機械材料Ⅰ

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械材料Ⅰ
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学分野 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:日本機械学会,『機械材料学』(JSMEテキストシリーズ) 参考書:①よくわかる材料学(宮川大海,吉葉正行,森北出版),②若い技術者のための機械・金属材料(矢島悦次郎,市川理衛,吉沢浩一,丸善),③金属材料学(高橋曻,浅田千秋,湯川夏夫,森北出版),④機械材料学(長岡金吾,工学図書),⑤絵ときでわかる機械材料(門田和雄,オーム社),⑥機械材料工学(野口徹,中村孝,工学図書)
担当教員 グエン・タン ソン,高橋 剛

到達目標

・金属の基本構造ならびに機械的性質とその試験方法および鉄鋼材料の熱処理方法の基礎的内容について理解し,目的に応じて応用できる.
・金属材料の基本事項を理解し,目的に応じて構造物の材料設計に応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属の基本構造ならびに機械的性質とその試験方法の基礎的内容について深く理解し,目的に応じて応用できる.金属の基本構造ならびに機械的性質とその試験方法の基礎的内容について理解し,目的に応じてある程度応用できる.金属の基本構造ならびに機械的性質とその試験方法の基礎的内容について理解できない.
評価項目2金属材料の基本事項を深く理解し,目的に応じて構造物の材料設計に応用できる.金属材料の基本事項を理解し,目的に応じて構造物の材料設計にある程度応用できる.金属材料の基本事項を理解できない.
評価項目3平衡状態図、熱処理法をを深く理解し,目的に応じて応用できる.平衡状態図、熱処理法を理解し,目的に応じてある程度応用できる.平衡状態図、熱処理法を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 D 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種構造物,装置などの機械分野における技術革新は,工業材料に関わる基盤技術に因るところが大で,機械設計者は機械の性能を十分発揮するため,使用する材料の構造,製造プロセス,性質や機能を理解する必要がある.そこで材料設計・選択に必須の固体物理,金属組織,相変態の基礎知識を学ぶ.
 また,機械構造物には多くの工業材料が使われているから,技術者は競合する材料の諸特性を正確に対比し,優劣を判断できなければならない.そこで,習得した金属材料の基本理論を土台にして,与えられた技術的問題について,使用面で応用できる力を養う.
授業の進め方・方法:
機械材料を有効に利用する上で基本となる事項を取り扱うため,実際面で使えることが最も重要である.したがって,事前に予習することが理解を早め,補足プリントに記載されている演習問題に積極的に取り組み,復習して応用できるようにすることが必要である.
 また,それぞれの材料について,全てを暗記することは困難かつ無意味である.使える学問が重要であることから,実際面において用いるとき,キーワードとなる項目を正しく身につけるよう心がけること.
 計算をする演習もあるため,関数電卓を持参すること.

合否判定:後期2回の定期試験結果の平均、60点を超えていること.
最終評価:2回の定期試験結果の平均点を90%,授業中の小テスト等を10%とし,その合計値で評価.
ただし,最終評価は定期試験結果の平均点を下回ることはない.

再試験:再試験は期末再試験1回、学年末再試験1回とする.
再試験の試験範囲は全範囲とし,再試験において60点以上の場合に合格とする.
注意点:
学生の関心や希望および技術革新に応じた多様な授業を展開したいと考えているため,積極的な授業参加を希望する.
授業中に実施する演習は特に重要であるから,十分理解し習得すること.
授業は,補足資料も使用するが,基本的には板書で進めるため,ノートはしっかり取ること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.機械と材料(1) 機械材料とは何の材料を理解できる
2週 2.材料の構造(1) 金属が結晶構造でできているこを説明できる.
3週 2.材料の構造(2) BCC、FCC、HCPの違いを説明できる.
4週 3.材料の強さと変形(1) 引張試験を説明し、それぞれの特性値が計算できる.
5週 3.材料の強さと変形(2) 硬さ試験、衝撃試験を説明し、それぞれの特性値が計
算できる.
6週 3.材料の強さと変形(3) 疲れ強さとその試験方法が説明できる.
7週 4.平衡状態図(1) 平衡状態図について説明することができる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 4.平衡状態図(2) 二元合金状態図から濃度変化を読みとることができる
10週 5.拡散・高温変形(1) 低温脆性や加工硬化と加熱による回復再結晶ならびに
クリープ現象が説明できる
11週 5.拡散・高温変形(2) 同上
12週 6.相変態と熱処理(1) 焼なまし、焼ならし、焼入れおよび焼もどしの関連が
説明できる
13週 6.相変態と熱処理(2) Larson-Millesrの焼もどしパラメータの計算ができる
14週 7.材料の電気・化学的性質(1) 材料の電気・化学的性質を説明できる
15週 7.材料の電気・科学的性質(2) 同上
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4後5,後6,後7,後9,後10,後11
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4後14,後15
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4後14,後15
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4後14,後15
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4
金属と合金の結晶構造を説明できる。4後10,後11
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4
合金の状態図の見方を説明できる。4
塑性変形の起り方を説明できる。4後14,後15
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4後14,後15
鉄鋼の製法を説明できる。4後1,後2,後3,後4
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4後1,後2,後3,後4
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4後1,後2,後3,後4
焼きなましの目的と操作を説明できる。4
焼きならしの目的と操作を説明できる。4
焼入れの目的と操作を説明できる。4
焼戻しの目的と操作を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000