数値解析法

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 数値解析法
科目番号 0110 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学分野 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 テキスト:三井田惇郎,須田宇宙「数値計算法(第2版・新装版)」,森北出版,自作の資料(演習問題を含む),参考書:①皆本晃弥「C言語による数値計算入門」,サイエンス社,②船田哲男「だれでもわかる数値解析入門」,近代科学社,③William H. Press et al. ニューメリカルレシピ・イン・シー 日本語版, 技術評論社など.
担当教員 赤堀 匡俊

到達目標

到達目標1:数値積分法(台形法とシンプソン法)について,アルゴリズムの説明, C言語によるプログラム作成,解析結果の評価ができる.
到達目標2:常微分方程式の解法(オイラー法とルンゲ・クッタ法)について,アルゴリズムの説明, C言語によるプログラム作成,解析結果の評価ができる.
到達目標3:非線形方程式の根の解法(二分法とニュートン法)について,アルゴリズムの説明, C言語によるプログラム作成,解析結果の評価ができる.
到達目標4:行列計算や連立一次方程式の解法(直接法,反復法)について,アルゴリズムの説明, C言語によるプログラム作成,解析結果の評価ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1数値積分法の概念を的確に説明でき,論理的に正しいC言語プログラムを作成することができる.数値積分法の概念を説明でき,文法的に正しいC言語プログラムを作成することができる.数値積分法の概念が理解できず,数値積分法のC言語プログラムが理解できない.
評価項目2常微分方程式の数値解法の概念を的確に説明でき,論理的に正しいC言語プログラムを作成することができる.常微分方程式の数値解法の概念を説明でき,文法的に正しいC言語プログラムを作成することができる.常微分方程式の数値解法の概念が理解できず,常微分方程式のC言語プログラムが理解できない.
評価項目3非線形方程式の解法の概念を的確に説明でき,論理的に正しいC言語プログラムを作成することができる.非線形方程式の解法の概念を説明でき,文法的に正しいC言語プログラムを作成することができる.非線形方程式の解法の概念が説明できず,非線形方程式の解法のC言語プログラムが理解できない.
評価項目4行列計算および連立一次方程式の解法の概念を的確に説明でき,論理的に正しいC言語プログラムを作成することができる.行列計算および連立一次方程式の解法の概念を説明でき,文法的に正しいC言語プログラムを作成することができる.行列計算および連立一次方程式の解法の概念が説明できず,非線形方程式の解法のC言語プログラムが理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
数値解析とは,数式化された問題をコンピュータを使って数値的に解くことである.近年のコンピュータの発展はめざましく,人工衛星や火星探査ロケット,CG, AIなど,あらゆるものが数値解析によって支えられている.そこで本講義では,数値解析の基本的な概念やアルゴリズムを理解し,コンピュータプログラムとして実装できるようになることを目標とする.
授業の進め方・方法:
合否判定:単元毎のレポート課題の成績評価の平均点が60 点を超えていることで合格とする.
成績評価:4回のレポート課題の平均(100%)
再試験:単元ごとのレポート課題がすべて提出されていることを条件に,再レポートを認める.
再試験の合否判定:再レポートの結果が60点以上で合格とする.最終評価は60点とする.

・前関連科目:プログラム言語2A,プログラム言語2B
・後関連科目:数値計算特論
注意点:
これまでに履修したコンピュータ言語によるプログラミング手法の知識と、解析に必要な数学的、工学的知識を必要とします。積極的に演習を消化することと自ら学ぶ姿勢が重要です。また、演習の理解促進のために、数学、物理などで使用した教科書を参考書として利用することを薦めます。必要に応じて自学自習にて復習してください.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスと数値計算の基礎知識
・計算機における数値の表現
・科学技術計算における近似と誤差
・授業目的と方針を理解する.
・計算機における数値の表現が理解できる.
・科学技術計算における近似と誤差を理解できる.
2週 数値積分(1)台形法 台形法を用いた数値積分の概念を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,数値積分の数値解を求めることができる.
3週 数値積分(2)台形法およびシンプソン法 台形法およびシンプソン法を用いた数値積分の概念を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,数値積分の数値解を求めることができる.
4週 数値積分(3)シンプソン法 シンプソン法を用いた数値積分の概念を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,数値積分の数値解を求めることができる.
5週 常微分方程式の解法(1)オイラー法 オイラー法を用いた常微分方程式の解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,常微分方程式の数値解を求めることができる.
6週 常微分方程式の解法(2)オイラー法および中点法 オイラー法および中点法を用いた常微分方程式の解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,常微分方程式の数値解を求めることができる.
7週 常微分方程式の解法(3)ルンゲ・クッタ法 ルンゲ・クッタ法を用いた常微分方程式の解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,常微分方程式の数値解を求めることができる.
8週 非線形方程式の解(1)二分法 二分法を用いた非線形方程式の解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,非線形方程式の解を求めることができる.
2ndQ
9週 非線形方程式の解(2)二分法およびニュートン法 二分法およびニュートン法を用いた非線形方程式の解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,非線形方程式の解を求めることができる.
10週 非線形方程式の解(3)ニュートン法 ニュートン法を用いた非線形方程式の解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,非線形方程式の解を求めることができる.
11週 行列計算(1) 行列同士の和,差,積を計算するアルゴリズムを理解し,それをC言語プログラムとして作成できる.
12週 連立一次方程式の直接解法(1) 連立一次方程式の直接解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,連立一次方程式の解を求めることができる.
13週 連立一次方程式の直接解法(2) 連立一次方程式の直接解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,連立一次方程式の解を求めることができる.
14週 連立一次方程式の反復解法(1) 連立一次方程式の反復解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,連立一次方程式の解を求めることができる.
15週 連立一次方程式の反復解法(2) 連立一次方程式の反復解法を理解し,それをC言語プログラムとして作成でき,連立一次方程式の解を求めることができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。4
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000