化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0011 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(一般科目) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 「化学基礎 改訂版」啓林館/補助教材:第一学習社編集部「セミナー 化学基礎+化学」第一学習社
担当教員 山口 和美

到達目標

・自然界の現象を考察することによって、化学の基本法則、基本原理などを導き出し、化学変化や状態変化などに関する基礎的な問題をそれらの法則を利用して解くことができる。
・学習の過程で、特にグラフや表などから関数関係や一般的な傾向などを読み取る「洞察力」を身に付ける。
・物質についての化学的理解が工業材料の開発・利用の基礎となることを認識し、「化学的な手法が科学技術の発展に重要であること」を理解できる。
・実験を通じて、身の回りの現象を化学的にとらえる態度や、実験結果の科学的な整理方法などを身に付ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
問題集の応用問題が独力で解ける。プリントの問題、教科書の節末問題の約7割が独力で解ける。プリントの問題、教科書の節末問題の4割以上が独力で解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学は、様々な物質の構造、性質、反応による物質の変化などを原子や分子のレベルで理解する学問である。化学を学ぶことによって、身の回りの様々な有機材料・無機材料の微細構造や性質についての系統的な理解、物質の状態の温度・圧力による変化についての理解、材料や環境中の微量物質の分析手法についての理解、有機・無機の様々な化学反応や化学物質を合成するための工業的なプロセスの概要についての理解を深めることができる。これらの知識は、日常生活で役に立つことはもちろん、化学の分野に限らず機械・電気電子・情報・環境などの分野の技術者として活動するための基礎となる知識である。
授業の進め方・方法:
授業は、書き込み式のプリントを使って進めるので、ノートは用意しなくても良い。
電卓およびプリント(B5)を入れるファイルホルダーを毎回必ず持参すること。
詳しくは最初の授業で説明するので、ファイルホルダーは、その後に購入すること。
注意点:
化学は、各種の工業材料・電子素子の利用や、材料・環境などの分析のための基礎となる学問である。
授業は、各自が中学1年程度の数学の問題が解ける能力があることと十分な復習を行っていることを前提に進める。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、混合物と純物質 化学Iの授業の概要を理解する。
混合物と純物質の区別、物理的な分離方法の種類と概要を説明できる。
2週 元素・単体・化合物、同素体 元素の概念の確立の歴史について説明できる。
混合物・化合物・単体の区別ができる。
同素体についてその例や性質の違いを説明できる。
3週 化学の基本法則 主な化学の基本法則について提唱者、歴史的意義、概要を説明できる。
倍数比例の法則については、具体的な例に基づいて計算できる。
4週 原子の構造、同位体 原子の構造について、構成粒子、大きさ、電荷などを説明できる。
同位体について説明できる。
5週 電子配置、イオン 原子の電子配置について電子殻、spdf軌道、最外殻、価電子などの言葉を用いて説明できる。
原子番号が分かれば電子配置を書くことができる。
イオンのでき方について理解している。
主なイオンについてイオン式と名称を理解している。
原子番号が分かればイオン式を書くことができる。
6週 元素の周期律、元素の周期表、同族元素、単体の融点の変化の傾向 元素の周期律、元素の周期表について説明できる。
主な同族元素についてその性質を説明できる。
周期表の中での単体の融点の変化の傾向について説明できる。
7週 演習 イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度、原子とイオンの半径 グラフから様々な傾向などを読み取ることができる。
周期表の中でのイオン化エネルギーなどの変化の傾向を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 化学結合、イオン結合、組成式 イオン結合について説明できる。
イオン式またはイオン名が与えられれば組成式と物質名を書くことができる。
10週 イオン結晶、電解質 イオン結晶の性質や主な物質について説明できる。
強電解質、弱電解質、非電解質について例をあげて説明できる。
11週 分子と共有結合 分子の成り立ちについて説明できる。
共有結合について電子対、不対電子、共有電子対などの言葉を使って説明できる。
原子が与えられれば分子を作ることができる。
12週 分子式、示性式、構造式 分子式、示性式、構造式について説明できる。
主な物質について分子式、示性式、構造式を書くことができる。
13週 分子の極性、配位結合、水素結合 分子の極性について説明できる。
極性分子と無極性分子を見分けることができる。
配位結合と水素結合について説明できる。
14週 金属結合、金属結晶の構造と密度 金属結合について説明できる。
体心立方格子、面心立方格子、六方最密構造について説明できる。
金属結晶の構造が分かれば金属の密度を計算できる。
15週 結合の種類と結晶の代表的性質 結合の種類(イオン結晶、分子結晶、共有結合結晶、金属結晶)と結晶の代表的性質について説明できる。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 原子量、分子量、式量 原子量について説明できる。
分子量、式量について計算できる。
同位体の相対質量と存在比が分かれば原子量が計算できる。
2週 物質量、気体の密度 物質量について説明できる。
気体の分子量と密度の関係について説明できる。
分子量が分かれば気体の密度が計算できる。
3週 物質量の計算 物質量、質量、体積、粒子の個数の関係について説明できる。
物質量、質量、体積、粒子の個数の関係を使って物質量などが計算できる。
4週 演習 物質量の計算
物質量についての計算ができる。
5週 化学反応式 化学反応式について説明できる。
化学反応式の係数を決めることができる。
正しい化学反応式を書くことができる。
6週 化学反応式を使った計算

化学反応式を使って反応物と生成物の量的な関係が計算できる。
7週 演習 化学反応式を使って反応物と生成物の量的な関係が計算できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 物質の状態変化と粒子の熱運動 原子や分子の熱運動の様子について説明できる。
固体・液体・気体における粒子の熱運動の様子の違いを説明できる。
10週 蒸気圧、気液平衡、状態変化に伴う熱の出入り

気液平衡について説明できる。
状態変化に伴う熱の出入りについて計算できる。
11週 気体の法則、ボイルの法則、シャルルの法則
ボイルの法則とシャルルの法則について説明できる。
ボイルの法則とシャルルの法則を使った計算ができる。
12週 ボイル・シャルルの法則
ボイル・シャルルの法則について説明できる。
ボイル・シャルルの法則を使った計算ができる。
13週 理想気体の状態方程式
理想気体の状態方程式について説明できる。
気体定数の意味について説明できる。
理想気体の状態方程式を使った計算ができる。
14週 理想気体のふるまい
理想気体のふるまいや理想気体と実在気体の違いについて分子間力や分子の体積という言葉を使ってグラフに基づいて説明できる。
15週 演習 ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を使った計算ができる。
16週 定期試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701005015100
基礎的能力701005015100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000