応用数学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学
科目番号 116947 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:4
教科書/教材 高遠節夫他著「新 確率統計」大日本図書,高遠節夫他著「新 応用数学」大日本図書
担当教員 中野 渉

到達目標

(1)工学の問題に対する応用数学的手法の基礎を身につける。
(2)課題を通して自主的・継続的学習の習慣を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
複素関数の基礎内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。
フーリエ解析の基礎内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。
ラプラス変換と応用内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。
ベクトル解析の基礎内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。
確率・統計の基礎内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
学習目標「Ⅱ 実践性」に関する下記の目標の達成するため,応用数学の知識・論理的思考方法を,予習と講義・問題演習を通して身につけ,復習と課題などを通して定着させる。
以下の5項目について順に学ぶ: ①複素関数 ②フーリエ解析 ③ラプラス変換 ④ベクトル解析 ⑤確率統計
関連科目:  (科目の基礎) 数学,物理,応用物理  (科目の応用) 数理科学,耐震工学,交通システム,卒業研究など
授業の進め方・方法:
「応用数学」では確率・統計とフーリエ解析等について理解・習得させ,基礎的な問題を解く力を試験及び課題等で評価する。
達成目標(1)については,授業項目に対する達成目標に関する問題を定期試験,中間試験,小テストで出題し,課題・演習の結果と合わせ,評価の観点に基づいて評価する。
達成目標(2)については,主に課題・演習・ミニテスト・授業参加度に基づいて評価する。
定期試験30%,中間試験30%,小テスト10%,課題・演習・ミニテスト・授業参加度30%の割合で評価する。
合格点は60点以上である。
注意点:
・第1回目の授業には「新 応用数学」のテキストを持参のこと。
・自学自習 合計92時間: 平日は毎週2時間以上,長期休業中も毎週2時間以上予習復習(課題を含む)を継続すること。
・課題には真剣に取り組み,期限を守って提出すること。
・前期末と学年末に再試験を実施する場合があるが,授業参加度の低い学生は再試験の対象としない。

参考図書
和達三樹他編「理工系数学のキーポイント」(全10巻)岩波書店(図書館所蔵)
スピーゲル他著「マグロウヒル大学演習シリーズ」マグロウヒル(図書館所蔵)
東京大学教養学部統計学教室編「統計学入門」「自然科学の統計学」東京大学出版会
郡山彬他著「入門ビジュアルサイエンス統計・確率のしくみ」日本実業出版社
碓氷久ほか「大学編入のための数学問題集」大日本図書(図書館所蔵)
間瀬茂著「工学のためのデータサイエンス入門 フリーな統計環境Rを用いたデータ解析」共立出版
E.Kreyszig: “Advanced Engineering Mathematics (8th ed.)”, John Wiley & Sons,1998.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1-1 複素数 複素数の幾何学的意味が理解できる。基礎計算ができる。
2週 1-1 複素数 極形式を利用したn乗,n乗根の計算ができる。
3週 1-2 複素関数と微分・正則関数 指数関数など初等的な複素関数の性質が理解できる。
4週 1-2 複素関数と微分・正則関数
演習
正則関数とCauchy-Riemannの定理などが理解できる。
5週 <小テスト>
2-1 フーリエ級数
フーリエ級数の基礎が理解できる。
6週 2-1 フーリエ級数 周期関数のフーリエ級数の計算ができる。
7週 2-2 フーリエ変換 非周期関数のフーリエ変換の計算ができる。
8週 2-2 フーリエ変換
演習
デルタ関数の意味や信号のスペクトルなどが理解できる。
2ndQ
9週 <中間試験>
複素関数とフーリエ解析の試験
10週 3-1 ラプラス変換の定義と性質 定義に従って初等関数のラプラス変換が計算できる。
11週 3-1 ラプラス変換の定義と性質
ラプラス変換の性質(法則)が理解できる。
12週 3-2 ラプラス逆変換 
基礎的な像関数の逆変換が計算できる。
13週 <小テスト>
3-2 ラプラス逆変換 
部分分数分解などを利用した逆変換が計算できる。
14週 3-2 線型常微分方程式への応用  ラプラス変換・逆変換を利用した演算子法で,基礎的な線形微分方程式が解ける。
15週 3-3 線型常微分方程式への応用
演習
線形システムの伝達関数などが理解できる。
16週 <前期定期試験>
4-1 ベクトル代数 
ラプラス変換全体の試験
ベクトルの基礎的計算ができる。
後期
3rdQ
1週 4-1 ベクトル代数 
内積・外積など,ベクトル代数の基礎的計算ができる。
2週 4-2 ベクトル関数と曲線・曲面
1変数ベクトル関数を利用して空間曲線の性質が調べられる。
3週 4-2 ベクトル関数と曲線・曲面 2変数ベクトル関数を利用して空間曲面の性質が調べられる。
4週 <小テスト>
4-3 ベクトル場・スカラー場の微分
ベクトル代数から曲面までの試験
場の微分(勾配,発散,回転)の意味を理解し,計算ができる。
5週 4-3 ベクトル場・スカラー場の積分 場の積分(線積分,面積分,体積分)と積分定理の意味を理解できる。
6週 5-1 確率の定義と基本定理 場合の数,確率の定義と余事象定理・加法定理・などを理解し,計算できる。
7週 5-1 確率の定義と基本定理
条件付き確率,乗法定理,反復試行の確率などを理解し,計算できる。
8週 <中間試験> ベクトル代数・ベクトル解析などの試験
4thQ
9週 5-1 確率の定義と基本定理
5-2 記述統計
ベイズの定理,全確率の定理などを理解し,計算できる。
1次元の統計量を理解できる。
10週 5-2 記述統計
2次元の統計量を理解し,平均,分散,共分散,相関係数,回帰直線などを計算できる。
11週 5-3 確率分布  離散分布(二項分布,ポアソン分布)を理解し,確率を計算できる。
12週 5-3 確率分布 
連続分布を理解し,確率,期待値,分散などを計算できる。
13週 <小テスト>
5-3 確率分布 
正規分布を理解し,確率などを計算できる。
14週 5-4 標本分布 標本平均などの確率分布を理解し,計算できる。
15週 5-5 推測統計の基礎
演習
母平均の区間推定などを理解し,計算できる。
16週 <定期試験>
確率統計の試験

評価割合

定期試験中間試験小テスト課題・演習・授業参加度など合計
総合評価割合30301030100
基礎的能力30301030100
専門的能力00000
分野横断的能力00000