機器分析

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機器分析
科目番号 S5-5140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:3
教科書/教材 教科書:加藤正直著「基礎からわかる機器分析」森北出版 / 参考書:泉美治他監修 第2版「機器分析の手引き」化学同人, Donald T. Sawer et al., “Chemistry Experiments for Instrumental Methods”, John Wiley & Sons (1984)
担当教員 大島 和浩

到達目標

1. 主な機器分析手法の種類・概要・利点について理解し説明できる
2. 各分析方法により得られた測定結果に基づき,それぞれについて定性・定量分析を行うことができる
3. 各分析方法により得られたスペクトルやサーモグラムを解析し,試料の構造や物性に関する適切なデータを得ることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
主な機器分析手法の種類・概要・利点について理解し説明できる。主な機器分析手法の種類・概要・利点について理解し説明できる 主な機器分析手法の種類・概要・利点の基本的内容について説明できる主な機器分析手法の種類・概要・利点の基本的内容について説明できない
各分析方法により得られた測定結果に基づき,それぞれについて定性・定量分析を行うことができる。各分析方法により得られた測定結果に基づき,それぞれについて定性・定量分析を行うことができる各分析方法により得られた測定結果に基づき,それぞれについて基本的な定性・定量分析を行うことができる各分析方法により得られた測定結果に基づき,それぞれについて基本的な定性・定量分析を行うことができない
各分析方法により得られたスペクトルやサーモグラムを解析し,試料の構造や物性に関する適切なデータを得ることができる各分析方法により得られたスペクトルやサーモグラムを解析し,試料の構造や物性に関する適切なデータを得ることができる各分析方法により得られたスペクトルやサーモグラムを解析し,試料の構造や物性に関する基本的なデータを得ることができる各分析方法により得られたスペクトルやサーモグラムを解析し,試料の構造や物性に関する基本的なデータを得ることができない

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(2) いくつかの工学の基礎的な知識・技術を駆使して実験を計画・遂行し,データを正確に解析し,工学的に考察し,かつ説明・説得する能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
物質工学科の学習・教育到達目標 2 ものづくりに関係する工学分野のうち,応用有機化学,高分子化学,品質管理,化学工学Ⅰ・Ⅱ,反応工学,機器分析,環境化学,卒業研究に加え,材料化学コースでは無機材料化学,有機材料化学,材料工学実験,生物化学コースでは遺伝子・タンパク質工学,生物工学実験などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅱ 自然科学に関する基礎的な問題を解くことができる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
機器分析は,簡単かつ短時間で必要とするデータが得られることから,研究機関はもとより化学産業現場においても多様な分析設備が導入され日常的に利用されている。本講義では中でも汎用的な機器分析方法を取り上げ,その原理や測定手法,データ解析法の基本について学ぶ。
授業の進め方・方法:
主にPPを使用する。テキストのほか,電卓・定規・グラフ用紙を用意すること。成績評価は下記評価割合に従う(定期試験50%  中間まとめテスト30% 小テスト10%  演習課題10%)。評価点が60点に満たない場合の再試験は、受講態度および課題提出状況が良好な者に対して実施することがある。
注意点:
講義では適宜演習・小テストを課すので自学自習により取り組むこと(60時間以上を前提とする)。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機器分析の概要 主な機器分析手法の種類・概要・利点について説明できる
2週 紫外可視分光光度法 紫外可視分光光度法の原理について理解し説明できる。測定データから基礎的な定量分析を行うことができる。
3週 蛍光光度法 蛍光光度法の原理について理解し説明できる。測定データから基礎的な定量分析を行うことができる。
4週 原子吸光分析法 原子吸光分析法の原理について理解し説明できる。測定データから基礎的な定量分析を行うことができる
5週 ICP発光分析法 ICP発光分析法の原理について理解し説明できる。スペクトルから基礎的な定量分析を行うことができる
6週 熱分析法(1) DSC DSCの概要および測定原理について理解できる。サーモグラムを解析し,材料物性について知見を得ることができる。
7週 熱分析法(2) TG-DTA TG-DTAの概要および測定原理について理解できる。サーモグラムを解析し,材料物性について知見を得ることができる。
8週 まとめ(テスト) 第7週までの内容を理解している。テストで合格点に到達できる
2ndQ
9週 赤外吸収スペクトル法 赤外吸収スペクトル法の原理について説明できる。IRスペクトルから,基礎的な構造解析ができる。
10週 ラマン分光法 ラマン分光法の原理について説明できる。IRスペクトルから,基礎的な構造解析ができる。
11週 質量分析法(1) 装置概要とフラグメント 質量分析装置の概要,フラグメント発生過程について理解している
12週 質量分析法(2) マススペクトル マススペクトルから基本的な分子構造解析ができる
13週 クロマトグラフィー(1) GC GCの概要を理解し,クロマトグラムから定量計算ができる
14週 クロマトグラフィー(2) HPLC HPLCの概要を理解し、クロマトグラムから定量計算ができる
15週 クロマトグラフィー(3) SEC SECの概要を理解し,クロマトグラムから分子量を求める過程を説明できる
16週

評価割合

試験テスト(中間まとめ)小テスト演習課題合計
総合評価割合50301010100
基礎的能力25155550
専門的能力25155550