到達目標
1.機械設計の考え方およびそれに関連する実践知識を広く修得し,創造的な設計能力を身につけることができる.
2.設計課題をグループワークにより,実際の企業で実施されているような設計プロセスを踏まえ,創造的な設計提案を行うことができる.その作業を通じて,自分の考えを正しくグループメンバーに伝えるコミュニケーション能力を発揮することができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 機械設計およびそれに付随する知識を広く修得し,実践的な設計能力を身につけ説明ができる. | 機械設計およびそれに付随する知識を広く修得し,実践的な設計能力について理解できる. | 機械設計およびそれに付随する知識を広く修得できない. |
評価項目2 | 創造的な設計提案を行い,自分の考えを正しくグループメンバーに伝えることができる. | 創造的な設計提案を行い,自分の考えを正しくグループメンバーに伝えることを教員サポートがあればできる. | 創造的な設計提案を行い,自分の考えを正しくグループメンバーに伝えることを教員サポートがあってもできない. |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 C
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学習・教育到達度目標 D
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JABEE d-1
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JABEE d-3
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JABEE f
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JABEE i
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教育方法等
概要:
現代の機械設計技術者には,機械工学の各種力学や製図以外にも,安全工学や環境問題,生産システムなど多くの知識が必要になり,それらの知識を総合的に用いることによって創造的な設計が可能になる.そこで,この科目の約2/3はこれらの知識と創造力を融合したPBL (Problem Based Learning:課題解決型あるいは課題提案型)型課題をグループワークで取り組み,工学の根底にある既存技術の有機的活用によるものづくり設計能力を身につける.グループワークは,企業技術者にとって最も重要とされるコミュニケーション能力を鍛えることにも繋がる.残りの約1/3はこれら設計者が具備すべき設計周辺の知識を講義形式で修得する.この科目は担当教員2名とも,過去にそれぞれの製造企業で設計を担当した経験を持ち,そのときのノウハウやイデオロギーを積極的に伝授できる背景がある.
授業の進め方・方法:
最初の11週は,グループ単位で与えられた課題に取り組み,設計提案を行う.提案までの設計プロセスは,製造企業において一般的に行われている手順を踏んで行う.成果は個人別レポートとグループ単位で発表会内容による.残りの4週は,ものづくりの設計に関して基礎的事項から最近の思想に至るまでを事例・図表・写真等を豊富に利用して分かりやすく解説し,実践的内容も加え新たな興味をも惹起させる.理解度を確認するため,テーマ毎に小テストを都度行う.
成績評価方法:講義形式分の小テスト素点平均を30点,残りのグループワーク分を70点とする.グループワークの評価は以下の通り.①個人設計を行い,自分の考えをまとめることができた(10%),②グループ設計において最後まで互いを尊重して作業を進めることができた(30%),③わかり易く報告書を書き,期日までに提出できた(20%),④グループ設計での貢献度(他者からの評価も含む(10%).以上,報告書の提出を前提にトータル60点以上を合格とする.不合格者は,上記個別で59%以下の項目に対し,担当教員指示に従って課題に対応し,再評価にて60点以上を超えることを合格条件とする.
関連科目 (2,3年)機械設計法Ⅰ,機械設計法Ⅱ,(3年)機械工作法, (4年)生産工学
参考書:機械設計1,機械設計2(実教出版・中川恵二他8名共著),基礎から学ぶ機械設計 基本式の理解と活用[青] (ともに実教出版編集部)
注意点:
前半のグループワークのアイデア出しにブレーンストーミングを用いるので,他人任せにせず,積極的に参加すること.レポートは各自,発表はグループ単位で行う.
