到達目標
1)技術に倫理が関わっていることを理解し、そこから生じてくる問題について倫理的に考えることができる。
2)技術の歴史、関係法規、製造物責任、安全の基礎事項を理解した上で、倫理的価値判断を行い、それを説明することができる。
3)技術が地球環境に与える影響を理解し、技術の問題と技術者の責任について、多様な観点から分析・考察し、まとめることができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1:技術者倫理の基礎を理解して、技術に関わる倫理問題を考えることができるかどうか。 | 技術者倫理の基礎を理解して、技術に関わる倫理問題を自分で見つけ、総合的な解決策を検討できる。 | 技術者倫理の基礎を理解して、技術に関わる倫理問題を自分で見つけ、解決策を検討できる。 | 技術者倫理の基礎を理解するが、技術に関わる倫理問題との関係について見出すことができない。 |
評価項目2:技術の歴史、関係法規、製造物責任について知識を持っているかどうか。 | 技術の歴史、関係法規、製造物責任について知識を持っている。 | 技術の歴史、関係法規、製造物責任について基礎的な知識を持っているかどうか。 | 技術の歴史、関係法規、製造物責任について基礎知識を理解していない。 |
評価項目3:地球環境問題の事例研究を通じて、他者と協力して問題の分析を行い、解決策について考えられるかどうか。 | 地球環境問題の事例研究を通じて、他者と協力して問題の分析を行い、解決策について考えられる。 | 地球環境問題の事例研究を通じて、他者と協力して基本的な問題の一部の分析を行い、解決策について考えられる。 | 地球環境問題の事例研究を通じて、他者と協力して問題の分析を行うことができず、解決策について考えられない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (a) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (b) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果,および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (f) 論理的な記述力,口頭発表力,討議等のコミュニケーション能力
学習目標 Ⅰ 人間性
学習目標 Ⅱ 創造性
学習目標 Ⅲ 国際性
専攻科の点検項目 A-3 地球環境や社会における問題点を整理し,社会科学および人文科学の知識,概念,方法論に基づいて多様な観点から考えることができる
専攻科の点検項目 B-1 技術者倫理,技術史,関係法規,安全工学,リスクマネジメントなどに関する基本的な事項について説明できる
専攻科の点検項目 B-2 環境問題の論点を整理し,技術者倫理と工学の知識に基づいて問題を分析できる
専攻科の点検項目 B-3 技術が自然や社会に与える影響を理解し,現代社会における技術の問題を認識したうえで,技術者としての社会的責任を考えることができる
専攻科の点検項目 C-1 自分の考えを論理的,客観的にまとめてプレゼンテーションができる
専攻科の点検項目 C-2 相手の意見や主張を理解し,自分の考えをまとめて討論できる
専攻科の点検項目 E-2 工学知識,技術の修得を通して,自主的・継続的に学習することができる
教育方法等
概要:
技術者はものづくりを通じて、他人に危害を与える可能性がある。ものづくりの過程で倫理は工学的判断力とともに非常に重要である。この講義では、技術者として基本的に必要な技術者倫理の事項について学ぶ。
授業の進め方・方法:
技術者が現代社会の中で直面する倫理的な問題について、事例を取り上げ、それについての学生同士の討論をまじえながら、講義を進めていく。講義は各パートに分けられており、それぞれのパートでまとめとなる課題を出し、それぞれの評価を平均して、最終的な評価とする。
注意点:
講義には討論、グループ討論やプレゼンテーションを多く取り入れる。本講義は試験を行わないので、受講者は、講義中、積極的に発言すること、グループ討論やプレゼンテーションへ積極的に参加することが必要である。また、講義時間中のグループ討論やプレゼンテーションに積極的に参加する為に、講義内容だけでなく、メディアを活用して、自分で様々な情報を収拾し、整理するという自学自習が求められる。その成果は講義中の発表やレポートによって評価する。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1.ガイダンス 2.技術者倫理とは? 2-1 倫理的な問題とは? |
技術者に関わる倫理の基本的な性質について理解できる。
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2週 |
2-2 プロフェッショナルとしての技術者 |
技術者に求められている倫理観について理解できる。
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3週 |
2-3 倫理問題の考え方 |
技術者が関わる倫理問題において、選択すべき最適な行為について考えることができる。
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4週 |
2-4 事例研究(1) |
具体的な事例を通して、技術者が選択すべき最適な行為について考えることができる。
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5週 |
2-5 事例研究(2) |
具体的な事例を通して、技術者が選択すべき最適な行為について考えることができる。
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6週 |
3.技術者の責任 3-1 作業の安全とリスクマネジメント
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作業の安全とリスクマネジメントについて説明できるようにする.
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7週 |
3-2 技術評価と製造物責任 |
技術の評価をできるようになり,製造物責任について説明できる.
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8週 |
3-3 情報公開と技術者倫理 3-4 情報倫理と情報セキュリティ
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情報倫理と情報セキュリティについて理解し,説明できるようにする.
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2ndQ |
9週 |
3-5 事例研究 |
具体的な問題や事例について調べ、倫理的な問題点や技術者としての責任について考え、まとめることができる。
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10週 |
4.技術者倫理と環境問題 4-1 環境問題への理解
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地球環境の概要と問題について状況を説明できる.
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11週 |
4-2 事例研究(1) |
水俣病を題材にグループディスカッションを行う.状況に応じてリーダーやスタッフなどの役割を果たすことができるようにする.環境問題の論点を整理できるようにする。
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12週 |
4-2 事例研究(2) |
グループ内での意見を集約し、合意された内容に対して協力して発表できるようにする。
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13週 |
5.技術史と倫理(1) |
特別研究で実施している研究の歴史的背景について調査し、倫理的観点を考慮に入れながら、研究の必要性について取りまとめ、発表する。実際的な課題解決方法の導き方について身に付ける。
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14週 |
5.技術史と倫理(2) |
特別研究で実施している研究の歴史的背景について調査し、倫理的観点を考慮に入れながら、研究の必要性について取りまとめ、発表する。実際的な課題解決方法の導き方について身に付ける。
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15週 |
5.技術史と倫理(3) |
特別研究で実施している研究の歴史的背景について調査し、倫理的観点を考慮に入れながら、研究の必要性について取りまとめ、発表する。実際的な課題解決方法の導き方について身に付ける。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 4 | |
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 4 | |
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。 | 4 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 4 | |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 4 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 4 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 4 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 4 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 4 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 4 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 4 | |
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。 | 4 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 4 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 4 | |
評価割合
| グループ討論及びプレゼンテーションにおける発言 | レポート | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |