機構を判定でき,ベルヌイの式を理解し,エネルギー損失等の計算ができる。
6.伝熱機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱,輻射伝熱での伝熱量等の計算ができ,熱交換器における熱的設計計算ができる。
7.沸点上昇を計算することができ,単一蒸発管での熱収支,物質収支計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1化学工学で扱う諸量の単位換算ができ,次元式で表すことができる。化学工学で扱う諸量の基本的な単位換算ができ,次元式で表すことができる。化学工学で扱う諸量の単位換算ができ,次元式で表すことができない。
到達目標2気体の状態方程式を用いて諸量を計算で求めることがきる。気体の状態方程式を用いて基本的な諸量を計算で求めることがきる。気体の状態方程式を用いて諸量を計算で求めることがきない。
到達目標3物質収支の考えを理解し,収支計算をすることができる。物質収支の考えを理解し,基本的な収支計算をすることができる。物質収支の考えを理解し,収支計算をすることができない。
到達目標4両対数グラフ,片対数グラフを使って実験式を求めることができる。両対数グラフ,片対数グラフを使うことができる。両対数グラフ,片対数グラフを使うことができない。
到達目標5円管内の定常流れの流速,流量等を計算し,レイノルズ数を求め流動機構を判定でき,ベルヌイの式を理解し,エネルギー損失等の計算ができる。円管内の定常流れの流速,流量等を計算し,レイノルズ数を求め流動機構を判定でき,ベルヌイの式を理解し,基本的なエネルギー損失等の計算ができる。円管内の定常流れの流速,流量等を計算し,レイノルズ数を求め流動機構を判定でき,ベルヌイの式を理解し,エネルギー損失等の計算ができない。
到達目標6伝熱機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱,輻射伝熱での伝熱量等の計算ができ,熱交換器における熱的設計計算ができる。伝熱機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱,輻射伝熱での伝熱量等の計算ができ,基本的な熱交換器における熱的設計計算ができる。伝熱機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱,輻射伝熱での伝熱量等の計算ができ,熱交換器における熱的設計計算ができない。
到達目標7沸点上昇を計算することができ,単一蒸発管での熱収支,物質収支計算ができる。沸点上昇を計算することができ,単一蒸発管での基本的な熱収支,物質収支計算ができる。沸点上昇を計算することができ,単一蒸発管での熱収支,物質収支計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
物質工学科の学習・教育到達目標 2 ものづくりに関係する工学分野のうち,応用有機化学,高分子化学,品質管理,化学工学Ⅰ・Ⅱ,反応工学,機器分析,環境化学,卒業研究に加え,材料化学コースでは無機材料化学,有機材料化学,材料工学実験,生物化学コースでは遺伝子・タンパク質工学,生物工学実験などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
 化学工学は,化学製造工程を効率よく経済的に行わせるための学問で,主に製造工程に応用されている機器ならびに装置の操作,設計,製作及び運転が目標である。しかし,これらの知識を全て収得するには広く工学の基本的な学問が必要であるが,ここでは化学工学の一部である化学工学量論,流動および伝熱について初歩的な知識を教授する。化学工学Ⅱへと繋がる科目である。
授業の進め方・方法:
 授業には関数電卓,定規,グラフ用紙を用意すること。
 授業項目毎に配布される演習課題に自学自習により取り組むこと。演習問題は添削後,目標が達成されていることを確認し,返却します。目標が達成されていない場合には,再提出を求めることがある。
 授業項目に対する達成目標に関する内容の試験および演習で総合的に達成度を評価する。割合は定期試験40%,中間試験40%,演習20%とし,合格点は60点である。
注意点:
 自学自習時間(60時間の自学自習が必要)として,日常の授業のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題,および各試験の準備のための現況時間を総合したのもとする.
 評価が60点未満のものに対して再試験を実施することがあるが,課題提出や授業態度等が著しく不良な場合はこの受験を認めない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 化学工学の基礎(1)
単位と次元
化学工学で扱う諸量の単位換算ができ,次元式で表すことができる。
2週 化学工学の基礎(2)
気体の状態方程式
気体の状態方程式を用いて諸量を計算で求めることがきる。
3週 化学工学の基礎(3)
物質収支
物質収支の考えを理解し,収支計算をすることができる。
4週 化学工学の基礎(4)
図表の取り扱い
両対数グラフ,片対数グラフを使うことができる。
5週 流動(1)
流体の流れ
円管内の定常流れの流速,流量等を計算できる.レイノルズ数を求め流動機構を判定できる。
6週 流動(2)
ベルヌイの式
ベルヌイの式を理解できる。
7週 流動(3)
管内のエネルギー損失
エネルギー損失等の計算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 流動(4)
流速および流量の測定
流速および流量の測定法を理解できる。
10週 伝熱(1)
伝熱の基本機構および伝導伝熱
伝熱機構を理解し,伝導伝熱での伝熱量等の計算ができる。
11週 伝熱(2)
対流伝熱
対流伝熱での伝熱量等の計算ができる。
12週 伝熱(3)
輻射伝熱
輻射伝熱での伝熱量等の計算ができる。
13週 伝熱(4)
熱交換器
熱交換器における熱的設計計算ができる。
14週 蒸発(1)
沸点上昇
沸点上昇を計算することができる。
15週 蒸発(2)
物質収支,熱収支
単一蒸発管での熱収支,物質収支計算ができる。
16週

評価割合

試験演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力20020
専門的能力602080
分野横断的能力000