到達目標
1.単蒸留とフラッシュ蒸留の缶出液および留出液組成を求めることができ,連続精留塔の物質収支を理解し,作図により理論段数を求めることができる。
2.ヘンリーの法則を用いて気体の溶解度を求めることがきる。吸収塔の物質収支を理解し,装置の基本設計ができる。
3.溶解度曲線とタイラインを作図でき,抽出液と抽残液の組成を求めることができる。向流多段抽出の物質収支を理解し,所要段数を算出できる。
4.湿度図表を用いて湿り空気の特性を求めることができ,調湿装置を理解し,操作手順を説明できる。
5.乾燥機構を理解し,乾燥特性曲線を作図でき,恒率および減率乾燥速度を理解し各乾燥所要時間を計算により求めることができる。
6.粉粒体の沈降速度,比表面積,粒子径を算出でき,残留率および頻度分布曲線を求めることができる。
7.沈降槽,ろ過等の固液分離装置の物質収支を理解できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標1 | 単蒸留とフラッシュ蒸留の缶出液および留出液組成を求めることができ,連続精留塔の物質収支を理解し,作図により理論段数を求めることができる。 | 蒸留での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができる。 | 蒸留での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができない。 |
到達目標2 | ヘンリーの法則を用いて気体の溶解度を求めることがきる。吸収塔の物質収支を理解し,装置の基本設計ができる。 | ガス吸収での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができる。 | ガス吸収での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができない。 |
到達目標3 | 溶解度曲線とタイラインを作図でき,抽出液と抽残液の組成を求めることができる。向流多段抽出の物質収支を理解し,所要段数を算出できる。 | 液液抽出での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができる。 | 液液抽出での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができない。 |
到達目標4 | 湿度図表を用いて湿り空気の特性を求めることができ,調湿装置を理解し,操作手順を説明できる。 | 湿り空気の特性を算出することができる。 | 湿り空気の特性を算出することができない。 |
到達目標5 | 乾燥機構を理解し,乾燥特性曲線を作図でき,恒率および減率乾燥速度を理解し各乾燥所要時間を計算により求めることができる。 | 乾燥機構を理解し,乾燥所要時間を計算できる。 | 乾燥機構を理解し,乾燥所要時間を計算できない。 |
到達目標6 | 粉粒体の沈降速度,比表面積,粒子径を算出でき,残留率および頻度分布曲線を求めることができる。 | 粉粒体の特性値を算出することができる。 | 粉粒体の特性値を算出することができない。 |
到達目標7 | 沈降槽,ろ過等の固液分離装置の物質収支を理解できる。 | 固液分離の特性値を算出することができる。 | 固液分離の特性値を算出することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
物質工学科の学習・教育到達目標 2 ものづくりに関係する工学分野のうち,応用有機化学,高分子化学,品質管理,化学工学Ⅰ・Ⅱ,反応工学,機器分析,環境化学,卒業研究に加え,材料化学コースでは無機材料化学,有機材料化学,材料工学実験,生物化学コースでは遺伝子・タンパク質工学,生物工学実験などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる
教育方法等
概要:
化学工学は,化学製造工程を効率よく経済的に行わせるための学問で,主に製造工程に応用されている機器ならびに装置の操作,設計,製作及び運転が目標である。しかし,これらの知識を全て収得するには広く工学の基本的な学問が必要であるが,ここでは化学工学の一部である化学工学量論および単位操作について初歩的な知識を教授する。化学工学Ⅰの基礎知識を前提とする。
授業の進め方・方法:
授業には関数電卓,定規,グラフ用紙を用意すること。
授業項目毎に配布される演習課題に自学自習により取り組むこと。演習問題は添削後,目標が達成されていることを確認し,返却する。目標が達成されていない場合には,再提出を求めることがある。
授業項目に対する達成目標に関する内容の試験および演習で総合的に達成度を評価する。割合は定期試験40%,中間試験40%,演習20%とし,合格点は60点である。
注意点:
自学自習時間(60時間の自学自習が必要)として,日常の授業のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題,および各試験の準備のための現況時間を総合したものとする。
評価が60点未満のものに対して再試験を実施することがあるが,課題提出や授業態度等が著しく不良な場合はこの受験を認めない。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
蒸留(1) 気液平衡関係 |
2成分混合物の沸点-組成線図とx-y線図を作図することができる。気液平衡の全圧とモル分率を算出できる。
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2週 |
蒸留(2) 単蒸留とフラッシュ蒸留 |
単蒸留とフラッシュ蒸留の缶出液および留出液組成を求めることができる。
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3週 |
蒸留(3) 連続精留塔の物質収支および連続蒸留塔の理論段数計算
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連続精留塔の物質収支を理解し,作図により理論段数を求めることができる。
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4週 |
ガス吸収(1) ヘンリーの法則,吸収塔の物質収支 |
ヘンリーの法則を用いて気体の溶解度を求めることがきる。
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5週 |
ガス吸収(2) 最小液量流量,吸収塔高さの計算 |
吸収塔の物質収支を理解し,装置の基本設計ができる。
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6週 |
液液抽出(1) 三角線図 |
溶解度曲線とタイラインを作図できる。
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7週 |
液液抽出(2) 単抽出 |
単抽出における抽出液と抽残液の組成を求めることができる。
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8週 |
液液抽出(3) 向流多段抽出 |
向流多段抽出の物質収支を理解し,所要段数を算出できる。
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4thQ |
9週 |
後期中間試験 |
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10週 |
調湿(1) 湿り空気の特性と湿度図表 |
湿度図表を用いて湿り空気の特性を求めることができる。
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11週 |
調湿(2) 調湿操作 |
調湿装置を理解し,操作手順を説明できる。
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12週 |
乾燥(1) 乾燥機構 |
乾燥機構を理解し,乾燥特性曲線を作図できる。
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13週 |
乾燥(2) 恒率乾燥速度,減率乾燥速度 |
恒率および減率乾燥速度を理解し各乾燥所要時間を計算により求めることができる。
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14週 |
粉粒体 粒径,粒径分布,粒径測定法ならびに分級
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粉粒体の沈降速度,比表面積,粒子径を算出でき,残留率および頻度分布曲線を求めることができる。
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15週 |
固液分離 清澄,沈降濃縮,ろ過 |
沈降槽,ろ過等の固液分離装置の物質収支を理解できる。
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16週 |
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評価割合
| 試験 | 演習 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |