到達目標
(1)工学の問題に対する応用数学的手法の基礎を身につける。
(2)課題を通して自主的・継続的学習の習慣を身につける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
複素関数の基礎 | 内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。 | 内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。 | 理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。 |
フーリエ解析の基礎 | 内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。 | 内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。 | 理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。 |
ラプラス変換と応用 | 内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。 | 内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。 | 理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。 |
ベクトル解析の基礎 | 内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。 | 内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。 | 理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。 |
確率・統計の基礎 | 内容を十分理解し,基礎的問題が8割以上解ける。 | 内容をほぼ理解し,基礎的問題が7割以上解ける。 | 理解が不十分で,基礎的問題が6割まで解けない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用できる能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
環境都市工学科の学習・教育到達目標 1 数学,自然科学,情報技術および応用数学、応用物理、構造力学、水理学、地盤工学、コンクリート構造学、計画システム分析、河川・水資源工学などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅰ 数学に関する基礎的な問題を解くことができる
教育方法等
概要:
学習目標「Ⅱ 実践性」に関する下記の目標の達成するため,応用数学の知識・論理的思考方法を,予習と講義・問題演習を通して身につけ,復習と課題などを通して定着させる。
以下の5項目について順に学ぶ: ①複素関数 ②フーリエ解析 ③ラプラス変換 ④ベクトル解析 ⑤確率統計
関連科目: (科目の基礎) 数学,物理,応用物理 (科目の応用) 数理科学,耐震工学,交通システム,卒業研究など
授業の進め方・方法:
「応用数学」では確率・統計とフーリエ解析等について理解・習得させ,基礎的な問題を解く力を試験及び課題等で評価する。
達成目標(1)については,授業項目に対する達成目標に関する問題を定期試験,中間試験,小テストで出題し,課題・演習の結果と合わせ,評価の観点に基づいて評価する。
達成目標(2)については,主に課題・演習・ミニテスト・授業参加度に基づいて評価する。
定期試験30%,中間試験30%,小テスト10%,課題・演習・ミニテスト・授業参加度30%の割合で評価する。
合格点は60点以上である。
注意点:
・第1回目の授業には「新 応用数学」のテキストを持参のこと。
・自学自習 合計92時間: 平日は毎週2時間以上,長期休業中も毎週2時間以上予習復習(課題を含む)を継続すること。
・課題には真剣に取り組み,期限を守って提出すること。
・前期末と学年末に再試験を実施する場合があるが,授業参加度の低い学生は再試験の対象としない。
参考図書
和達三樹他編「理工系数学のキーポイント」(全10巻)岩波書店(図書館所蔵)
スピーゲル他著「マグロウヒル大学演習シリーズ」マグロウヒル(図書館所蔵)
東京大学教養学部統計学教室編「統計学入門」「自然科学の統計学」東京大学出版会
郡山彬他著「入門ビジュアルサイエンス統計・確率のしくみ」日本実業出版社
碓氷久ほか「大学編入のための数学問題集」大日本図書(図書館所蔵)
間瀬茂著「工学のためのデータサイエンス入門 フリーな統計環境Rを用いたデータ解析」共立出版
E.Kreyszig: “Advanced Engineering Mathematics (8th ed.)”, John Wiley & Sons,1998.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1-1 複素数 |
複素数の幾何学的意味が理解できる。基礎計算ができる。
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2週 |
1-1 複素数 |
極形式を利用したn乗,n乗根の計算ができる。
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3週 |
1-2 複素関数と微分・正則関数 |
指数関数など初等的な複素関数の性質が理解できる。
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4週 |
1-2 複素関数と微分・正則関数 演習 |
正則関数とCauchy-Riemannの定理などが理解できる。
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5週 |
<小テスト> 2-1 フーリエ級数 |
フーリエ級数の基礎が理解できる。
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6週 |
2-1 フーリエ級数 |
周期関数のフーリエ級数の計算ができる。
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7週 |
2-2 フーリエ変換 |
非周期関数のフーリエ変換の計算ができる。
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8週 |
2-2 フーリエ変換 演習 |
デルタ関数の意味や信号のスペクトルなどが理解できる。
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2ndQ |
9週 |
<中間試験>
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複素関数とフーリエ解析の試験
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10週 |
3-1 ラプラス変換の定義と性質 |
定義に従って初等関数のラプラス変換が計算できる。
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11週 |
3-1 ラプラス変換の定義と性質
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ラプラス変換の性質(法則)が理解できる。
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12週 |
3-2 ラプラス逆変換
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基礎的な像関数の逆変換が計算できる。
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13週 |
<小テスト> 3-2 ラプラス逆変換 |
部分分数分解などを利用した逆変換が計算できる。
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14週 |
3-2 線型常微分方程式への応用 |
ラプラス変換・逆変換を利用した演算子法で,基礎的な線形微分方程式が解ける。
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15週 |
3-3 線型常微分方程式への応用 演習 |
線形システムの伝達関数などが理解できる。
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16週 |
<前期定期試験> 4-1 ベクトル代数 |
ラプラス変換全体の試験 ベクトルの基礎的計算ができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
4-1 ベクトル代数
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内積・外積など,ベクトル代数の基礎的計算ができる。
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2週 |
4-2 ベクトル関数と曲線・曲面
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1変数ベクトル関数を利用して空間曲線の性質が調べられる。
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3週 |
4-2 ベクトル関数と曲線・曲面 |
2変数ベクトル関数を利用して空間曲面の性質が調べられる。
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4週 |
<小テスト> 4-3 ベクトル場・スカラー場の微分 |
ベクトル代数から曲面までの試験 場の微分(勾配,発散,回転)の意味を理解し,計算ができる。
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5週 |
4-3 ベクトル場・スカラー場の積分 |
場の積分(線積分,面積分,体積分)と積分定理の意味を理解できる。
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6週 |
5-1 確率の定義と基本定理 |
場合の数,確率の定義と余事象定理・加法定理・などを理解し,計算できる。
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7週 |
5-1 確率の定義と基本定理
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条件付き確率,乗法定理,反復試行の確率などを理解し,計算できる。
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8週 |
<中間試験> |
ベクトル代数・ベクトル解析などの試験
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4thQ |
9週 |
5-1 確率の定義と基本定理 5-2 記述統計 |
ベイズの定理,全確率の定理などを理解し,計算できる。 1次元の統計量を理解できる。
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10週 |
5-2 記述統計
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2次元の統計量を理解し,平均,分散,共分散,相関係数,回帰直線などを計算できる。
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11週 |
5-3 確率分布 |
離散分布(二項分布,ポアソン分布)を理解し,確率を計算できる。
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12週 |
5-3 確率分布
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連続分布を理解し,確率,期待値,分散などを計算できる。
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13週 |
<小テスト> 5-3 確率分布
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正規分布を理解し,確率などを計算できる。
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14週 |
5-4 標本分布 |
標本平均などの確率分布を理解し,計算できる。
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15週 |
5-5 推測統計の基礎 演習 |
母平均の区間推定などを理解し,計算できる。
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16週 |
<定期試験>
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確率統計の試験
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | |
いろいろな確率を求めることができる。余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解している。 | 3 | |
条件付き確率を求めることができる。確率の乗法定理、独立事象の確率を理解している。 | 3 | |
1次元および2次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差・相関係数・回帰曲線を求めることができる。 | 3 | |
評価割合
| 定期試験 | 中間試験 | 小テスト | 課題・演習・授業参加度など | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 30 | 10 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 30 | 10 | 30 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |