情報学特論

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 情報学特論
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:村田 剛志『Pythonで学ぶネットワーク分析』オーム社(2019)/参考図書:A.-L. バラバシ『新ネットワーク思考~世界のしくみを読み解く』NHK出版,青木薫訳 (2002),M. ブキャナン『複雑な世界,単純な法則 ネットワーク科学の最前線』草思社,阪本芳久訳 (2005),井庭崇, 福原義久『複雑系入門 知のフロンティアへの冒険』NTT出版 (1998),メラニー・ミッチェル『ガイドツアー 複雑 系の世界』紀伊國屋書店,高橋洋訳(2011),吉永良正『「複雑系」とは何か』,講談社現代新書 (1996),M・ワールドロップ『複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち』新潮文庫, 田中三彦, 遠山峻征訳 (2000),古川正志,荒井誠,吉村斎,浜克己『システム工学』コロナ社 (2000),他多数
担当教員 原田 恵雨

到達目標

1) 情報理論の基礎である情報源符号化,通信路符号化について理解できる.
2) 複雑ネットワークとは何かを説明できる.
3) 複雑ネットワークの振る舞いについて,基本的な用語を織り交ぜた文章で説明できる.
4) 複雑ネットワークの簡単な構造分析ができ、評価できる.
5) 複雑ネットワーク上で起こる振る舞いの簡単なシミュレーションができ,評価できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
情報量,平均情報量,相互情報量情報量,平均情報量,相互情報量について説明できる.情報量,平均情報量,相互情報量について大凡説明できる.情報量,平均情報量,相互情報量について説明できない.
情報源のモデルと情報源符号化情報源のモデルと情報源符号化について説明できる.情報源のモデルと情報源符号化について大凡説明できる.情報源のモデルと情報源符号化について説明できない.
通信路のモデルと通信路符号化通信路のモデルと通信路符号化について説明できる.通信路のモデルと通信路符号化について大凡説明できる.通信路のモデルと通信路符号化について説明できない.
ネットワーク分析ができる環境準備 ネットワーク分析の流れの把握ネットワーク分析ができる環境を準備できる. ネットワーク分析の流れを理解できる.ネットワーク分析ができる環境を大凡準備できる. ネットワーク分析の流れを大凡理解できる.ネットワーク分析ができる環境を準備できない. ネットワーク分析の流れを理解できない.
ネットワーク分析で使用する基本的な用語ネットワーク分析で使用する基本的な用語を理解できる.ネットワーク分析で使用する基本的な用語を大凡理解できる.ネットワーク分析で使用する基本的な用語を理解できない.
ネットワークの中心性ネットワークの中心性を理解・計算できる.ネットワークの中心性を大凡理解・計算できる.ネットワークの中心性を理解・計算できない.
ネットワーク上の経路探索アルゴリズムネットワーク上の経路探索アルゴリズムを理解・計算できる.ネットワーク上の経路探索アルゴリズムを大凡理解・計算できる.ネットワーク上の経路探索アルゴリズムを理解・計算できない.
ネットワーク上での似たノードネットワーク上での似たノードのグループについて理解・計算できる.ネットワーク上での似たノードのグループについて大凡理解・計算できる.ネットワーク上での似たノードのグループについて理解・計算できない.
ネットワーク上でのノード・リンクが密につながるグループネットワーク上でのノード・リンクが密につながるグループについて理解・計算できる.ネットワーク上でのノード・リンクが密につながるグループについて大凡理解・計算できる.ネットワーク上でのノード・リンクが密につながるグループについて理解・計算できない.
現実ネットワークに類似したモデル現実ネットワークに類似したモデルについて理解・生成できる.現実ネットワークに類似したモデルについて大凡理解・生成できる.現実ネットワークに類似したモデルについて理解・生成できない.
ネットワークの成長,将来の構造予測ネットワークの成長を理解し,将来の構造予測について理解・計算できる.ネットワークの成長を理解し,将来の構造予測について大凡理解・計算できる.ネットワークの成長を理解し,将来の構造予測について理解・計算できない.
感染・情報伝播などに見られるネットワーク上のコンタクトプロセス感染・情報伝播などに見られるネットワーク上のコンタクトプロセスについて理解・計算できる.感染・情報伝播などに見られるネットワーク上のコンタクトプロセスについて大凡理解・計算できる.感染・情報伝播などに見られるネットワーク上のコンタクトプロセスについて理解・計算できない.
ネットワーク可視化による分析ネットワーク可視化による分析について理解・計算できる.ネットワーク可視化による分析について大凡理解・計算できる.ネットワーク可視化による分析について理解・計算できない.

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 創造性
Ⅲ 国際性

教育方法等

概要:
この授業では,現実世界の多くの現象が様々な"層"における多数の"要素"の相互作用によって引き起こされていることを発見し,その相互作用をネットワークとして表現したものについて理解を深める.
計算機上でモデルを定義し,シミュレーション環境を築くことにより,複雑な挙動に対する理解を深める.
また,情報源符号化,通信路符号化などの情報理論に関する内容も取り扱う.
授業の進め方・方法:
本講義では,理解を深めるための演習(主にプログラミング)を行う.
講義は教科書,スライドおよび配布資料に基づいて行う.適宜,計算機演習を行い,講義内容についての理解をより深める.
この科目は学修単位科目のため,日常の授業(30時間)のための予習復習時間,定期試験の準備のための勉強時間を総合し,60時間の自学自習時間が必要である.
授業項目に対する達成目標に関する内容の試験および演習で総合的に達成度を評価する.定期試験60%,演習課題40%の割合で総合的に評価する.
合格点は60点である.なお,レポートは提示後から原則2週間以内に提出されない場合に大幅に減点する.
最終評価が合格点に達しない場合,希望する学生には再試験を行うことがある.
注意点:
授業毎に配布する演習課題を取り組むこと.目標が達成されていない場合には再提出を求める.演習課題の8割以上を提出することが必須である.
確率,統計,微分積分,線形代数,集合論,グラフ理論,プログラミングを復習しておくと役に立つだろう.
また,自学自習時間は演習課題に取り組むこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 情報理論 情報量,平均情報量,相互情報量について説明できる.
2週 情報源符号化 情報源のモデルと情報源符号化について説明できる.
3週 通信路符号化 通信路のモデルと通信路符号化について説明できる.
4週 ネットワーク分析概要 ネットワーク分析ができる環境を準備できる.
ネットワーク分析の流れを理解できる.
5週 ネットワーク用語 ネットワーク分析で使用する基本的な用語を理解できる.
6週 ネットワーク中心性 ネットワークの中心性を理解・計算できる.
7週 ネットワーク探索 ネットワーク上の経路探索アルゴリズムを理解・計算できる.
8週 ネットワーク探索 ネットワーク上の経路探索アルゴリズムを理解・計算できる.
2ndQ
9週 ネットワーククラスタリング ネットワーク上での似たノードについて理解・計算できる.
10週 ネットワーククラスタリング ネットワーク上でのノード・リンクが密につながるグループについて理解・計算できる.
11週 ネットワークモデル 現実ネットワークに類似したモデルについて理解・生成できる.
12週 ネットワーク構造予測 ネットワークの成長を理解し,将来の構造予測について理解・計算できる.
13週 ネットワークコンタクトプロセス 感染・情報伝播などに見られるネットワーク上のコンタクトプロセスについて理解・計算できる.
14週 ネットワークコンタクトプロセス 感染・情報伝播などに見られるネットワーク上のコンタクトプロセスについて理解・計算できる.
15週 ネットワーク可視化 ネットワーク可視化による分析について理解・計算できる.
16週 定期試験

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000