線形システム演習

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 線形システム演習
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報科学・工学系情報科学・工学コース) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 ハンドアウトまたはWebClass経由での授業資料の配布を前提とする。
[参考図書] Philipp K. Janert 著 · 野原 勉 監訳 · 星 義克、米元 謙介 訳,エンジニアのためのフィードバック制御入門(2014),オライリー・ジャパン,ISBN: 978-4-87311-684-6。
(原書) Philipp K. Janert, "Feedback Control for Computer Systems," Oct. 2013, O'Reilly Media, Inc., ISBN: 9781449361693.
担当教員 吉村 斎

到達目標

(1) 位置,速度と微分のつながり,工学分野での微分の表記と微分方程式の意味,指数関数,制御とは何か,制御方法の違いを理解し,説明できる。制御系の物理モデルを古典と現代の制御理論に適合するモデルとして表現できる。
(2) 静的システム,動的システムおよび機械系,電気系のモデルの表し方を理解し,説明できる。古典制御理論を用いた制御系の基本的な設計ができ,その説明ができる。
(3) ラプラス変換の概念,動的システムの伝達関数,およびシステムのアナロジーを理解し,説明できる。
(4) 動的システムの応答とは何か,インパルス応答とその求め方,ステップ応答とその求め方を理解し,説明できる。
(5) 過渡特性,定常特性の意味,1次遅れ系のインパルス応答やステップ応答から,システムの過渡応答特性や定常特性を調べる方法,システムの極とは何か,またその意味を理解し,説明できる。
(6) 2次遅れ系のインパルス応答の求め方,2次遅れ系の過渡特性の形がシステムのパラメータの違いによってどのように異なるかを理解し,説明できる。
(7) システムの定常特性と最終地の定理を用いた定常値の求め方,極と過渡特性の関係からシステムの安定性調べる方法,ラウスの安定判別法を理解し,説明できる。
(8) フィードフォワード制御,フィードバック制御,制御系の設計,内部安定性,コントローラの設計パラメータを理解し,説明できる。
(9) PID制御,各制御法の役割と違いを理解し,説明できる。
(10) 制御系設計において満たすべき望ましい定常特性,種々の目標値や外乱に対する定常誤差の計算方法,定常偏差をおとするコントローラの設計方法を理解し,説明できる。
(11) システムの周波数応答,1次遅れ系の数は数特性,ボード線図の読み取り方を理解し,説明できる。
(12) ボード線図の合成,2次遅れ系のボード線図の特徴,周波数伝達関数とベクトル軌跡を理解し,説明できる。
(13) ナイキストの安定判別法,ゲイン余裕,位相余裕,安定余裕と制御系の応答の関係を理解し,説明できる。
(14) 制御系の評価とループ成形法の関係,ループ成形法による設計での重要点,位相遅れ,進みコントローラの設計の考え方とフィードバック制御系の特性の関係を理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1 達成目標(1)~(14)に使用する式の意味や英語を含む用語について説明できる。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目2 達成目標(1)~(14)に必要な式の導出や計算ができる。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目3 達成目標(1)~(14)に必要な数値シミュレーションをプログラムできる。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目4 達成目標(1)~(14)を通して,制御系の解析,設計を行うことができる。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満
評価項目5 達成目標(1)~(14)の授業ノート・レポートおよび数値シミュレーションのプログラム・演習を行い,提出できる。80%以上70%以上80%未満60%以上70%未満60%未満

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP3 課題の本質を理解し,正しい倫理観の下で,自分の意見を論理的に表現できる力  6 CP3 課題の本質を理解し,正しい倫理観の下で,自分の意見を論理的に表現できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
 CP5 国際的素養を有し,継続的に自ら学ぶ力  8 CP5 国際的素養を有し,継続的に自ら学ぶ力

