データベース

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 データベース
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学分野 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書) 入門データベース 植村俊亮 著 (参考書) コマンドラインではじめるデータサイエンス Jeron Janssens 著 オライリージャパン(参考書)データベースシステム 北川博之 オーム社[入門]はじめてのデータベース 藤島一月男 他1名著 技術評論社IT Text データベース 速見治夫 他2名著 オーム社リレーショナルデータベース入門 増永良文 著 サイエンス社、関係データベースシステム 平尾隆行 著 近代科学社、データベース設計の基礎 大木幹雄 著 日本理工出版
担当教員 髙橋 晃

到達目標

計算機可読な プレーンテキスト、CSV、XML、JSON などの各形式のデータを適切に処理できる
データベースシステムが必要となった背景や基本要件について説明できる。
データベースの正規化について説明できる
トランザクションについて理解しトランザクションを含むセッションを 説明することができる。
データベースシステムの3層スキーマについて理解し、ER図からのリレーショナルスキーマへの変換ができる
基本的な SQLを扱うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
計算機可読な プレーンテキスト、CSV、XML、JSON などの各形式のデータを適切に処理できるネットワーク上のデータについて、コマンドにより各種データの取得、相互変換、検索、編集等ができる。与えられたテキストデータの形式を判定でき、コマンドにより検索、編集ができる。与えられたテキストデータの形式が判定できない
データベースシステムが必要となった背景や基本要件について説明できる。データベースシステムの基本要件について、データベースシステムが必要となった背景や実際の例を挙げて説明できる。射影、選択、結合の3つの基本要件について説明できるデータベースシステムの基本要件について説明できない。
データベースの正規化について説明できる多値従属性について理解し第4正規形までを区別、説明できる。関数従属性について理解し、BCNFまでへの分解を行うことができる第1正規形や第2正規形の判定ができない
トランザクションについて理解しトランザクションを含むセッションを 説明することができる。ACID属性について理解し、隔離レベルについてDMBS上の操作に基づいて説明できる。DBMS上で基本的なトランザクションを実行し、説明することができる。SQLのBEGIN, COMMIT,ROLLBACKの動作を説明できない
データベースシステムの3層スキーマについて理解し、ER図からのリレーショナルスキーマへの変換ができる複数のエンティティやリレーションからなるモデルを記述でき、リレーショナルスキーマへ変換できる概念設計について理解し、ER図によりモデルを記述することができる。簡単なER図を記述することができない。
基本的な SQLを扱うことができる。DBMS上で、データベースの作成や、テーブルやタブルのの作成、編集、検索や、3つ以上のテーブルを結合した問い合わせなどが行える。SQLにおいて適切なSELECT文を作成することによって、選択、結合、射影の操作を行うことができる。基本的な SELECT文を作成することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
5年のデータベースでは、データベースシステムの概念であるデータ独立、データ共有、
データ保全の概念について理解を深めたうえで、リレーショナルデータベースの理論を学
び、実際のUNIXコマンドやSQLによる問い合わせ実習などを通してリレーショナルデータベースの操作、
設計、運用の技術を習得し、データサイエンティストとしての基礎的な力を養う
授業の進め方・方法:
基本的な集合演算や関係、射影などの数学的な定義を確認しておいてください。
基本的に毎回演習問題と課題が課せられます。
データを実際に操作する課題が多いが、意味を理解して操作することが重要です。
合否判定は定期試験 60%以上で合格とする。
成績評価は 合格したものについて定期試験 60% 演習問題等40%の総合評価
再試験は全範囲から 60%以上で合格とする。
情報系としてSQLの習得は必須といってもよいでしょう。演習を通じて表に対する感覚やインターネットからAPIを通じてデータを得る感覚を養ってください
注意点:
リレーショナルデータベースは数学を基礎としています。また、データベースマネジメントシステムはOSとも密接に関係しています。
コンピュータネットワークで学んだことも役にたちます。つまり、これまでの授業や実習で鍛えてきたみなさんのコンピュータリテラシーが試されことになります。
しかし、実習の CLIのコマンド操作は 簡単なものの組み合わせです。個々の機能を確実に理解して進んでください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス データ独立、データ共有、データ保全 データベースシステムが必要となった背景やデータベースシステムの要件について説明できる。
2週 UNIX コマンド による 問い合わせ実習
テキストデータ,CSVファイル
UNIXの標準コマンドにより、パイプよりテキストデータの加工が行える。またテキストデータの表に対して選択、射影、結合の操作が行える。
3週 UNIX コマンド による 問い合わせ実習
XMLファイル,JSONデータ
UNIXの標準コマンドにより、構造を持ったファイルの表に対してデータの加工が行える。
4週 UNIX コマンド による 問い合わせ実習
XMLファイル,JSONデータ
WEB API を通してデータを取得し、UNIXの標準コマンドと組み合わせてデータの加工が行える。
5週 基本SQLコマンド1 CREATE,INSERT,UPDATE,SELECT文により表の作成、データの挿入、更新、検索が行える。
6週 基本SQLコマンド2 SQLにより、表に対して選択、射影、結合の操作が行える

7週 基本SQLコマンド3 SQLの集合演算、Group by , Having , 副問い合わせ
8週 前期中間試験:実施する
2ndQ
9週 関数従属性、第1正規形、第2正規形、情報無損失分解 第1.2正規形について理解し、より高次の表へ表の分解により正規化の操作が行うことにより、異状を解消できる。
10週 第3正規形、ボイス・コッド標準形 第3,BC正規形について理解し、より高次の表への分解により正規化の操作が行うことにより、異状を解消できる。
11週 多値従属性、第4正規形 第4正規形について理解し、より高次の表への分解により正規化の操作が行うことにより、異状を解消できる。
12週 トランザクション管理 トランザクション概念を理解しコミットとロールバックを説明できる。
13週 隔離レベル、テーブルロック テーブルのロック、トランザクションの隔離レベルについて説明できる
14週 ER-図によるシステム設計 簡単なER-図が記述できる。
データベースをER-図より設計できる。
15週 DBMS(MySQLあるいはPostgresql)による プログラミング実習(1回) DBMS(MySQLあるいはPostgresql)のGUI,CUIを通じてDBMSへの接続、表の作成、検索が行える。
16週 前期期末試験:実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。4
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
専門的能力60000400100