科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 数学
科目番号 0008 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 6
開設学科 情報工学分野 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 6
教科書/教材 教科書:『新 微分積分Ⅰ』,『新 微分積分Ⅱ』(大日本図書)補助教材:『新編 高専の数学2問題集』,『新編 高専の数学3問題集』(森北出版)参考書:『新 微分積分I問題集』(大日本図書)
担当教員 池田 盛一,小谷 泰介,岡 康之,山﨑 俊博

到達目標

不定積分・定積分を置換積分・部分積分を用いて求めることができる。
極座標・媒介変数を含め、面積・回転体の体積・曲線の長さ、広義積分を求めることができる。
偏微分・2重積分の計算ができ、極値の判定・体積を求めることができる。
基本的な1階・2階微分方程式の解を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑な不定積分や定積分を求めることができる。置換積分・部分積分を利用して不定積分・定積分の計算ができる。不定積分の公式を利用できない。定積分の値を求めることができない。
評価項目2複雑な図形の面積・体積、広義積分を計算することができる。極座標、媒介変数を含め、作図でき、面積・体積、広義積分を計算できる。面積・回転体の体積を求めることができない。
評価項目3条件付き極値を調べることができ、座標変換を利用した2重積分の計算ができる。偏微分を用いて極値の判定、2重積分を用いて体積を求めることができる。偏微分ができない。簡単な2重積分の値を求めることができない。
評価項目4同次形、連立、非線形などの複雑な微分方程式を解くことができる変数分離形、定数変化法を利用できる。定数係数2階非斉次微分方程式を解くことができる。変数分離形を解くことができない。定数係数2階斉次微分方程式を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
解析学の基礎学力養成を目標とする.
まず,積分について様々な計算方法を習得し,面積・体積, 関数の展開等への応用に進む.
次に,2変数関数について偏微分および重積分の計算を習得し,それらの応用へ進む.
最後に,微分方程式の基本的な解法を習得する.
授業の進め方・方法:
当り前のことであるが,教科書・ノート等を忘れず持参し,授業の内容をきちんとノートにとることが大切である.
授業で指示された問や練習問題を必ず自学自習し,次回の授業のときに解答を示せるように準備しておくことを求める.
すべての試験の合計の割合によって評価する.
6割以上の場合,授業態度などを10%までの範囲で加減する.
再試験は,学年末に1回のみ行う.
授業の内容を理解するには復習が欠かせない.
授業のあった日は必ず自分で類似の問題を解いて,理解を深めておくことが必要である.
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
・不定積分
・いろいろな不定積分の公式
・不定積分の意味を理解し,求めることができる
2週 ・定積分の定義
・微分積分法の基本定理
・定積分の計算
・定積分の意味を理解し,計算することができる
3週 ・定積分の計算(2)
・偶関数・奇関数の定積分

・偶関数, 奇関数の定積分が計算できる
4週 ・不定積分の置換積分
・定積分の置換積分
・特別な形の置換積分

・置換積分法を用いて,積分することができる
5週 ・不定積分の部分積分
・定積分の部分積分
・部分積分を用いた等式
・部分積分法を用いて,積分することができる
6週 ・分数関数の積分
・無理関数の積分
・分数関数の性質等を利用して,積分することができる
・無理関数を積分することができる
7週 ・三角関数の積分
・曲線で囲まれた図形の面積
・曲線の上下が途中で入れ替わる図形の面積

・三角関数の性質等を利用して,積分することができる
・曲線に囲まれた図形の面積を求めることができる
8週 前期中間試験:実施する
2ndQ
9週 ・曲線の長さ
・立体の体積
・回転体の体積
・曲線の長さを求めることができる
・立体の体積を求めることができる
・回転体の体積を求めることができる
10週 ・媒介変数表示と微分法
・媒介変数表示曲線による図形の面積
・媒介変数表示曲線による曲線の長さ・回転体の体積

・媒介変数表示の関数の微分ができる
・媒介変数による図形の面積・曲線の長さ回転体の体積を求めることができる
11週 ・極座標の定義とグラフ
・極座標表示曲線による面積・曲線の長さ


・極座標による図形の面積・曲線の長さを求めることができる
12週 ・非有界関数の広義積分
・無限区間の広義積分
・非有界関数の広義積分を計算することができる
・無限区間の広義積分を計算することができる
13週 ・1次・2次近似式
・n次近似式
・1次・2次近似式を求めることができる
・n次近似式を求めることができる
14週 ・テイラー展開, マクローリン展開
・オイラーの公式
・マクローリン展開を求めることができる
・オイラーの公式を証明することができる
15週 ・極値の判定法

・極値の判定法を理解し, 極値をしらべることができる
16週 前期期末試験:実施する
後期
3rdQ
1週 ・2変数関数の定義域・値域,曲面
・2変数関数の極限, 2変数関数の連続性
・偏微分

・2変数関数を理解し,偏微分することができる
2週 ・全微分・接平面
・合成関数の微分法
・全微分, 接平面を求めることができる
・合成関数の微分をすることができる
3週 ・偏微分に関する等式の証明
・高次偏導関数
・偏微分に関する等式の証明ができる
・高次偏導関数を求めることができる
4週 ・2変数関数の極値の判定法
・陰関数の微分法・接平面
・条件付き極値
・2変数関数の極値を求めることができる
・陰関数の微分をすることができる
5週 ・2重積分の定義長方形領域での類似積分
・一般の領域での累次積分
・積分順序の変更


・累次積分により2重積分の計算をすることができる
・積分順序の変更をすることができる
6週 ・立体の体積
・極座標変換
・立体の体積を求めることができる
・極座標変換を行い,2重積分の計算をすることができる
7週 ・極座標変換を用いた立体の体積
・変数変換
・極座標変換や一次変換を行い,2重積分の計算をすることができる
8週 後期中間試験:実施する
4thQ
9週 ・非有界関数の広義重積分
・無限領域での広義重積分
・微分方程式の定義とその解
・非有界関数の広義重積分の計算ができる
・無限領域での広義重積分の計算ができる
・微分方程式の意味と解を理解することができる
10週 ・変数分離形
・変数分離形の文章題
・同次形
・変数分離形の微分方程式の一般解を求めることができる
・同次形の微分方程式の一般解を求めることができる
11週 ・1階線形
・1階線形の文章題ベルヌーイ型
・1階線形の微分方程式の一般解を求めることができる
12週 ・2階線形の性質, 関数の線形独立
・定数係数斉次2階線形の一般解

・線形微分方程式の解の構造を理解することができる
・定数係数斉次2階線形微分方程式の一般解を求めることができる
13週 ・定数係数非斉次2階線形特殊解
(右辺が多項式)
・定数係数非斉次2階線形の特殊解
(右辺が指数・三角関数)
・定数係数2階線形微分方程式の一般解を求めることができる
14週 ・定数係数非斉次2階線形特殊解
(右辺が斉次の特殊解)
・連立1階線形微分方程式


・定数係数2階線形微分方程式の一般解を求めることができる
・連立微分方程式の一般解を求めることができる
15週 ・定数係数でない斉次2階線形
・階数降下法(yを含まない)
・階数降下法(xを含まない)
オイラー型
・定数係数でない斉次2階線形微分方程式の一般解を求めることができる
階数降下法を用いることができる
16週 後期期末試験:実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。2
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。2
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。2
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。2
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。2
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。2
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。2
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。2
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。2
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。2
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。2
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。2
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。2
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。2
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。2
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。2
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。2
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。2
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。2
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。2
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合100100
基礎的能力100100