生物資源化学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物資源化学
科目番号 S5-5770 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書:(なし)自作プリント配布 / 教材: 1)井上 義夫ら 著「グリーン プラスチック技術」シーエムシー出版. 2)木谷 収 著「バイオマス-生物資源と環 境」コロナ社. 3)天野 卓ら著 「生物資源とその利用(第3版)」三共出版. 4)原後雄太,泊みゆき 著「バイオマス産業社会-バイオマス(生物資源)利用の基 礎知識」築地書館. 5)S. Fakirov, D. Bhattacharyya著「Handbook of Engineering Biopolymers: Homopolymers, Blends and Composites(2007)」 Hanser Gardner Publishing.
担当教員 甲野 裕之

到達目標

1) 生分解性高分子材料を生産・使用する意味を把握し、代表的な生分解性材料の一次構造・合成法・各種物性を説明できる。
2) 生分解性高分子材料の高次構造、機能化を理解し、その説明ができる。
3) 生分解性高分子の安全性評価法、生分解性評価方法と分解機構を理解し、その説明できる。
4) 微生物を用いたバイオマスの有効利用とその課題を理解し、現状と今後の展望について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1) 代表的な生分解性材料の一次構造、合成法、物性を理解し、説明できる。代表的な生分解性材料の一次構造、合成法、物性を理解し、説明できる。代表的な生分解性材料の一次構造、合成法、物性を理解できる。代表的な生分解性材料の一次構造、合成法、物性を理解できない。
2) 生分解性高分子材料の高次構造とその機能化を理解し説明できる。生分解性高分子材料の高次構造とその機能化を理解し説明できる。生分解性高分子材料の高次構造とその機能化を理解できる。生分解性高分子材料の高次構造とその機能化を理解できない。
3) 微生物を用いた生物資源の各種利用状況を理解し、国内外の現状と今後の展望について説明できる。微生物を用いた生物資源の各種利用状況を理解し、国内外の現状と今後の展望について説明できる。微生物を用いた生物資源の各種利用状況を理解できる微生物を用いた生物資源の各種利用状況を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
物質工学科の学習・教育到達目標 1 数学,自然科学,情報技術および物質工学基礎,無機化学Ⅰ・Ⅱ,有機化学Ⅰ・Ⅱ,分析化学Ⅰ・Ⅱ,物理化学Ⅰ・Ⅱ,生化学Ⅰ・Ⅱ,分子生物学,化学熱力学,応用数学,応用物理,物質工学実験などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる

教育方法等

概要:
高分子材料が関与する資源・環境問題について概説し、生分解プラスチック、天然高分子等の環境低負荷な高分子材料の構造、物性、開発状況、機能評価方法について教授する。さらに生物資源(蛋白質、核酸、糖質等)の材料としての有効利用について、その現状と今後の展望について教授する。
授業の進め方・方法:
生分解性高分子の種類とその構造的特徴を説明した後、その機能化と生分解性評価法に展開する。さらにバイオマスの有効利用法について、近年の動向と今後の展開について説明を行なう。授業は座学形式で実施するが、幾つかのトピックスについて各自調査を実施し、その成果についてプレゼンテーションを課す。各到達目標にについて演習・課題(20%)、中間試験(40%)、定期試験(40%)で評価し、合格点は60点以上とする。
注意点:
受講前・後に必ず予習復習を行うこと。また授業で課される課題は自学学習により取り組むこと(本科目の単位修得には30時間以上の自学自習を必須とする)。これら課題の一部としてプレゼンテーションを課し、評価の一部とする。目標が達成されていない場合には再提出、再プレゼンテーションを求める。課題は点検後、目標が達成されていることを確認した後に返却する。再試験については原則実施しないが、授業態度や授業への取り組みを考慮した上で実施する場合もある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生分解性高分子材料(1) 高分子材料の資源・環境問題 環境問題、エネルギー問題について説明できる。
2週 生分解性高分子材料(2) 化学合成系生分解高分子 化学合成系生分解性プラスチックについての説明ができる。
3週 生分解性高分子材料(3) 多糖類系材料 多糖類の特徴とその機能性について説明できる。
4週 生分解性高分子材料(4) 木質系高分子材料 木質を構成する高分子について理解し、その構造的特徴を説明できる。
5週 生分解性高分子材料(5) ポリアミノ酸系高分子材料 ポリアミノ酸系高分子材料の特徴を説明できる。
6週 生分解性高分子材料(6) 微生物系ポリエステル 微生物が作る高分子材料について説明ができる。
7週 構造制御と分子構造評価法(1) 構造制御 生分解性高分子材料の改質方法についての説明ができる。
8週 構造制御と分子構造評価法(2) 複合化法 生分解性高分子材料の複合化法による利点を説明できる。
2ndQ
9週 構造制御と分子構造評価法(3) 生分解性評価法 生分解性材料の分解性評価法について説明できる。
10週 構造制御と分子構造評価法(4) 生分解性機構 生分解性高分子の分解機構とその評価法について説明できる。
11週 構造制御と分子構造評価法(5) 生分解性機構 生分解性高分子の分解機構とその評価法について説明できる。
12週 生物資源の有効利用(1) 生物資源のエネルギー化 バイオマスの代表的有効利用法について説明できる。
13週 生物資源の有効利用(2) バイオコンポスター バイオマスから機能性材料を創出する手法としてのコンポスト化について説明できる。
14週 生物資源の有効利用(3) 環境浄化技術 微生物を用いた環境浄化法について説明できる。
15週 生物資源の有効利用(4) バイオリアクターによる機能性材料開発 各種バイオリアクターを用いた有効物質生産について、国内外の現状と今後の展開について説明できる。
16週

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力32321680
専門的能力88420