数理科学特論Ⅳ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 数理科学特論Ⅳ
科目番号 0037 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:なし/参考図書: G.B. Arfken, H.J. Weber, F.E. Harris, "Mathematical Methods for Physicists, Seventh Edition: A Comprehensive Guide" (Academic Press)
担当教員 金野 幸吉

到達目標

1.デルタ関数や球面調和関数など超関数や特殊関数の定義を理解し、計算に用いることができる。
2.力学と電磁気学の基礎方程式から共通してポアソン方程式が導かれることが理解できる。
3.ポアソン方程式の変数分離形による解法を理解することができる。
4.グリーン関数を用いたポアソン方程式の解法を理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1デルタ関数や球面調和関数など特殊関数の定義を理解し、様々な問題に対して計算に用いることができる。デルタ関数や球面調和関数など特殊関数の定義を理解し、基礎的な問題に対して計算に用いることができる。デルタ関数や球面調和関数など特殊関数の定義を理解し、計算に用いることができない。
評価項目2力学と電磁気学の基礎方程式から共通してポアソン方程式を導くことができる。力学と電磁気学の基礎方程式から共通してポアソン方程式が導かれることが理解できる。力学と電磁気学の基礎方程式から共通してポアソン方程式が導かれることが理解できない。
評価項目3ポアソン方程式の変数分離形による解法を応用することができる。ポアソン方程式の変数分離形による解法を理解することができる。ポアソン方程式の変数分離形による解法を理解することができない。
評価項目4グリーン関数を用いたポアソン方程式の解法を応用することができる。グリーン関数を用いたポアソン方程式の解法を理解することができる。グリーン関数を用いたポアソン方程式の解法を理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 創造性
Ⅲ 国際性

教育方法等

概要:
本講義では、物理における様々な基礎方程式からポアソン方程式の形が導かれることを示し、
ポアソン方程式の解法に対して2つのアプローチ:(Ⅰ)変数分離による方法、(Ⅱ)グリーン関数を用いる方法を解説する。
また、これらを通して、ディラックのデルタ関数や特殊関数の計算等についても学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は板書もしくはスライドを用いた座学で進める。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として課題を課す。
日常の授業(30 時間)のための予習復習時間,定期試験の準備のための勉強時間を総合し,60時間の自学自習時間が必要である。
注意点:
基礎的な理解と応用力を、定期試験30%,達成度試験30%,課題等40%の割合で評価する。合格点は60点以上である。
学業成績が60点未満のものに対して再試験を実施する場合がある。この場合、再試験60%,課題等40%の割合で再評価を行う。
なお、既習の数学(微分積分,線形代数,応用数学)及び物理学(力学、電磁気学)についての知識を前提とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数学的準備(1):デルタ関数の定義 デルタ関数の定義を理解できる。
2週 数学的準備(2):デルタ関数の応用 デルタ関数を用いた計算ができる。
3週 数学的準備(3):グリーン関数の定義 グリーン関数の様々な定義を理解できる。
4週 数学的準備(4):グリーン関数の応用 グリーン関数を用いた計算ができる。
5週 数学的準備(5):ポアソン方程式 ポアソン方程式に関する基本的性質を理解できる。
6週 電磁気学:マクスウェル方程式とポテンシャル マクスウェル方程式からポテンシャルを用いた式に書き直し、ポアソン方程式を導くことができる。
7週 力学:ニュートン重力における重力場の方程式 ニュートン重力の式からポテンシャルを用いた式に書き直し、ポアソン方程式を導くことができる。
8週 達成度試験
2ndQ
9週 ポアソン方程式の変数分離による解法(1):極座標表示 ポアソン方程式を極座標で書き換えることができる。
10週 ポアソン方程式の変数分離による解法(2):球面調和関数の定義および計算 球面調和関数の定義を理解し、それを利用した計算ができる。
11週 ポアソン方程式の変数分離による解法(3):球面調和関数を用いた応用 球面調和関数を応用することができる。
12週 ポアソン方程式のグリーン関数を用いた解法(1):フーリエ変換表示 ポアソン方程式をフーリエ変換を用いて書き換えることができる。
13週 ポアソン方程式のグリーン関数を用いた解法(2):3次元グリーン関数の計算 3次元グリーン関数を理解し、それを利用した計算ができる。
14週 グリーン関数のn次元への拡張 グリーン関数をn次元に拡張することができる。
15週 n次元における力学的回転運動の解析 n次元における力学的回転運動を理解することができる。
16週 定期試験

評価割合

定期試験達成度試験課題合計
総合評価割合303040000100
基礎的能力303040000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000