到達目標
創造力豊かな技術者になるには,まず基礎学問を身につけることがたいせつである.
工業力学はそのような基礎学問のさらに基礎をなす学問であるから,第3学年から学ぶ専門的科目の習得に支障をきたさないよう,しっかり勉強することがたいせつである.
本科目の目的は,豊富な問題演習をとおして,工業力学の諸概念を身につけることにある.
①機械にはたらく力と運動の法則を説明できる.
②機械の仕事と動力を説明できる.
③機械にはたらく摩擦と機械の効率を説明できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 機械にはたらく力と運動の法則の概念を理解し,関連する機械工学の問題を迅速かつ正確に計算できる. | 機械にはたらく力と運動の法則の概念を理解し,関連する機械工学の問題を迅速かつ正確に計算できる. | 機械にはたらく力と運動の法則の概念を理解できないうえ,関連する機械工学の問題を迅速かつ正確に計算できる. |
評価項目2 | 機械の仕事と動力の概念を理解し,関連する機械工学の問題を迅速かつ正確に計算できる. | 機械の仕事と動力の概念を理解し,関連する機械工学の問題を正確に計算できる. | 機械の仕事と動力の概念を理解できないうえ,関連する機械工学の問題を正確に計算できることができない. |
評価項目3 | 機械にはたらく摩擦と機械の効率の概念を理解し,関連する機械工学の問題を迅速かつ正確に計算できる. | 機械にはたらく摩擦と機械の効率の概念を理解し,関連する機械工学の問題を正確に計算できる. | 機械にはたらく摩擦と機械の効率の概念を理解できないうえ,関連する機械工学の問題を正確に計算できることができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機械工学を学修する者にとって機械を設計したり製作するには,機械にはたらく力や機械の運動のしくみを理解することは必要不可欠である.
また,この科目は第1学年の「数学」「物理」を基礎として,第3学年以降の力学系科目を学修するうえで基礎となる科目である.
この科目の目標は,機械工学に必要な力学的センスを養成するとともに,学生間の協働や能動的な学習を通して,コミュニケーション能力を養成することである.
本校教育目標 C:60 % D:30 % E:10 %
授業の進め方・方法:
①小・中学校の「算数」「数学」「理科」や第1,2学年の「数学」「物理」で学修した基礎的知識が必要です.
②演習レポートの出題がほぼ毎授業であります.
③演習レポート作成のためのレポート用紙(A4)や,授業演習のための電卓,定規,分度器,コンパスなどを忘れずに必ず持参してください.
成績評価方法
①合否判定:授業演習,演習レポート,定期試験,それぞれの平均点を下式の割合とし,算出した評点が60点を超えていること.
成績評価式 授業演習(10%)+演習レポート(30%)+定期試験(60%)
②最終評価:合格 合否判定+受講態度(最大+10点) , 不合格 合否判定
③再試験:前期末再試験を複数回(受験条件:補習の受講と未提出の授業演習,演習レポートおよび追課題の提出),
学年末再試験を複数回(受験条件:補習の受講と未提出の授業演習,演習レポートおよび追課題の提出)実施する.
前期末再試験,学年末再試験ともに60点以上で合格とする. なお,再試験の詳細は,実施前にも説明する.
①出席確認は,入室時に「出欠確認シート」にてセルフチェックします.
②授業(90分)は,解説や説明を25~30分程度,学生間の協働や能動的な学習による授業演習を50~60分程度(演習ノートを使用),振り返り5~10分(レスポンス・シートの整理またはミニッツペーパーへの記入)で実施します.
③授業演習の目標は,『時間内にクラス全員が演習を終了すること』です.そのため,学生間の協働や能動的な学習をするうえでのコミュニケーション能力が重要となります.
④ほぼ毎授業,プリントや教科書の節末問題を演習レポートとして課すことがあります.
⑤演習レポートは,返却しませんので必要に応じてコピーを取るなどしてください.また,再提出となる場合もあります.
⑥オフィスアワーの時間や放課後を利用した積極的な復習や自学自習を歓迎します.また,必要な方には別途の補習を実施します.
前関連科目 物理,数学,工業力学Ⅰ 後関連科目 機械設計法ⅠA,機械設計法ⅠB
注意点:
①授業演習と演習レポートの提出期限は,厳守してください.
②授業演習や演習レポートは,採点者(教員)のことを考え,ていねいな字で記載してください.
参考書
①工業力学(コロナ社,吉村靖夫他共著)
②工業力学(森北出版,青木弘他共著)
③工業力学入門(森北出版,伊藤勝悦著)
④詳解 工業力学(理工学社,入江敏博著)
⑤よくわかる工業力学(オーム社,萩原芳彦著)
⑥演習工業力学(東京電機大学出版局,一柳信彦他共著)など
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス, 力と運動の法則① |
「講義の進め方」を理解することができる. 運動の三法則を理解し,運動方程式を用いる計算問題を解くことができる.
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2週 |
力と運動の法則② |
慣性力の概念を理解し,計算により慣性力を求めることができる.
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3週 |
力と運動の法則③ |
運動量,力積,撃力の概念を理解し,運動量保存則に基づいて相互作用を含んだ運動の計算を実行できる.
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4週 |
仕事と動力① |
仕事とてこを理解し,てこを用いた仕事を計算できる.
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5週 |
仕事と動力② |
輪軸の概念を理解し,輪軸を用いた仕事を計算できる.
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6週 |
仕事と動力③ |
滑車の概念を理解し,滑車を用いた仕事を計算できる.
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7週 |
仕事と動力④ |
滑車の概念を理解し,滑車を用いた仕事を計算できる.
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
エネルギーと動力① |
エネルギー保存の法則の概念を理解し,計算により機械(力学的)エネルギーを求めることができる.
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10週 |
エネルギーと動力② |
動力の概念を理解し,計算により動力を求めることができる.
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11週 |
摩擦と機械の効率① |
摩擦の概念を理解し,計算により摩擦力や摩擦係数を求めることができる.
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12週 |
摩擦と機械の効率② |
効率の概念を理解し,計算により機械の効率を求めることができる.
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13週 |
総合問題① |
「工業力学Ⅰ」および「工業力学Ⅱ」で学んだ知識を活用し,さまざまな機械に関する計算問題を解くことができる.
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14週 |
総合問題② |
「工業力学Ⅰ」および「工業力学Ⅱ」で学んだ知識を活用し,さまざまな機械に関する計算問題を解くことができる.
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15週 |
総合問題③ |
「工業力学Ⅰ」および「工業力学Ⅱ」で学んだ知識を活用し,さまざまな機械に関する計算問題を解くことができる.
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 4 | 後1 |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 4 | 後1 |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 4 | 後1 |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 後4 |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | 後4,後5,後6,後7 |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | 後9 |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | 後9 |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 後10 |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 4 | 後11,後12 |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 4 | 後3 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 10 | 0 | 40 | 110 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 0 | 0 | 10 | 0 | 40 | 110 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |