科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 哲学
科目番号 0005 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学分野 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ★ 教科書 : 藤本一司 『論語と西洋哲学』 (北樹出版,2016)☆ 参考書 : 藤本一司 『倫理学への助走』 (北樹出版,2007)☆ 参考書 : 藤本一司 『介護の倫理』 (北樹出版,2009)☆ 参考書 : 藤本一司 『カントの義務思想』 (北樹出版,2010)☆ 参考書 : 藤本一司 『老いから学ぶ哲学』 (北樹出版,2012)           
担当教員 藤本 一司

到達目標

幸福になるために、「他者」と「自分」の関係性をどうのように立ち上げればよいかを、論語と西洋哲学の概念を用いて考える力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1幸福になるために、「他者」と「自分」の関係性をどうのように立ち上げればよいかを、論語と西洋哲学の概念を用いて考えることができる。幸福になるために、「他者」と「自分」の関係性をどうのように立ち上げればよいかを、「他者への敬意」を基づいて考えることができる。「他者」と「自分」の関係性に関心がなく、「争い」や「不安」について、その源を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる
JABEE a 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「他者への敬意」が、「他者」と「自分」の関係性を立ち上げ、社会を安定させることを理解できる。
「他者への支配」と「争い」は、「不安」から生じることを理解できる。
授業の進め方・方法:
1テキストを読んで理解し、2自分一人で考え、3他者の意見に耳を傾け、4発言する。

合否判定 : 定期試験(前期50%+後期50%)の平均が60点以上を合格とする。
最終評価 : 合否判定点 ± その他の評価点(±5点)。

※ その他の評価点では,積極的な授業への取り組みをプラス評価として,私語や居眠りなどをマイナス評価
として扱います(ただし,最終評価の最高点は100点,最低点は60点とします)。

再試験 : 不合格の場合には再試験を実施し、60点以上を合格とする。最終評価は60点とする。
自分のうちなる未知に出会えますように。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入 幸福の条件は、他者との関係性にあるということを理解できる。
2週 「身体」に対する視点 欧米と儒教圏の思想の相違を理解できる。
3週 西洋哲学の伝統 プラトンの「イデア」とキルケゴールの「不安」を一つの鍵として、西洋哲学を捉える見方を理解できる。
4週 他者について ニーチェのニヒリズムを理解できる。
5週 「意識」と「身体」1 時間を身体の関係から捉える視点を理解できる。
6週 「意識」と「身体」2 時間を意識との関係から捉える視点を理解できる。
7週 「他者への敬意」1 「敬意」は、命令されて生まれる感情ではないことを理解できる。
8週 「他者への敬意」2 孔子の「孝」を「先行者」と「敬意」という視点から理解できる。
2ndQ
9週 「身体」を肯定する1 「孝悌」と「仁」の関係を理解できる。
10週 「身体」を肯定する2 レヴィナスの「身体」を存在の条件に基づいて理解できる。
11週 「身体」と「他者」 孔子の「仁」と「他者」の関係性を理解できる。
12週 「空間」と「平等性」 「空間」を超える思想としての「仁」を理解できる。
13週 「敬意」と「支配」 「敬意」と「支配」の方向性の違いを理解できる。
14週 「打ち倒す」と「引き継ぐ」 孔子とフロイトの「喪」の違いを理解できる。
15週 「敬意」と「支配」と「平等性」 「敬意」と「支配」と「平等性」の違いと関係を理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 前期の復習 「敬意」「支配」「不安」を鍵にして、整理できる。
2週 「身体」と「不安」 ハイデガーの「不安」を理解できる。
3週 「身体侮蔑」と「不安」 プラトンの哲人政治を理解できる。
4週 「仁」と「安らかさ」1 徳治主義を理解できる。
5週 「仁」と「安らかさ」2 「仁」を理解できる。
6週 「身体」と「安らかさ」 「不安」と争いの関係を理解できる。
7週 平等性と不安 ホッブズのリバイアサンの構造を理解できる。
8週 自由と不安 ロックの主体性の重視と不安の関係を理解できる。
4thQ
9週 身体への信頼 ルソーの野生人の両義性を理解できる。
10週 「敬意」と「愛」1 ヘーゲルの「相互承認」と「愛」の先後関係を理解できる。
11週 「敬意」と「愛」2 アリストテレスのフィリアを理解できる。
12週 「言葉」と「知ること」1 「言葉」の崩壊と「社会」の関係を理解できる。
13週 「言葉」と「社会」2 「知らないもの」への「敬意」を理解できる。
14週 「楽」と「身体」 「見えないもの」への感受性とともに、時間軸の中で受け継ぐことを理解できる。
15週 「他者」との関係性 死者と未来の子孫をも成員として、「敬意」を軸に他者との関係を考えることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100