制御工学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 制御工学
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(機械系機械コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 田中正吾 他著,制御工学の基礎(森北出版)
担当教員 土谷 圭央

到達目標

1) 制御の歴史について基礎知識を持ち,機械システムにおける制御の役割について概説できる.
2) 理論的基礎であるラプラス変換について理解できる.
3) 伝達関数とブロック線図でシステムを表現でき,その応答について説明できる.
4) 周波数応答法や安定性判別法を用いて制御システムの性能を解析できる.
5) システム設計の手順を理解して,PID動作を用いた簡単な制御システムの設計ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1制御の歴史について基礎知識を持ち,機械システムにおける制御の役割について正しく説明できる.制御の歴史について基礎知識を持ち,機械システムにおける制御の役割について概説できる.制御の歴史について基礎知識を持たず,機械システムにおける制御の役割について概説できない.
評価項目2ラプラス変換とラプラス逆変換を理解し,これらを用いて微分方程式を解ける.ラプラス変換とラプラス逆変換を理解し,これらを用いて基本的な微分方程式を解ける.ラプラス変換とラプラス逆変換を理解できず,これらを用いて基本的な微分方程式が解けない.
評価項目3伝達関数とブロック線図で様々なシステムを表現でき,その応答について説明できる.伝達関数とブロック線図で基本的なシステムを表現でき,その応答について説明できる.伝達関数とブロック線図で基本的なシステムが表現できず,その応答について説明できない.
評価項目4周波数応答法や安定判別法を用いて制御システムの性能を解析できる.周波数応答法や安定判別法を用いて基本的な制御システムの性能を解析できる.周波数応答法や安定判別法を用いて基本的な制御システムの性能を解析できない.
システム設計の手順を理解して,PID動作を用いた制御システムの設計ができる.システム設計の手順を理解して,PID動作を用いた簡単な制御システムの設計ができる.システム設計の手順を理解しておらず,PID動作を用いた簡単な制御システムの設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP3 課題の本質を理解し,正しい倫理観の下で,自分の意見を論理的に表現できる力  6 CP3 課題の本質を理解し,正しい倫理観の下で,自分の意見を論理的に表現できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
 CP5 国際的素養を有し,継続的に自ら学ぶ力  8 CP5 国際的素養を有し,継続的に自ら学ぶ力

教育方法等

概要:
車や航空機などの具体的なシステムを例にとって制御の役割を説明する.次に,制御理論のバックグラウンドであるラプラス変換と,これを基にシステムの表現や応答について説明する.また,周波数応答や安定性判別を用いた制御システムの解析について述べるとともに,制御システムの性能と設計についての基本を解説する.
授業の進め方・方法:
講義は座学形式で行う.
評価は,学習目標に関する内容の試験および演習・レポートにより総合的に行う.評価の割合は,試験80 %,演習・レポートを20 %を基準として,合格点は60点である.
再評価は試験を行う.
注意点:
授業を展開する中の適切な時期に演習・レポートの課題を配布するので,自学自習により取り組むこと.提出された課題は添削後,目標が達成されていることを確認し返却します.目標が達成されていない場合には,再提出を求めます.
なお,授業には電卓を用意すること.
定期試験(70 %),課題(30 %)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御の歴史
制御の役割
制御の発展の歴史を説明でき,機械システムにおける役割を概説できる.
2週 ラプラス変換 ラプラス変換について理解できる.
3週 ラプラス変換
ラプラス逆変換
ラプラス変換とラプラス逆変換を理解し,これらを用いて制御で扱う基本的な微分方程式を解法できる.
4週 伝達関数 基本的な制御要素を伝達関数で表現できる.
5週 ブロック線図 システムをブロック線図で表現でき,等価変換を利用して複雑なシステムのブロック線図を簡略化できる.
6週 過渡応答 とある伝達関数や制御要素に対して,インパルス応答,ステップ応答,ランプ応答等の計算できる.
7週 過渡応答 与えられた伝達関数に対しての過渡応答を理解できる.
8週 周波数伝達関数 ベクトル線図(ナイキスト線図)、ボード線図、ニコルス線図等の図から特性を理解できる.
2ndQ
9週 周波数伝達関数 各種制御要素におけるベクトル線図(ナイキスト線図)、ボード線図、ニコルス線図や過渡応答を理解できる.
10週 安定性 システムの安全性について概説できる.
制御システムの周波数特性をベクトル軌跡とボード線図で表現できる.
11週 安定判別 各種安定判別法を用いて,システムの安定判別ができる.
12週 定常特性・制御性能 定常特性について説明し計算することができる.また,ゲイン余裕と位相余裕について求めることができる.
13週 根軌跡法 根軌跡法の基本事項を説明することができる.
14週 PID制御 PID制御について説明することができる.
15週 周波数応答法による制御系設計 制御系設計について説明することができる.
16週 定期試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3000001040
専門的能力4000002060
分野横断的能力0000000