概要:
コンピュータを利用する際に、ハードウェアやCPU時間といったリソースを管理することでコンピュータの有用性を高めるオペレーティングシステムについて、基本的な概念や制御の方法を学ぶことで、コンピュータシステムに対する理解を深めるとともに、システム上で動作するアプリケーションプログラムの実装に関する着眼点などを知ることを目標とする。また、プログラミング言語の授業で自分で作成したアプリケーションがどのように動作していたのかを知ることができる。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を行う。今までの実習等で扱ってきたオペレーティングシステムの基本的な操作や動作について、ユーザの視点から一通り理解しておくことで、オペレーティングシステムがユーザから見えないところで行っている制御の理解を助けるので、普段からシステムの動作に着目しながら操作するとよい。
また、章ごとなどの区切りで適宜レポート課題を課す。
合否判定は、2回の定期試験(100点満点)の結果の平均が60点以上で合格とする。
最終評価は、2回の定期試験の結果の平均にレポート等による±10%の評価を加えた総合評価とする。
再試験は、60点未満であった定期試験の範囲それぞれに対して、出題した問題について60%以上得点することを合格の条件とする。
前関連科目:計算機制御・計算機方式・コンパイラ
後関連科目:情報工学実験Ⅱ・卒業研究
注意点:
オペレーティングシステムの動作の仕組みを知ることで、普段扱っているシステムのインターフェイスの必然性が見えてくるので、授業で学んだ内容と実際に操作した時の動作の関連を意識するようにするとよい。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | ソフトウェア | アルゴリズムの概念を説明できる。 | 4 | |
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。 | 4 | |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。 | 4 | |
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。 | 4 | |
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。 | 4 | |
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。 | 4 | |
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。 | 4 | |
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。 | 4 | |
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。 | 4 | |
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。 | 4 | |
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。 | 4 | |
計算機工学 | コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 4 | |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 4 | |
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 4 | |
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 4 | |
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。 | 4 | |
システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 4 | |
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。 | 4 | |
排他制御の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | |
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | |
その他の学習内容 | コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。 | 4 | |
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。 | 4 | |
基本的なアクセス制御技術について説明できる。 | 4 | |