電気電子材料

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気電子材料
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気電子系電気電子コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:一ノ瀬 昇 編「電気電子機能材料(改訂3版)」(オーム社)/参考図書:鈴置 保雄 編「電気電子材料」(オーム社),澤岡 昭「電子材料」(森北出版),水谷 照吉 編「電気・電子材料」(オーム社),Charles Kittel, “Introduction to Solid State Physics”, (John Wiley & Sons Inc,),L. Solymar and D. Walsh, “Electrical Properties of Materials”, (Oxford University Press)
担当教員 山田 昭弥

到達目標

1.代表的な電気電子材料の種類を挙げ,応用上の問題点や現状などについて概説できる。
2.電気電子材料の基礎となる,物質の電気伝導について理解し,各種導電・抵抗材料の概要について説明できる。
3.各種誘電体材料の性質と諸特性について理解し,その概要について説明できる。
4.磁性の起源や各種磁性材料の性質について理解し,その概要について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気電子材料を分類し,代表例を挙げてその特性や応用,現状について説明できる。電気電子材料を分類し,代表例を挙げてその特性について説明できる。電気電子材料の代表例を挙げて説明することができない。
評価項目2導電・抵抗材料について,物質の電気伝導現象を踏まえ,その特性や応用例を説明できる。導電・抵抗材料の代表例を挙げ,その応用について説明できる。導電・抵抗材料に関する説明ができない。
評価項目3誘電体,絶縁体材料の基礎物性を踏まえ,応用上求められる特性や代表例について説明できる。誘電体,絶縁体材料の基本性質や応用例について説明できる。誘電体,絶縁体材料に関する説明ができない。
評価項目4磁性体材料の基礎物性を踏まえ,応用上求められる特性や代表例について説明できる。磁性体材料の基本性質や応用例について説明できる。磁性体材料に関する説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性
CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
CP3 課題の本質を理解し,正しい倫理観の下で,自分の意見を論理的に表現できる力
CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
CP5 国際的素養を有し,継続的に自ら学ぶ力

教育方法等

概要:
エレクトロニクス産業の基盤となる各種電気電子材料について,それらに関係する基礎物性論から,導電・抵抗材料,誘電体材料,磁性材料各分野を例に,代表的な材料の基本特性,応用事例を中心に学習を行う。
※半導体材料分野については,第3学年「電子デバイス」で学習しているため本科目では扱わないが,より深い学習を求める場合,後期開講の「半導体工学」を選択すること。
授業の進め方・方法:
授業は座学中心で行い,適宜参考となる自作プリントを配布する。
各授業内容に対する到達目標に関する試験及び自学自習で努めた演習・課題レポート等で総合的に達成度を評価する。
なお,本科目は学修単位であり,授業で課す演習・課題レポートにより事前・事後学習成果を確認するため,自学自習時間等を活用し,取り組むこと(60時間の自学自習を必要とする)。
学業成績評価は,定期試験:50%,中間達成度確認テスト:30%,演習・課題レポート:20%の割合で行い,合格点は60点以上である。
学業成績評価が60点未満の場合,再試験を実施することがある。この再試験の成績は,中間達成度確認テスト及び定期試験の成績に置き換えて再評価を行う。
注意点:
電気磁気学Ⅰ・Ⅱ,電子デバイス,応用物理で学習した内容が基礎となるので,よく復習すること。
演習・課題等は添削し,目標が達成されていることを確認後,返却する.目標が達成されていない場合には,再提出を求めることもある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 原子構造と電子配置 ボーアの水素原子モデル,量子数,パウリの排他律等の原子構造に係わる重要概念について説明できる。
2週 化学結合 各種化学結合の構成要素,結合力,結晶構造,電気伝導,代表物質例等の特徴について説明できる。
3週 固体の結晶構造 結晶構造の種類や分析方法について説明できる。
4週 金属の電気伝導 金属の導電現象の特徴や影響を与える要因について説明できる。
5週 導電材料 導電材料に求められる条件や代表例について説明できる。
6週 抵抗材料 抵抗材料に求められる条件や代表例について説明できる。
7週 超電導材料 超電導現象の特徴と発生機構,および応用例について説明できる。
8週 誘電体の性質 誘電現象のしくみと電気分極の種類について説明できる。
2ndQ
9週 絶縁破壊 絶縁破壊の種類と発生のしくみについて説明できる。
10週 圧電体材料 圧電効果のしくみと応用例について説明できる。
11週 強誘電体材料 強誘電体の特徴と応用例について説明できる。
12週 磁性材料の性質と分類 磁気モーメントの種類と,その配列に基づく磁性体の分類ができる。
13週 軟磁性・硬磁性材料 軟磁性体,硬磁性体の特徴と応用事例について説明できる。
14週 磁気記録材料 複数の磁性材料から構成される磁気記録媒体について,それぞれに求められる特性の違いについて説明できる。
15週 スピンエレクトロニクス スピンエレクトロニクスの概念と応用事例について説明できる。
16週 定期試験

評価割合

定期試験中間達成度確認テスト演習・課題合計
総合評価割合503020100
基礎的能力20151045
専門的能力30151055