オペレーティングシステム

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 オペレーティングシステム
科目番号 0053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学分野 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:河野健二 オペレーティングシステムの仕組み(朝倉書店) 参考書:蒲地輝尚 はじめて読む486(アスキー)
担当教員 林 裕樹

到達目標

オペレーティングシステムの基本概念がわかる。
プロセス制御の仕組みがわかる。
仮想メモリの管理の仕組みがわかる。
ファイルシステムの管理の仕組みがわかる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1オペレーティングシステムの基本概念と実装を理解することができる。オペレーティングシステムの基本概念を理解することができる。オペレーティングシステムの基本概念がわからない。
評価項目2プロセス制御の仕組みと実装を理解することができる。プロセス制御の原理を理解することができる。プロセス制御が何かわからない。
評価項目3仮想メモリの仕組みと実装を理解することができる。仮想メモリの原理を理解することができる。仮想メモリの機能がわからない。
評価項目4ファイルシステムの仕組みとデータ構造などの実装を理解できる。ファイルシステムの原理と意義を理解できる。ファイルシステムの機能がわからない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータを利用する際に、ハードウェアやCPU時間といったリソースを管理することでコンピュータの有用性を高めるオペレーティングシステムについて、基本的な概念や制御の方法を学ぶことで、コンピュータシステムに対する理解を深めるとともに、システム上で動作するアプリケーションプログラムの実装に関する着眼点などを知ることを目標とする。また、プログラミング言語の授業で自分で作成したアプリケーションがどのように動作していたのかを知ることができる。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を行う。今までの実習等で扱ってきたオペレーティングシステムの基本的な操作や動作について、ユーザの視点から一通り理解しておくことで、オペレーティングシステムがユーザから見えないところで行っている制御の理解を助けるので、普段からシステムの動作に着目しながら操作するとよい。
また、適宜レポート課題を課す。
合否判定は、2回の定期試験(100点満点)の結果の平均が60点以上で合格とする。
最終評価は、2回の定期試験の結果の平均にレポート等による±10%の評価を加えた総合評価とする。
再試験は、60点未満であった定期試験の範囲それぞれに対して、出題した問題について60%以上得点することを合格の条件とする。
前関連科目:計算機制御・計算機方式・コンパイラ
後関連科目:なし
注意点:
オペレーティングシステムの動作の仕組みを知ることで、普段扱っているシステムのインターフェイスの必然性が見えてくるので、授業で学んだ内容と実際に操作した時の動作の関連を意識するようにするとよい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オペレーティングシステムの役割 ハードウェアの構成とオペレーティングシステムの役割が説明できる
2週 I/Oデバイスと割込み I/Oデバイスの制御と動作の原理が説明できる
3週 プロセスとスレッド(1) マルチプロセスの動作原理が説明できる
4週 プロセスとスレッド(2) プロセス切替えの動作原理が説明できる
5週 プロセスとスレッド(3) スレッドとプロセスの違いが説明できる
6週 スケジューリング(1) プロセスの状態遷移とスケジューリングの動作が説明できる
7週 スケジューリング(2) スケジューリングの評価や実装方法が説明できる
8週 後期中間試験を実施する
4thQ
9週 相互排除と同期(1) 競合状態の発生原理と適切な制御の必要性が説明できる
10週 相互排除と同期(2) 相互排除アルゴリズムの動作原理が説明できる
11週 相互排除と同期(3) 相互排除のためのハードウェア支援やロックなどの抽象化された操作が説明できる
12週 相互排除と同期(4) モニタなどのより抽象化された仕組みや定式化された相互排除問題の概要が説明できる
13週 メモリ管理と仮想記憶(1) メモリ空間の基本構造と管理の方法が説明できる
14週 メモリ管理と仮想記憶(2) 仮想記憶の動作原理が説明できる
15週 ファイルシステム ファイルシステムの基本動作が説明できる
16週 後期末試験を実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。4
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。4
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。4
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。4
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。4
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。4
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。4
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。4
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。4
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。4
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。4
計算機工学コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。4
排他制御の基本的な考え方について説明できる。4
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。4
その他の学習内容コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4
基本的なアクセス制御技術について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合1000000100
基礎的能力000000
専門的能力1000000100
分野横断的能力000000