応用数学II

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用数学II
科目番号 0085 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学分野 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:基礎解析学(改訂版) 矢野健太郎・石原繁 共著 (裳華房)必要に応じ、1~3年の教科書・問題集を参考にする。
担当教員 宮毛 明子

到達目標

複素数の四則計算ができる。極形式を扱う事ができる。
正則関数の判定ができる。複素関数の導関数を求める事ができる。対数関数などの多価関数の値を求める事ができる。
ローラン展開ができる。それを用いて特異点での留数を求める事ができる。n位の極の留数を求める事ができる。
定義を使って複素積分を求める事ができる。留数定理で積分を求める事ができる。実積分に応用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複素数の極形式を求め、n乗根が求められる。複素数の四則計算ができ、その計算に極形式を利用できる。複素数の四則計算ができる。極形式を求め、n乗根が求められる。極形式を求められない。n乗根が求められない。
評価項目2コーシー・リーマンの方程式を用い正則関数の判定ができる。複素関数の導関数が求められる。対数関数などの多価関数の値が求められる。コーシー・リーマンの方程式を用い正則関数の判定ができる。複素関数の導関数が求められる。正則関数の判定ができない。複素関数の導関数が求められない。
評価項目3いろいろな正則関数のローラン展開ができる。それを用いて特異点の留数が求められる。n位の極の留数が求められる。ローラン展開ができる。それを用いて特異点の留数が求められる。n位の極の留数が求められる。ローラン展開ができない。特異点での留数を求めることができない。
評価項目4線積分で複素積分を求められる。留数定理で積分を求められる。実積分(三角関数の積分、無限積分、2位の極も含む)に応用できる。線積分で複素積分を求められる。留数定理で積分を求められる。実積分(三角関数の積分、無限積分、1位の極の場合)に応用できる。線積分で複素積分を求められない。留数定理で積分を求められない。実積分に応用できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
複素関数論を学習する。複素数の扱いに慣れること、正則関数の概
念、複素関数の微分・積分、留数定理の理解を目指す。また、留数定
理を用いていろいろな積分を求められるようにする。
授業の進め方・方法:
大学編入を目指す学生や、数学に興味があり、3年までの数学、4年の
応用数学を十分修得している学生が履修対象者である。
試験の間違いを訂正したやり直しレポートを提出すること。
中間・期末の2回の試験の平均点で評価する。その評価が60点を超え
た場合は、授業態度、レポート点を基準の範囲(+-10%)で加味する。
再試は一回のみ60点未満の試験について行い、その60%以上が出来れば合格となる。
多くの難しい内容を短期間で学ぶことになります。十分理解ができな
かった時はその日のうちに復習する必要があります。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・四則演算、極形式 ・複素数の四則演算、極形式への変形ができる。
2週 ・n乗根 ・極形式を利用した計算ができる。n乗根が求められる。
3週 ・複素関数、導関数と正則関数 ・複素関数を複素変数z及び実変数x,yで表せる。導関数の定義より簡単な導関数が求められる。
4週 ・コーシー・リーマンの方程式 ・コーシー・リーマンの方程式を理解し、正則関数の判定が出来る。
5週 ・基本的な正則関数(1) ・基本的な正則関数の値を求めたり変形が出来、微分ができる。
6週 ・基本的な正則関数(2) ・対数関数の多価性を理解し、その値が求められる。
7週 ・複素積分 ・複素積分の定義に基づき、線積分で簡単な積分が出来る。
8週 前期中間試験:実施する
2ndQ
9週 ・コーシーの定理 ・コーシーの定理に基づき複素積分を求めたり、積分路の変形が出来る。
10週 ・マクローリン展開とテイラー展開 ・マクローリン展開ができる。テイラー展開が(特に変数変換を利用して)できる。
11週 ・テイラー展開とローラン展開 ・テイラー展開を利用してローラン展開できる。
12週 ・特異点と留数 ・k位の極の意味がわかり、ローラン展開から特異点の留数を求められる。
13週 ・複素積分と留数 ・複素積分と留数の関係が分かり、留数を求められる。
14週 ・留数定理 ・留数定理を用い、複素積分ができる。
15週 ・留数定理の応用:積分 ・留数定理を利用して実関数の積分を求められる。
16週 前期期末試験:実施する ・k位の極の意味がわかり、その留数を求められる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力1000000±10100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000