科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 化学
科目番号 0013 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学分野 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:新編化学基礎(東京書籍)、理数探究基礎(数研出版) 副教材(自学自習用問題集):ニューステップアップ化学基礎(東京書籍) 参考書:Professional Engineer Library化学(実教出版) 例題で学ぶ基礎化学(森北出版) チャート式 新化学基礎(数研出版)
担当教員 佐藤 潤

到達目標

日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化について関心をもち、科学的な見方や考え方を身に付けている。
物質とその変化の中に問題を見いだし、事象を科学的に考察している。
物質とその変化について、基本的な概念や原理・法則を理解し、知識を身に付けている。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化について関心を持ち、意欲的に探究しようとするとともに、科学的な見方や考え方を身に付けている。日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化について関心を持ち、科学的な見方や考え方を身に付けている。物質とその変化について、科学的な見方や考え方ができない。
評価項目2物質とその変化の中に問題を見いだし、事象を科学的に考察し、導き出した考えを的確に表現している。物質とその変化の中に問題を見いだし、事象を科学的に考察している。物質とその変化に関する事象を科学的に考察できない。
評価項目3物質とその変化について、基本的な概念や原理・法則を理解し、知識を身に付けるとともに、それらの知識を日常生活と関連付けて考察することができる。物質とその変化について、基本的な概念や原理・法則を理解し、知識を身に付けている。物質とその変化に関する基本的な概念や原理・法則を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化についての理解を深める。
化学の基本的な概念や原理法則を理解し、科学的な見方や考え方を身に付ける。

この科目は釧路工業高等専門学校数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)構成科目のひとつである。
授業の進め方・方法:
【授業の進め方】教科書・授業プリントを中心に用いて、講義形式で実施する。また、学習内容に対する理解を深めるために、実験を適宜行う。なお、理数探究基礎(数研出版)は主に実験・レポート作成の際に用いる。
【授業を受ける際には…】
 準 備:教科書、問題集、ノート、ファイル・バインダー(授業/演習プリントの整理のため)、関数電卓
 予 習:教科書を読み、内容の概略をつかんでから授業に臨んで下さい。
 復 習:授業で学習した範囲を演習プリントや問題集を用いて確認する習慣を付け、内容の理解、知識の定着を図ってください。
 その他:必要な用語、化学式、元素記号、周期表を理解していないと、授業の理解が深まりませんので、必要な知識は早い段階で覚え、使えるようにして下さい。

【合否判定】定期試験(70%)、その他(小テスト、レポートなど30%)で評価し、60点以上を合格とする。ただし,実験に関する提出物(事前レポート、実験報告書)が提出されていない場合については他の評価項目に関わらず不合格とする。
【最終評価】合否判定と同じ。
【 再 試 験 】不合格者には補習を行った後、再試験を行い60点以上を合格とする。なお、再試験で合格した場合は60点となる。
注意点:
関連科目:化学(2年)、物理(1年)、物理A ・B(2年)、応用物理I(3年)、地球と生命(1年)、化学と人間生活(専攻科)

化学は,目視できない原子や分子について学ぶ科目ですが、原子や分子が変化することによって、日常生活での様々な現象が発生しています。ミクロな原子・分子の動きとマクロな日常生活での様々な現象を結びつけて、理解を深めて下さい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1 ガイダンス、化学と人間生活の関わり 日常生活や社会を支える物質の性質、用途について説明できる。
2週 2 物質の性質と分離 混合物の分離について、適切な分離法を選択できる。
3週 3 物質の成分、物質の三態、 単体と化合物の意味と具体例が説明できる。
物質の三態とその状態変化を説明できる。
4週 4 原子の構造 原子の構造や原子番号、質量数を説明できる。
5週 5 実験1 混合物の分離 混合物を適切な分離手法を用いて、分離することができる。
6週 6 電子配置・元素の周期表 原子の電子配置について電子殻を用いて表すことができる。
元素の性質を周期表と周期律から考えることができる。
7週 7 まとめ・演習 原子やその構造,性質に関する問題を解くことができる。
8週 前期中間試験:実施する
2ndQ
9週 8 イオン イオンについて説明ができ、化学式で表すことができる。
10週 9 イオン結合 イオン結合とイオン結晶の性質について説明できる。
11週 10 金属結合と金属結晶、分子と共有結合① 金属結合や金属の性質について説明できる。
共有結合がどのようなものか説明できる。
12週 11 分子と共有結合② 構造式や電子式により分子を表すことができる。
分子からなる物質の性質について説明できる。
13週 12 実験2 同位体の性質 同位体の性質について理解することができる。
測定と測定値の取り扱いについて理解することができる。
14週 13 物質の構成粒子と物質の分類、 物質を分類し、それぞれの性質について説明できる。
15週 14 まとめ・演習 イオンや分子,結合に関する問題を解くことができる。
16週 前期期末試験:実施する
後期
3rdQ
1週 15 原子量、分子量、式量,物質量① 原子量を理解し、分子量、式量の意味を説明できる。
物質量について説明できる。
2週 16 物質量② 物質量に関する計算ができる。
3週 17 溶液の濃度 質量パーセント濃度、モル濃度の計算ができる。
4週 18 化学反応式 化学反応を反応物、生成物、係数を理解して表現することができる。
5週 19 実験3 化学反応の量的関係 化学反応式から化学反応の化学量論的な関係を理解することができる。
6週 20 化学反応式の量的関係 化学反応式から化学反応の化学量論的な関係を理解して、計算ができる。
7週 21 まとめ・演習 物質量。濃度や化学反応式に関する問題を解くことができる。
8週 後期中間試験:実施する
4thQ
9週 22 酸と塩基、酸と塩基の強さ 酸と塩基の定義が説明できる。
電離度から酸と塩基の強弱について説明できる。
10週 23 pH,中和反応と塩, pHが説明でき、水素イオン濃度の計算ができる。
中和反応について説明できる。
中和反応によって生じる塩の性質について説明できる。
11週 24 中和反応と塩,中和滴定 中和の量的関係に関する計算ができる。
中和滴定に関する計算ができる。
12週 25 実験4 中和滴定 中和滴定の操作が行える。
13週 26 酸化と還元① 電子の授受の観点から酸化還元反応を説明できる。
14週 27 酸化と還元② 酸化数の変化を理解し、酸化還元反応を説明できる。
酸化剤・還元剤の働きを説明できる。
15週 28 まとめ・演習 酸・塩基、pH,中和反応,酸化還元反応に関する問題を解くことができる。
16週 後期期末試験:実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学化学化学と現代の社会課題との関連性について説明できる。3前1
物質が原子からできていることについて説明できる。3前4
単体と化合物について説明できる。3前3
同素体について説明できる。3前3
純物質と混合物の区別について説明できる。3前2,前5
混合物の分離法について理解し、適切な分離法を選択できる。3前2,前5
物質を構成する分子・原子が常に熱運動していることについて説明できる。3前3
水の状態変化について説明できる。3前3
物質の三態とその状態変化について説明できる。3前3
原子の構造(原子核・電子)や原子番号、質量数について説明できる。3前4
同位体・放射性同位体について説明できる。3前4,前13
原子の電子配置について電子殻を用いて書き表すことができる。3前6
価電子の働きについて説明できる。3前6
イオン化エネルギーと電子親和力について説明できる。3前9
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前9
原子番号と価電子の数との関係について考えることができる。3前4
元素の性質について価電子と周期律から考えることができる。3前6
イオンの化学式とイオンの名称について説明できる。3前9
イオン結合について説明できる。3前10
イオン結晶の性質について説明できる。3前10,前14
共有結合について説明できる。3前11,前14
極性と水素結合について説明できる。3前12
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前12
自由電子と金属結合について説明できる。3前11,前14
金属の性質について説明できる。3前11,前14
原子の相対質量と原子量について説明できる。3後1,後7
物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3後1,後2,後7
分子量・式量について説明できる。3後1,後2,後7
気体の体積と物質量の関係について説明できる。3後1,後2,後7
化学反応式について反応物、生成物、係数を理解し、組み立てることができる。3後4,後5,後7
化学反応式を用いて化学量論的な計算ができる。3後4,後5,後7
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前9
質量パーセント濃度について説明でき、質量パーセント濃度の計算ができる。3後1,後3,後7
モル濃度について説明でき、モル濃度の計算ができる。3後1,後3,後7
酸・塩基の定義(アレニウスの定義、ブレンステッド・ローリーの定義)について説明できる。3後9,後15
酸・塩基の化学式と酸・塩基の価数について説明できる。3後9,後15
電離度と酸・塩基の強弱について説明できる。3後9,後15
pHについて説明でき、pHと水素イオン濃度の計算ができる。3後6,後10,後15
中和反応を化学反応式で表すことができる。3後10,後11,後12,後15
中和滴定の計算ができる。3後10,後11,後12,後15
酸化還元反応について説明できる。3後13,後14,後15
化学実験化学実験実験器具(電子天秤やガラス器具など)を目的と精度に応じて選択し正しく使うことができる。3前5,前13,後5,後12
試薬(粉体及び液体)の取扱いができる。3前5,前13,後5,後12
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(物理実験と共通)3前13,後5,後12
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷など)を説明できる。3前13,後5,後12
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(物理実験と共通)3前13,後5,後12
実験結果を表やグラフなどに見やすく整理できる。3前5,前13,後5,後12
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(物理実験と共通)3前5,前13,後5,後12
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(物理実験と共通)3前5,前13,後5,後12
工学基礎工学実験技術工学実験技術目的に応じて適切な実験手法を選択し、実験手順や実験装置・測定器等の使用方法を理解した上で、安全に実験を行うことができる。2前5,前13,後5,後12
実験テーマの目的を理解し、適切な手法により取得したデータから近似曲線を求めるなど、グラフや図、表を用いて分かり易く効果的に表現することができる。2前5,前13,後5,後12
必要に応じて適切な文献や資料を収集し、実験結果について説明でき、定量的・論理的な考察を行い、報告書を作成することができる。2前5,前13,後5,後11,後12
個人あるいはチームとして活動する際、自らの役割を認識して実験・実習を実施することができる。2前5,前13,後5,後11,後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000