技術者倫理

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 技術者倫理
科目番号 APAE1600 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子・生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書 1)齋藤了文・坂下浩司編、『はじめての工学倫理 第3版』、昭和堂、2)原田正純、『水俣病』、岩波新書
担当教員 須田 孝徳,多田 光宏,土居 茂雄

到達目標

1)技術に倫理が関わっていることを理解し、そこから生じてくる問題について倫理的に考えることができる。
2)技術の歴史、関係法規、製造物責任、安全の基礎事項を理解した上で、倫理的価値判断を行い、それを説明することができる。
3)技術が地球環境に与える影響を理解し、技術の問題と技術者の責任について、多様な観点から分析・考察し、まとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:技術者倫理の基礎を理解して、技術に関わる倫理問題を考えることができるかどうか。技術者倫理の基礎を理解して、技術に関わる倫理問題を自分で見つけ、総合的な解決策を検討できる。技術者倫理の基礎を理解して、技術に関わる倫理問題を自分で見つけ、解決策を検討できる。技術者倫理の基礎を理解するが、技術に関わる倫理問題との関係について見出すことができない。
評価項目2:技術の歴史、関係法規、製造物責任について知識を持っているかどうか。技術の歴史、関係法規、製造物責任について知識を持っている。技術の歴史、関係法規、製造物責任について基礎的な知識を持っているかどうか。技術の歴史、関係法規、製造物責任について基礎知識を理解していない。
評価項目3:地球環境問題の事例研究を通じて、他者と協力して問題の分析を行い、解決策について考えられるかどうか。地球環境問題の事例研究を通じて、他者と協力して問題の分析を行い、解決策について考えられる。地球環境問題の事例研究を通じて、他者と協力して基本的な問題の一部の分析を行い、解決策について考えられる。地球環境問題の事例研究を通じて、他者と協力して問題の分析を行うことができず、解決策について考えられない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (a) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (b) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果,および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (f) 論理的な記述力,口頭発表力,討議等のコミュニケーション能力
学習目標 Ⅰ 人間性
学習目標 Ⅱ 創造性
学習目標 Ⅲ 国際性
専攻科の点検項目 A-3 地球環境や社会における問題点を整理し,社会科学および人文科学の知識,概念,方法論に基づいて多様な観点から考えることができる
専攻科の点検項目 B-1 技術者倫理,技術史,関係法規,安全工学,リスクマネジメントなどに関する基本的な事項について説明できる
専攻科の点検項目 B-2 環境問題の論点を整理し,技術者倫理と工学の知識に基づいて問題を分析できる
専攻科の点検項目 B-3 技術が自然や社会に与える影響を理解し,現代社会における技術の問題を認識したうえで,技術者としての社会的責任を考えることができる
専攻科の点検項目 C-1 自分の考えを論理的,客観的にまとめてプレゼンテーションができる
専攻科の点検項目 C-2 相手の意見や主張を理解し,自分の考えをまとめて討論できる
専攻科の点検項目 E-2 工学知識,技術の修得を通して,自主的・継続的に学習することができる

教育方法等

概要:
技術者はものづくりを通じて、他人に危害を与える可能性がある。ものづくりの過程で倫理は工学的判断力とともに非常に重要である。この講義では、技術者として基本的に必要な技術者倫理の事項について学ぶ。
授業の進め方・方法:
技術者が現代社会の中で直面する倫理的な問題について、事例を取り上げ、それについての学生同士の討論をまじえながら、講義を進めていく。講義は各パートに分けられており、それぞれのパートでまとめとなる課題を出し、それぞれの評価を平均して、最終的な評価とする。
注意点:
講義には討論、グループ討論やプレゼンテーションを多く取り入れる。本講義は試験を行わないので、受講者は、講義中、積極的に発言すること、グループ討論やプレゼンテーションへ積極的に参加することが必要である。また、講義時間中のグループ討論やプレゼンテーションに積極的に参加する為に、講義内容だけでなく、メディアを活用して、自分で様々な情報を収拾し、整理するという自学自習が求められる。その成果は講義中の発表やレポートによって評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ガイダンス
2.技術者倫理とは?
2-1 倫理的な問題とは?
技術者に関わる倫理の基本的な性質について理解できる。
2週 2-2 プロフェッショナルとしての技術者 技術者に求められている倫理観について理解できる。
3週 2-3 倫理問題の考え方 技術者が関わる倫理問題において、選択すべき最適な行為について考えることができる。
4週 2-4 事例研究(1) 具体的な事例を通して、技術者が選択すべき最適な行為について考えることができる。
5週 2-5 事例研究(2) 具体的な事例を通して、技術者が選択すべき最適な行為について考えることができる。
6週 3.技術者の責任
3-1 作業の安全とリスクマネジメント
作業の安全とリスクマネジメントについて説明できるようにする.
7週 3-2 技術評価と製造物責任 技術の評価をできるようになり,製造物責任について説明できる.
8週 3-3 情報公開と技術者倫理
3-4 情報倫理と情報セキュリティ
情報倫理と情報セキュリティについて理解し,説明できるようにする.
2ndQ
9週 3-5 事例研究 具体的な問題や事例について調べ、倫理的な問題点や技術者としての責任について考え、まとめることができる。
10週 4.技術者倫理と環境問題
4-1 環境問題への理解
地球環境の概要と問題について状況を説明できる.
11週 4-2 事例研究(1) 水俣病を題材にグループディスカッションを行う.状況に応じてリーダーやスタッフなどの役割を果たすことができるようにする.環境問題の論点を整理できるようにする。
12週 4-2 事例研究(2) グループ内での意見を集約し、合意された内容に対して協力して発表できるようにする。
13週 5.技術史と倫理(1) 特別研究で実施している研究の歴史的背景について調査し、倫理的観点を考慮に入れながら、研究の必要性について取りまとめ、発表する。実際的な課題解決方法の導き方について身に付ける。
14週 5.技術史と倫理(2) 特別研究で実施している研究の歴史的背景について調査し、倫理的観点を考慮に入れながら、研究の必要性について取りまとめ、発表する。実際的な課題解決方法の導き方について身に付ける。
15週 5.技術史と倫理(3) 特別研究で実施している研究の歴史的背景について調査し、倫理的観点を考慮に入れながら、研究の必要性について取りまとめ、発表する。実際的な課題解決方法の導き方について身に付ける。
16週

評価割合

グループ討論及びプレゼンテーションにおける発言レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40600000100
基礎的能力40600000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000