教育方法等

概要:
日本語,英語,数学,物理,電気・電子および情報の基礎知識を総合的に適用することで,さまざまな工学的応用分野で利用されている古典制御理論を学習する。
前期について,この科目は企業で「ロボットコントローラの設計」を担当していた教員が,その経験を活かし,「制御工学の古典制御の特性,最新の設計手法等」について演習形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートを実施する。
授業に合わせて行う小テスト,授業ノート・レポートおよびプログラム演習を提出する必要がある。授業ノート・レポートとプログラム演習を活用して自学自習に取り組み,小テストに向けて準備することが必要である。授業ノート・レポートとプログラム演習は,指定されたファイル形式で提出期限までに,WebClassから提出すること。内容が不適切な場合には再提出を求めることがある。授業ノート・レポートとプログラム演習をすべて提出することが必要である。達成目標に示す単元ごとの小テスト,授業ノート・レポートおよびプログラム演習を100点法で採点し,小テスト40%,授業ノート・レポート30%,プログラム演習30%の割合で評価する(なお,小テストを実施しない場合,授業ノート・レポート50%,プログラム演習50%の割合で評価する)。
注意点:
準備する用具:ノート,A4レポート用紙,筆記用具,英和辞書,関数電卓。
前提となる知識:微分・積分,線形代数,ラプラス変換,電気回路・電子回路,ディジタル信号処理,3年次および4年次に行われる情報科学・工学実験II・IIIの知識が必要になる。また,説明のための文章力も必要である。
その他注意事項:理解度を確認するため,授業開始直後に前回の内容に関する確認試験を演習課題として行う場合があるので復習しておくこと。なお,授業予定に変更がある場合,授業中または当該開講日の前日までに連絡するので注意すること。
演習では前期で数値計算ソフトウェアScilab,後期はPythonを多用する。リファレンスやコーディング例を事前に調査し,積極的な活用ができるよう準備することが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御の基礎概念 制御の基礎概念を理解し,説明できる。
2週 制御の基礎概念 制御の基礎概念を理解し,説明できる。
3週 Scilabによるプログラミング - 微分方程式 Scilabのプログラミングを習得し,本講義で扱う制御系の応答をプログラミングできる。
4週 Scilabによるプログラミング - 伝達関数 Scilabのプログラミングを習得し,本講義で扱う制御系の応答をプログラミングできる。
5週 Scilabによるプログラミング - 極と零点 Scilabのプログラミングを習得し,本講義で扱う制御系の応答をプログラミングできる。
6週 Scilabによるプログラミング - 根軌跡法 Scilabのプログラミングを習得し,本講義で扱う制御系の応答をプログラミングできる。
7週 Scilabによるプログラミング - 線形モデルを作る(フィードバック制御) 線形モデルを理解し,説明できる。
8週 Scilabによるプログラミング - 線形モデルを作る(フィードバック制御) 線形モデルを理解し,説明できる。
2ndQ
9週 Scilabによるプログラミング - 線形モデルを作る(システムとダイナミクス) 動的システムの応答とは何か,インパルス応答とその求め方,ステップ応答とその求め方を理解し,説明できる。
10週 Scilabによるプログラミング - 線形モデルを作る(システムとダイナミクス) 動的システムの応答とは何か,インパルス応答とその求め方,ステップ応答とその求め方を理解し,説明できる。
11週 システムの要素 過渡特性,定常特性の意味,1次遅れ系のインパルス応答やステップ応答から,システムの過渡応答特性や定常特性を調べる方法,システムの極とは何か,またその意味を理解し,説明できる。
12週 システムの要素 過渡特性,定常特性の意味,1次遅れ系のインパルス応答やステップ応答から,システムの過渡応答特性や定常特性を調べる方法,システムの極とは何か,またその意味を理解し,説明できる。
13週 システムの要素 2次遅れ系のインパルス応答の求め方,2次遅れ系の過渡特性の形がシステムのパラメータの違いによってどのように異なるかを理解し,説明できる。
14週 システムの要素 2次遅れ系のインパルス応答の求め方,2次遅れ系の過渡特性の形がシステムのパラメータの違いによってどのように異なるかを理解し,説明できる。
15週 システムの安定性 極の求め方、極と過渡特性の関係からシステムの安定性を調べる方法、ラウスの安定判別法を理解し、説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 PID制御 (1) PID制御,各制御法の役割と違いを理解し,説明できる。
2週 PID制御 (2) PID制御,各制御法の役割と違いを理解し,説明できる。
3週 PIDチューニング (1) チューニングの目的,パラメータ変更による効果,代表的なチューニング法について理解し,主種のモデルへ適用し,説明できる。
4週 PIDチューニング (2) チューニングの目的,パラメータ変更による効果,代表的なチューニング法について理解し,主種のモデルへ適用し,説明できる。
5週 実装上の問題点 (1) 理論上と実際の実相を考えるうえで問題となるワインドアップやサンプリング間隔,非線形性などについて理解し,問題点と解決方法を説明できる。
6週 実装上の問題点 (2) 理論上と実際の実相を考えるうえで問題となるワインドアップやサンプリング間隔,非線形性などについて理解し,問題点と解決方法を説明できる。
7週 発展的なフィードバック制御 (1) ゲインスケジューリングや,フィードフォワードを併用した制御系について,その動作を実験的に理解し,説明できる。
8週 発展的なフィードバック制御 (2) ゲインスケジューリングや,フィードフォワードを併用した制御系について,その動作を実験的に理解し,説明できる。
4thQ
9週 シミュレーションによる制御系の検証 (1) システムの周波数応答,1次遅れ系の周波数特性,ボード線図の読み取り方を理解し,説明できる。
10週 シミュレーションによる制御系の検証 (2) ボード線図の合成,2次遅れ系のボード線図の特徴,周波数伝達関数とベクトル軌跡を理解し,説明できる。
11週 ケーススタディ(1) - キューの長さの制御 実問題に対してこれまで学んだ各制御手法を適用し,所望の動作を実現できる。また,その動作を説明できる。
12週 ケーススタディ(2) - 冷却ファンの制御 実問題に対してこれまで学んだ各制御手法を適用し,所望の動作を実現できる。また,その動作を説明できる。
13週 ケーススタディ(3) - ゲームエンジンのメモリ消費制御 実問題に対してこれまで学んだ各制御手法を適用し,所望の動作を実現できる。また,その動作を説明できる。
14週 ケーススタディ(4 - 1) - ケーススタディのまとめ (1) 実問題に対してこれまで学んだ各制御手法を適用し,所望の動作を実現できる。また,その動作を説明できる。
15週 ケーススタディ(4 - 2) - ケーススタディのまとめ (2) 実問題に対してこれまで学んだ各制御手法を適用し,所望の動作を実現できる。また,その動作を説明できる。
16週

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100