後半の座学においては,定期試験を実施しないので,都度の小テストが重要な意味を持つ.従って,毎回授業の予習・復習を励行する必要がある.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
・シラバス説明 ・PBL(コンテナの有効活用・・グループ別発表) グループワークのガイダンスと課題説明 |
・PBL(コンテナ有効活用・・・即席発表会) ・地場産業としてのビジネスモデル・・コンテナ活用し事業化のためのアイデア討論_ブレーンストーミング形式 ・機械創造設計とグループ設計の重要性が理解でき説明できる.
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2週 |
グループ分け,設計テーマの提示と説明,質疑応答,知的財産権の重要性と授業内特許の説明 |
設計テーマの意図が理解できる.知的財産権の重要性と授業内特許制度が理解できる.
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3週 |
グループ設計作業-1【月面探索する機械】 |
与えられたテーマと解決すべき問題について説明できる.知的財産権の重要性と授業内特許のルールが説明できる.
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4週 |
グループ設計作業-2 |
グループ内の役割分担が明確になり,各自の作業準備と課題の洗い出しができる.
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5週 |
グループ設計作業-3(1stチェック) |
グループで設計した機構について,設計レギュレーションを満たし,機構等に問題点がないか一回目の教員チェックに向けたプレゼン資料を作成でき,論理だった説明を行うことができる.
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6週 |
グループ設計作業-4 |
グループ設計作業を通し,自分の意見を明確に相手に伝えられる.また,簡単な実験を通し考えた機構の確証実験や問題点の抽出・確認などを行い,設計にフィードバックできる.
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7週 |
グループ設計作業-5 |
グループ設計作業を通し,自分の意見を明確に相手に伝えられる.また,簡単な実験を通し考えた機構の確証実験や問題点の抽出・確認などを行い,設計にフィードバックできる.
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8週 |
グループ設計作業-6 |
グループ設計作業を通し,自分の意見を明確に相手に伝えられる.また,簡単な実験を通し考えた機構の確証実験や問題点の抽出・確認などを行い,設計にフィードバックできる.
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
実施しない
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10週 |
グループ設計作業-7 |
グループ設計作業を通し,自分の意見を明確に相手に伝えられる.また,簡単な実験を通し考えた機構の確証実験や問題点の抽出・確認などを行い,設計にフィードバックできる.
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11週 |
プレゼンテーション |
最終プレゼンに向けた資料作成を行うことができる.プレゼンにあたって資料やVTRなどにわかりやすい工夫を行うことができる.
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12週 |
報告書の作成 |
グループで取組んだ設計テーマの結果について,文章と図面でわかり易く報告書にまとめることができる.プレゼンテーションの質疑応答で改善を求められた設計の改良提案を行うことができる.
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13週 |
・ものつくりの始めに設計がある ・ その物の形をまず安全に作る |
○物つくりの最初にある「設計」の概念を整理して,本コースにおける各レッスンの位置付けを明らかにする.○機械設計で最も基本となるのは,各部の強さを適切に保持できるか否かであり,設計者の大きな責任の一つである. 設計の基礎として, 負荷の種類と材料の強さとの関係を各種データと図解で理解できる.
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14週 |
・壊れた機械から教わる. |
○大小を問わず、建造物から移動体に至るまで、その設計には種々の配慮がなされている。しかしそれらが使用されている間に故障、破壊、損傷などを起こし、事故に至る事例が数多くある。これらを文献から掘り下げ、解析し、再発防止のための改良設計がいかに成されて来たかを解説する.
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15週 |
・設計技術者は次代へ向かう |
○設計者は単なる図面作成者(製図作業者)ではない.物つくりの最前線で営業・生産・開発などと連携して信頼おける製品開発に努める.そのため設計技術者は,技術知識に留まらず内外社会と強く係りを持ち,高度な技術倫理を持つ必要がある.近年の動きと視点を整理できる.
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16週 |
・作り易い製品にするために |
○製造に配慮した設計の進め方と,これを支援する設計評価法の考え方と使い方を理解できる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | |
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。 | 3 | |
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。 | 3 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 20 | 10 | 10 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 30 | 20 | 10 | 10 | 30 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |