機械工学実習・実験II

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械工学実習・実験II
科目番号 0026 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学分野 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 テキスト:各種目担当者が作成する自作テキスト
担当教員 前田 貴章,グエン・タン ソン

到達目標

・機械工学系技術者として必要な安全作業法を理解できる。
・基本的作業から応用作業において,各加工方法や仕組み等が理解できる。
・工作機械等を用いた実習にあたっては,実習の内容や製作物について報告書にまとめることができる。
・各研究室の実験については,実験内容と得られた結果について考察ができ,レポートとしてまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械や機器を用いた安全作業法が理解でき,これを実践することができる。機械や機器を用いた安全作業法が理解できる。機械や機器を用いた安全作業法が理解できず,実習や実験をおこなえない。
評価項目2実習や実験の基本的作業から応用作業において,各加工方法や仕組み等が理解でき,これを実践することができる。実習や実験の基本的作業から応用作業において,各加工方法や仕組み等が理解できる。実習や実験の基本的作業から応用作業において,各加工方法や仕組み等が理解できず,作業をおこなえない。
評価項目3実習の内容や製作物について,注意点や加工原理を含めて報告書にまとめることができる。実習の内容や製作物について報告書にまとめることができる。実習の内容や製作物について報告書にまとめることができない。
評価項目4実験内容と得られた結果について考察ができ,レポートとしてまとめることができる。実験内容と得られた結果についてレポートとしてまとめることができる。実験内容と得られた結果についてレポートとしてまとめることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 E 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1.各種工作法の実技を修得させると共に,機械工作法その他の関連項目についての理解を深め,併せて正確な観察能力とそれを応用できる能力を養う。
2.計測や材料,制御関連の実験を加え,加工技術と総合した応用,創造できうる能力を養う。
授業の進め方・方法:
・クラスを4班に編成し,旋盤,CNC旋盤,手仕上げ,機械仕上げ,制御実験,機械力学実験,材料実験をローテーションにより進める。
・レポートは実習・実験を行った手順や方法,結果をまとめるの必要があるので,実習中はメモを取ることを心がけること。
・実習・実験Ⅱに対するレポートの内容・課題の実施・提出状況・成果物を100%とし,種目毎の評価による総合点数により評価する。
・レポート遅れが10回を超えた場合には総合評価を60点未満とする。
・期末時点でレポート未提出がある場合には60点未満とする。
・再試験は行わないが,特別な事情があるなど学科の総合的な判断によっては,不足分の実習を課し,これの総合評価によって判定する。
・実習についての詳細や,レポートの書き方について,下記の図書を参考にすると良い。
 参考書:機械工作1,2,実教出版
     機械実習〈1〉,〈2〉,〈3〉,深津拡也他編,実教出版
     新編機械実習テキスト(1),(2)機械実習研究会,オーム社
     学生のレポート・論文作成トレーニング 改訂版,実教出版
注意点:
1.決められた作業服,作業帽を着用すること。
2.危険を伴う実習もあるので,安全意識を持ち,体調管理に十分注意すること。
3.筆記記具を持参すること。
4.レポート・報告書は毎週課される。B5ノートに書いて提出すること。
5.レポートの提出は,毎回の実習終了後2日後以内とする。次週にコメントを付して返却する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 旋盤実習(凹凸部品加工) 精密加工の方法を理解できる
2週 旋盤実習(外径段付切削) テーパ加工の種類と方法が理解できる
3週 旋盤実習(テーパ,溝切り加工) 溝切り加工の方法が理解できる
4週 旋盤実習(穴あけ加工) 穴あけの方法が理解できる
5週 手仕上実習(ボール盤実習) 直立,ラジアルボール盤の操作,穴あけの方法が理解できる
6週 手仕上実習(ボール盤実習) 直立,ラジアルボール盤の操作,穴あけの方法が理解できる
7週 手仕上実習(ねじ立て実習・精度検査) 手回しタップによるめねじ切り,精度検査の方法が理解できる
8週 手仕上実習(ねじ立て実習・精度検査) 手回しタップによるめねじ切り,精度検査の方法が理解できる
2ndQ
9週 機械仕上実習(各機械の加工概要説明) 立フライス盤・形削り盤を用いた材料加工方法の概要が理解できる
10週 機械仕上実習(立フライス盤:Vブロック仕上) 立フライス盤を使用した基本的な6面体切削の方法が理解できる
11週 機械仕上実習(形削り盤:Vブロック荒削り) 形削り盤を使用した基本的な6面体切削の操作方法が理解できる
12週 機械仕上実習(立フライス盤:凸型削り(エンドミル)) 立フライス盤のエンドミルを使用した凸型切削方法が理解できる
13週 制御実験(PIC回路製作) PIC回路の基本構成が理解できる
14週 制御実験(電子回路実験) 電気・電子回路を構成する素子の特性が理解できる
15週 制御実験(ライントレーサ) モータ駆動制御のためのプログラミングができる
16週 制御実験(ライントレーサ) モータ駆動制御のためのプログラミングができる
後期
3rdQ
1週 CNC旋盤実習(NCプログラムの作成) NCプログラミングの仕組みがわかる
2週 CNC旋盤実習(CNC機の操作) プログラミングができる
3週 CNC旋盤実習(プログラミングと試切削) CNC旋盤の操作手順がわかる
4週 機械仕上実習(平面研削盤:Vブロック研削仕上) 平面研削盤での研削作業が理解できる理解できる
5週 機械仕上実習(立フライス盤:凹型削り(エンドミル)) 立フライス盤のエンドミルを使用した凹型切削方法が理解できる
6週 機械仕上実習(形削り盤:Vブロック角度切削) 形削り盤による角度切削の仕組みと操作方法が理解できる
7週 機械力学実験(単振り子の周期測定) 振り子の理論を実験的に理解できる
8週 機械力学実験(歯車精度の測定) 歯みぞの振れの測定について理解できる
4thQ
9週 機械力学実験(フォースゲージによる摩擦係数測定) フォースゲージによる摩擦係数測定方法が理解できる
10週 材料実験(硬さ試験と圧延による加工硬化の影響) 各種硬さ試験機の使用方法,圧延加工と硬さの関係を理解できる
11週 材料実験(引張試験と熱処理による微視組織への影響) 各種金属材料の引張試験,顕微鏡を用いた微視組織観察を理解できる
12週 材料実験(シャルピー衝撃試験と鋼の熱処理による靭性への影響) 鋼のシャルピー衝撃試験の仕組み,熱処理が靭性に及ぼす影響を理解できる
13週 追実験,レポート指導
14週 追実験,レポート指導
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。2
条件判断プログラムを作成できる。2
繰り返し処理プログラムを作成できる。2
計測制御計測の定義と種類を説明できる。2
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。2
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。2
自動制御の定義と種類を説明できる。2
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。2
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。4
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。4
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。4
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。4
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。4
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3

評価割合

レポート発表相互評価取組姿勢ポートフォリオ成果品合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力9000±10010100
分野横断的能力0000000