機能材料Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 機能材料Ⅱ
科目番号 0008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系フロンティアコース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】北原文雄「界面・コロイド化学の基礎」講談社
【参考図書】日本化学会「コロイド科学Ⅰ~Ⅳ」東京化学同人
担当教員 渡邉 智

到達目標

1.コロイド界面化学の教科書を読んで理解できる。
2.コロイド界面化学の教科書を熱力学や速度論に基づいて理解できる。
3.コロイド界面化学の教科書に基づく問題やを早く、正確に、再現性良く解くことができる。問題を発問できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1 教科書の読解と要約教科書の内容を階層的に整理することができる。教科書の文章、図、数式などを読んで繋がりを理解できる。教科書の本文を読んで繋がりを理解できない。
評価項目2 物理化学的な読解速度論に基づいて教科書の内容を読み解ける。熱力学に基づいて教科書の内容を読み解ける。熱力学および速度論的に教科書を理解できない。
評価項目3 試験や質疑の回答問題を発案できる。試験や質疑を再現性良く、正確に、早く解くことができる。試験や質疑を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP3 課題の本質を理解し,正しい倫理観の下で,自分の意見を論理的に表現できる力  6 CP3 課題の本質を理解し,正しい倫理観の下で,自分の意見を論理的に表現できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力
 CP5 国際的素養を有し,継続的に自ら学ぶ力  8 CP5 国際的素養を有し,継続的に自ら学ぶ力

教育方法等

概要:
物理化学の基本を踏まえた上で、物質科学をコロイド界面化学の観点から理解する方法を習得する。教員は物理化学、コロイド界面化学を専門とし、可溶性および不溶性単分子膜、固体表面の微細加工などの研究経験を有している。この経験を授業に反映し、基礎と応用を俯瞰的に捉える。
授業の進め方・方法:
授業は,自学自習および反転方式を取り入れる。授業時間および自習時間(合計90時間程度)の中で教科書の読解、縮約、要約や授業動画の視聴を行う。授業時間中に適宜、教員が個別に進捗を確認し、助言や小試験、ノート提出を課す。各授業の終わりに振り返りの纏めを提出する。これを授業内の課題とする。また教科書や授業動画を纏めたものを課題として提出する。このほかに、授業内試験2回と定期試験1回を行う。合格点は60点である。学業成績が40点から60点に満たない場合、再試験もしくは再課題を課すことがある。再試験の評価点は60点を最大とする。
注意点:
・授業の進め方は初回に説明する。
・ノート、教科書、筆記用具、定規、電卓などを持参すること。
・授業時間中に授業動画を視聴したい場合はイヤホンとノートPC、タブレットなどを持参しても良い。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 【初回】文章の読み方、縮約、纏め方
【復習】物理学
教科書の読み解き方の習得
秩序、実験事実、法則、物理モデルの習得
2週 【復習】熱力学 エネルギーと力の関係、エンタルピー、エントロピーの補足
3週 【復習】速度論 速度式、アレーニウス式、ボルツマン分布、活性化エネルギーの補足
4週 コロイドの分類(教科書1章、15章)
表面張力と界面張力(2章)
分子とコロイドの違いの習得
純液体、二層の純液体の表面と界面張力の習得
5週 【分子集合体】界面活性剤とは、吸着単分子膜、不溶性単分子膜(2, 3章) 界面活性剤の定義、吸着単分子膜、不溶性単分子膜の習得
6週 【分子集合体】ミセル、液晶、ベシクル(4, 5章) 臨界ミセル濃度、クラフト点、曇点、ミセル、逆ミセル、ベシクルの習得
7週 中間試験1 範囲:初回~6回目
8週 【微粒子分散系】運動と光学的性質(14章) ストークスの式、ブラウン運動、チンダル現象などについて説明できる。
4thQ
9週 【微粒子分散系】サスペンション(6章) 微粒子の分散法や凝集法を説明できる。
10週 【微粒子分散系】エマルションと泡(12章) HLB、乳化、泡などについて説明できる
11週 【固体表面】吸着(7章) 物理吸着、化学吸着、吸着の実験と理論、溶液の吸着などについて説明できる。
12週 【固体表面】濡れ性(8章) 濡れの分類、不均一面の濡れ、臨界表面張力などについて説明できる。
13週 【固体表面】電気現象(9章) 界面電荷、電気二重層、界面動電、界面電気現象などについて説明できる。
14週 【固体表面】電気二重層と分散系の再理解(10, 11章) DLVO理論、凝集速度などについて説明できる。
15週 中間試験2 範囲:8回~14回目
16週 定期試験 範囲:全て

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

授業内の課題中間試験定期試験合計
総合評価割合502525100
基礎的能力25121249
専門的能力25131351
分野横断的能力0000