倫理社会

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 倫理社会
科目番号 0013 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学分野 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ★ 教科書 : 藤本一司 『論語と西洋哲学』 (北樹出版,2016)☆ 参考書 : 藤本一司 『倫理学への助走』 (北樹出版,2007)☆ 参考書 : 藤本一司 『カントの義務思想』 (北樹出版,2010)☆ 参考書 : 藤本一司 『生きるための哲学』 (北樹出版,2012)☆ 参考書 : 藤本一司 『 [改訂版]素晴らしきドイツ語の世界―あなたへの敬意から生まれた言語― 』 (北樹出版,2016)
担当教員 藤本 一司

到達目標

争いを最小化し、他者と共生できる市民に成熟するための力を培う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1異なる考えをもった他者と共生するために、「他者への敬意」を根本にして考えることができる。また、哲学の概念を用いて、「敬意」との関係を説明できる。「他者との関係性」をどうすれば、争いを最小化できるか、その道筋を考えることができる。他者との共生や争いの最小化に関心がなく、その手立てを理解することに意味を見出すことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「争い」を最小化し、異なる文化や習慣や考え方をもった人たちと「共生」できる市民に成熟するための力を培う。






授業の進め方・方法:
日頃から、現代社会の問題に関心をもつよう心がける。
1テキストを読み、2現実と結びつけながら、3自分で考え、4他者の意見に耳を傾け、5発言する。
合否判定 : 定期試験の平均が60点以上を合格とする。
最終評価 : 合否判定点 ± その他の評価点(±5点)。

※ その他の評価点では,積極的な授業への取り組みをプラス評価として,私語や居眠りなどをマイナス評価
として扱う(ただし,最終評価の最高点は100点,最低点は60点とする)。

再試験 : 不合格の場合には、
再試験あるいは課題提出を課し、60点以上を合格とする。最終評価は60点とする。
楽しく対話ができればと思っています。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入 人が生きる目的は何か。それは、とりあえず「幸福」として捉え、その条件を考えることができる。
2週 「幸福」の源 人が無意識に前提しているであろう「幸福」の源を探求することができる。
3週 「他者の存在」と「幸福」 「幸福」の定義としての、欲望の満足と他者の存在との関係を考えることができる。
4週 「社会」と「時間」 空間的な平等と時間の先後とについて、両者の関係を理解できる。
5週 東洋と西洋における他者への態度 仏教、儒教、キリスト教における自己と他者の関係を大別して考えることができる。
6週 「他者からの承認」 人間の根源的な欲望とは何かを他者の存在を前提に考えることができる。
7週 「時間」と「他者」 時間の生成と時間の静止が、他者とどのような関係にあるかを理解できる。
8週 「他者の存在」と「不安」 人間の自由と動物の本能、そして、他者の存在と自由を、関係づけて理解できる
2ndQ
9週 「他者の存在」と「自由」 自由であることと不安であることが、他者との関係性において変容することを理解できる。
10週 「他者への敬意」 他者への敬意はどこから生じてくるのか、その源を考えることができる。
11週 「不安」と「自由」 不安を最小化し、自由を手放さずにすむ道筋を探求することができる。
12週 「不安」と「支配」 不安がなぜ支配を引き寄せるのかを理解できる。
13週 集団的な不安 集団的な不安がどのような経過で生じ、それが暴走する世界を想像できる。
14週 「共依存」と「敬意」 他者との距離が近すぎるとき、互いを支配し一体化することの両義性を理解できる
15週 「敬意」と「支配」と「平等」 敬意と支配のベクトルの違い、敬意と平等性の先後関係を理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 前期の復習 前期で取り上げたキーワードを用いて、他者との関係性を大まかに整理できる。
2週 「身体侮蔑」1 身体侮蔑がなぜ生じることがあるのか、考えることができる。
3週 「身体侮蔑」2 さらに、その身体侮蔑がどのような帰結をもたらすか、またその意味を理解できる。
4週 「身体」と「他者」 身体をどのように捉えるかは、他者への態度に深くつながっていることを理解できる。
5週 「身体」と「時間」 身体は過去を堆積している時間的存在であることを理解できる。
6週 「他者」と「自己」への態度 他者への批評と自己自身への至らなさの視点は、つながっていることを理解できる。
7週 相互性について 他者との相互性を空間的に捉えるのではなく、時間的に捉えることができる。
8週 「敬意」と「愛」 時間的な先行者が平等性を求めず贈与するとき、相互性を立ち上げることを理解できる。
4thQ
9週 「身体」と「つながり」 「身体」を離れるとき、自分の位置を見失うことを理解できる。
10週 「言葉」と「知る」 「身体」を離れるとき、生死が「言葉」に支配されることを理解できる。
11週 「言葉」と「社会」 「言葉」の乱れから、社会の崩壊が始まることを理解できる。
12週 「身体」と「社会」 「言葉」を「身体」に戻し、先行者から未来への引き渡しとして「社会」を捉えることができる。
13週 「身体」の時間軸 現在を「過去」と「未来」をつなぐ一項の観点から考えることができる。
14週 「音楽」と「身体」 幸福へ導く「知る」や「言葉」や「音楽」の意味を深め、「敬意」が果たす力を理解できる。
15週 「他者」と「敬意」 他者と共生できる関係性をどう構築するかを「敬意」を鍵に総括できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100