概要:
熱力学の基礎的事項を確認した後に,古典統計力学の小正準集団を中心として講義する.また,量子力学的統計力学の概要についても論ずる.
授業の進め方・方法:
はじめに,数学および熱学の基礎を確認し,熱力学第1法則と第2法則を学び,エントロピー等の各種熱力学関数を用いて物理系の巨視的状態とその変化を表現できることを理解する。次に,微視的な古典統計力学に進む。ここでは,小正準集団・正準集団・大正準集団の配置数や分配関数を用いて,気体等に対する物理量の平均値の算出ができることを学ぶ。なお,量子統計力学の古典統計力学との比較にも触れるが,基礎的事項の解説にとどめる。
注意点:
履修前に,偏微分及び全微分等の解析学的数学基礎,および確率・統計学の基礎(場合の数,ガウス分布等)を十分に復習して授業に臨むこと。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 4 | 前1 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 4 | 前4 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 4 | 前3 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 4 | 前3 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 4 | 前1,前15 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 4 | 前1 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 4 | 前2 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 4 | 前2,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 4 | 前1 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 4 | 前4 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 4 | 前1 |