プロセス設計

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 プロセス設計
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系機能材料コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 化学工学会監修 多田豊編「化学工学(改訂第3版) -解説と演習-」朝倉書店Warren McCabe,“Unit Operations of Chemical Engineering (Mcgraw-Hill Chemical Engineering Series)”,Mcgraw-Hill,2004
担当教員 平野 博人

到達目標

1.ヘンリーの法則を用いて気体の溶解度を求めることがきる。吸収塔の物質収支を理解し,装置の基本設計ができる。
2.湿度図表を用いて湿り空気の特性を求めることができ,調湿装置を理解し,操作手順を説明できる。
3.乾燥機構を理解し,乾燥特性曲線を作図でき,恒率および減率乾燥速度を理解し各乾燥所要時間を計算により求めることができる。
4.粉粒体の沈降速度,比表面積,粒子径を算出でき,残留率および頻度分布曲線を求めることができる。
5.清澄,沈降槽,ろ過等の固液分離装置の物質収支を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1ヘンリーの法則を用いて気体の溶解度を求めることがきる。吸収塔の物質収支を理解し,装置の基本設計ができる。ガス吸収での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができる。ガス吸収での物質収支を理解し,装置設計の基本的な計算ができない。
到達目標2湿度図表を用いて湿り空気の特性を求めることができ,調湿装置を理解し,操作手順を説明できる。湿り空気の特性を算出することができる。湿り空気の特性を算出することができない。
到達目標3乾燥機構を理解し,乾燥特性曲線を作図でき,恒率および減率乾燥速度を理解し各乾燥所要時間を計算により求めることができる。乾燥機構を理解し,乾燥所要時間を計算できる。乾燥機構を理解し,乾燥所要時間を計算できない。
到達目標4粉粒体の沈降速度,比表面積,粒子径を算出でき,残留率および頻度分布曲線を求めることができる。粉粒体の特性値を算出することができる。粉粒体の特性値を算出することができない。
到達目標5清澄,沈降槽,ろ過等の固液分離装置の特性を理解できる。固液分離の特性値の基本計算ができる。固液分離の特性値の基本計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP3 課題の本質を理解し,正しい倫理観の下で,自分の意見を論理的に表現できる力  6 CP3 課題の本質を理解し,正しい倫理観の下で,自分の意見を論理的に表現できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
 CP5 国際的素養を有し,継続的に自ら学ぶ力  8 CP5 国際的素養を有し,継続的に自ら学ぶ力

教育方法等

概要:
 化学工学は,化学製造工程を効率よく経済的に行わせるための学問で,主に製造工程に応用されている機器ならびに装置の操作,設計,製作及び運転が目標である。しかし,これらの知識を全て収得するには広く工学の基本的な学問が必要であるが,ここでは化学工学の一部である化学工学量論および単位操作について初歩的な知識を教授する。化学工学Ⅰ,Ⅱの基礎知識を前提とする。
授業の進め方・方法:
 授業には関数電卓,定規,グラフ用紙を用意すること。 
授業項目毎に配布される演習課題に自学自習(60時間の自学自習が必要)により取り組むこと。自学自習時間とは、日常の授業の予習復習時間、理解を深めるための演習課題、および各試験準備のための時間を総合したものとする。
演習問題は添削後,目標が達成されていることを確認し,返却する。目標が達成されていない場合には,再提出を求めることがある。
注意点:
授業項目と達成目標に関する内容の試験および演習で総合的に達成度を評価する。割合は定期試験40%、中間達成度評価40%、演習20%とし、合格点は60点である。
評価が60点未満の者に対して再試験を実施することがあるが、課題提出や授業態度等が著しく不良な場合は受験を認めない。再試験の成績を80%、演習20%として再評価を行う。再試験を受けた者の評価は60点を超えないものとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.ガス吸収
1-1.ヘンリーの法則
ヘンリーの法則を用いて気体の溶解度を求めることがきる。
2週 1.ガス吸収
1-2.吸収塔の物質収支
吸収塔の物質収支を理解することができる。
3週 1.ガス吸収
1-3最小液量流量,吸収塔の高さの計算(1)
吸収塔の物質収支を理解し,装置の基本設計ができる。
4週 1.ガス吸収
1-3最小液量流量,吸収塔の高さの計算(2)
吸収塔の物質収支を理解し,装置の基本設計ができる。
5週 2.調湿
2-1.湿り空気の特性
湿り空気の特性を求めることができる。
6週 2.調湿
2-2.湿度図表
湿度図表を用いて湿り空気の特性を求めることができる。
7週 2.調湿
2-3.調湿操作
調湿装置を理解し,操作手順を説明できる。
8週 中間達成度評価
4thQ
9週 3.乾燥
3-1.乾燥機構
乾燥機構を理解し,乾燥特性曲線を説明できる。
10週 3.乾燥
3-2.恒率乾燥速度,減率乾燥速度
恒率および減率乾燥速度を理解し各乾燥所要時間を計算により求めることができる。
11週 4.粉粒体
4-1.粒径および粒径分布
粉粒体の特性値を算出することができる。
12週 4.粉粒体
4-2.粒径測定法および分級
粉粒体の沈降速度,比表面積,粒子径を算出でき,残留率および頻度分布曲線を求めることができる。
13週 5.固液分離
5-1.清澄
清澄操作についての基本計算ができる。
14週 5.固液分離
5-2.沈降濃縮
沈降濃縮操作についての基本計算ができる。
15週 5.固液分離
5-3.ろ過
ろ過操作についての基本計算ができる。
16週 定期試験

評価割合

定期試験中間達成度評価演習合計
総合評価割合404020100
基礎的能力0000
専門的能力404020100
分野横断的能力0000