到達目標
1)センサの概念,定義から始まり,続いて現在の情報処理技術におけるセンサの重要性を理解し,
どのような種類のセンサが開発研究されているか分類整理できることを目標とする。
2)センサシステムへの応用を念頭に各種センサの性質とその構造との関係を理解し,実際に各種
センサを使用する場合,適切にセンサ部品を選択,あるいは新たなセンサシステムを構築でき
る知識を身に付けることを目標とする。
3)工学的問題を解決するための基礎知識と,各種データを情報処理し有用な結果を取り出す技術
を持ち,工学的問題を微視的あるいは生物学的側面から考察できることを目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
センサ工学に関する知識 | 達成目標を超えるセンサ工学に関する知識が身についている。 | 達成目標に必要なセンサ工学に関する知識が身についている。 | 達成目標に必要なセンサ工学に関する知識が身についていない。 |
評価項目2
各種センサに関する原理 | 各種センサを理解し、その原理を説明できる。 | 各種センサを概ね理解し、その原理を概ね説明できる。 | 各種センサを理解し、その原理を説明できない。 |
評価項目3
多様なセンサを利用したシステムに関する課題解決 | 多様なセンサを巧みに利用して新たなセンサシステムの構築計画をたてることができる。 | 多様なセンサを組み合わせたシステムの簡易な提案ができる。 | センサを組み合わせることで新たなシステムの構築ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
現在,高性能で安価なセンサがIoTの基盤として利活用されている.センサ工学の基礎的な内容が掲載されている教科書を使い、これまでに培ってきた知識技能を駆使しながら多様なセンサに関して理解を深めていく。それと同時に、センサ工学やその技術を用いた新たなシステムの発想を醸成できるようセンサ工学に親しみを持ち、興味を持つことによって知識を広げていく。そのため、学習者は教科書に記載されていることを熟読し,得られた知識の要点を短時間でまとめる能力を養うとともに,その知識を毎回発表することでプレゼンテーション能力や課題解決能力を高める。
授業の進め方・方法:
予習:講義の前に教科書に記載されていることを理解し,不明な点を学術書,論文,ネット等から細かく調査する.これら得られたものをレポートとしてパワーポイントにまとめる。
授業:多様な各種センサに関する知識を把握しているか確認する。予習によるレポート作成が前提である.毎回、パワーポイントのスライド数枚にまとめたレポートを発表する.受講者全員で議論を深めることでレポートの内容をより良いもとなり,次回の発表に活かされプレゼンテーション技能が高められると同時に,チームとして課題解決の手法を学ぶことが出来る.
注意点:
1)センサ工学の知識を広げ深めるために、継続的な自学自習を行わなければならない。
2)教科書とPCは必ず持参し,積極的に授業に参加しなければならない。
3)特別研究などの英文アブストラクト(要旨)を書けるように、センサに関する英語論文の読解に取り組むこと。
4)ネットワークを介して、旭川高専と数回に及ぶ合同授業を計画している。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ヒトの五感とセンサ の関係 について |
ヒトの五感とセンサとの関係を説明できる。
|
2週 |
物理センサ について |
物理センサの全体概要を理解し,説明できる。
|
3週 |
センサと計測 について |
センサとは,千差万別であり,基本単位,測定方法の分類を理解し,説明できる。
|
4週 |
力センサ について |
重量センサ,圧力センサ,加速度センサを理解し,説明できる。
|
5週 |
光センサ について |
光センシング,光量センサ,イメージセンサ,色センサを理解し,説明できる。
|
6週 |
温度センサ について |
熱と温度に関して,接触式温度センサ,非接触式温度センサ,光ファイバ温度センサを理解し,説明できる。
|
7週 |
速度センサ について |
速度センサ,光ドップラ速度センサ,流速センサを理解し,説明できる。
|
8週 |
後期中間試験 |
物理センサに関して理解した内容を説明できる。
|
4thQ |
9週 |
化学センサ について |
化学センサの全体概要を理解し,説明できる。
|
10週 |
化学物質センサ について |
酵素センサ,微生物センサを理解し,説明できる。
|
11週 |
バイオセンサ について |
接触式ガスセンサ,非接触式ガスセンサ,湿度センサを理解し,説明できる。
|
12週 |
匂いセンサ について |
生体膜と匂い物質の化学受容について学習し,脂質膜と水晶振動子を用いた匂いセンサを理解し,説明できる。
|
13週 |
味センサ について |
味物質の受容から脳への伝達や,五基本味といった味を測るマルチチャンネル味センサについて理解し,説明できる。
|
14週 |
センサのインテリジェント化 について |
様々な計測原理の異なるセンサの融合について学習し,説明できる。
|
15週 |
センサデータの情報処理 について |
工学的問題を解決するための基礎知識を活用し,センサにより得られたデータを情報処理することで,有用な結果を取り出す技術を理解できる。
|
16週 |
後期定期試験 |
化学センサに関して理解した内容を説明できる。
|
評価割合
| 試験 | レポート・小テスト等 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 0 | 60 |
専門的能力 | 20 | 10 | 30 |
分野横断的能力 | 0 | 10 | 10 |