機械材料工学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械材料工学
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 自作プリントを用いる.
担当教員 浅見 廣樹

到達目標

1) 固体材料の特性理解に必要な基礎的な化学的知識について理解できる.
2) 代表的な機械材料である鉄鋼材料に関わる基礎的知識を理解し,説明できる.
3) 固体材料の力学的特性や熱的特性について格子エネルギーという観点から理解できる.
4) 固体材料の破壊に関わるメカニズムについて理解し,説明できる.
5) 固体材料の電磁気的特性の発現メカニズムについて理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1固体材料の特性理解に必要な基礎的な化学的知識について理解し,説明できる.固体材料の特性理解に必要な基礎的な化学的知識について理解できる.固体材料の特性理解に必要な基礎的な化学的知識について理解することができない.
評価項目2代表的な機械材料である鉄鋼材料に関わる基礎的知識を理解し,高いレベルで説明できる.代表的な機械材料である鉄鋼材料に関わる基礎的知識を理解し,説明できる.代表的な機械材料である鉄鋼材料に関わる基礎的知識を理解できない.
評価項目3固体材料の力学的特性や熱的特性について格子エネルギーという観点から理解し,説明できる.固体材料の力学的特性や熱的特性について格子エネルギーという観点から理解できる.固体材料の力学的特性や熱的特性について格子エネルギーという観点から理解できない.
評価項目4固体材料の破壊に関わるメカニズムについて理解し,高いレベルで説明できる.固体材料の破壊に関わるメカニズムについて理解し,説明できる.固体材料の破壊に関わるメカニズムについて理解できない.
評価項目5固体材料の電磁気的特性の発現メカニズムについて理解でき,説明できる.固体材料の電磁気的特性の発現メカニズムについて理解できる.固体材料の電磁気的特性の発現メカニズムについて理解できない.

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 創造性
Ⅲ 国際性

教育方法等

概要:
本講義では,まず材料学に関わる基礎的な化学に関する知識について学ぶ.その後,代表的な機械材料である鉄鋼材料およびアルミや銅などの非鉄合金についての基礎的知識について講義する.この後,固体材料の力学的・熱力学的・電気的特性について,原子間に働く相互作用エネルギーや材料の内部組織などから考えるための知識の習得を目指す.
授業の進め方・方法:
授業は,自作プリントを用いた座学形式により進める.
評価は,“授業項目に対する達成目標”に関する試験およびレポートの結果に基づいて行う.
試験およびレポートはそれぞれ100点法で採点され,試験点数60%,レポート点数40%として評価点を算出する.
なお,学業成績の点数が60点未満になる場合,再試験を行うことがある.この場合,再試験の成績をもって再評価を行う.
注意点:
材料工学は,対象の大きさが原子(10-10m)からバルク体(100m)と幅広く,現象を真に理解するためには固体物理学,化学,熱力学,材料力学,電気化学等々の理解や実用材料の知識が必要となる複合的な学問であることを心得ること.
授業前に授業資料をBbに掲載するため,授業概要について事前学習をした上で授業に臨むこと.また,授業毎に実施されるレポート・課題を利用して授業後の自学自習に取り組むこと.
JABEE 教育到達目標評価:定期試験(D-4:60%,F-2:20 % ),課題(E-2,20%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
材料学に関わる基礎的な化学知識と化学結合の基礎
様々な材料を化学的に捉える意義について理解できる.
原子・分子および個体材料の化学結合の特徴について理解できる.
2週 結晶構造と材料特性の関係,X線回折の原理 物質の結晶構造と特性の関係について理解できる.
X線回折の原理であるBraggの条件および消滅即について理解できる.
3週 化学結合と結晶構造の関係,合金と化合物について,平衡状態図の見方 化学結合と結晶構造の関係について理解できる.
化合物の種類と特徴について理解できる.基本的な平衡状態図の見方が理解できる.
4週 平衡状態図の見方,鉄鋼材料の基礎1 共晶系や包晶系の平衡状態図の見方が理解できる.
鉄鋼材料に関する基礎的な知識を理解し,説明できる.
5週 鉄鋼材料の基礎2 マルテンサイト変態やベイナイト変態について理解し,説明できる.
鉄鋼材料の熱処理に関して基礎的な知識を理解し,説明できる.
6週 鉄鋼材料の基礎3
非鉄金属材料の基礎
鋳鉄に関する基礎的な知識を理解し,説明できる.
アルミニウム合金や銅合金という代表的な非鉄金属材料の基礎的な知識を理解できる.
7週 格子エネルギーと弾性率の関係 各種結合と格子エネルギーの関係について理解できる.
格子エネルギーと弾性率の関係について理解できる.
8週 弾性率について 結晶材料における弾性率の温度依存性や方位依存性について理解できる.
4thQ
9週 降伏強さ・引張強さ・曲げ強さ・硬さ 各種機械的特性の意味と測定原理について理解し,説明できる.
10週 破壊応力と疲労破壊 破壊という現象について理解し説明することができる.
疲労破壊について理解できる.
11週 融点と熱膨張率について 材料の融点および熱伝導率と格子エネルギーの関係性について概説できる.
12週 クリープ現象
酸化
クリープ現象とクリープ破壊強さについて理解し,説明できる.
高温酸化という現象と,ステンレス鋼などが耐酸化性に優れる理由について理解できる.
13週 磁性について 磁性の種類について説明できる.
磁性の発現メカニズムについて概説できる.
14週 電気伝導率について 材料の電気伝導性についてバンドモデルを用いた概説ができる.
15週 電気伝導率について 材料の電気伝導性についてバンドモデルを用いた概説ができる.
16週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力101020
専門的能力402060
分野横断的能力101020