熱力学I

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 熱力学I
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学分野 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 テキスト:斉藤武他「工業熱力学通論」日刊工業新聞社、参考書・問題集①:平田哲夫他「例題でわかる工業熱力学」森北出版、参考書・問題集②:宮部英也他「基礎力学演習工業熱力学」実教出版、参考書・問題集③:小川敏行「熱力学きほんの「き」」森北出版、参考書・問題集④:五十嵐一男他「基礎原子力工学」国立高専機構
担当教員 川村 淳浩

到達目標

熱力学の基礎と熱力学の第一法則を理解できる。
理想気体の性質と状態変化、熱力学の第二法則を理解できる。
蒸気の性質を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の基礎と熱力学の第一法則を正確に理解し応用できる。熱力学の基礎と熱力学の第一法則を正確に理解できる。熱力学の基礎と熱力学の第一法則が理解できない。
評価項目2理想気体の性質と状態変化、熱力学の第二法則を正確に理解し応用できる。理想気体の性質と状態変化、熱力学の第二法則を正確に理解できる。理想気体の性質と状態変化、熱力学の第二法則が理解できない。
評価項目3蒸気の性質を正確に理解し応用できる。蒸気の性質を正確に理解できる。蒸気の性質が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱力学は、熱と機械的仕事の変換に関する基本法則を礎石として熱機関や冷凍機などの基礎理論を提供しており、機械力学、材料力学そして流体力学と共に機械工学の基礎となる四力学を形成している。本科目は、民間企業と国立研究機関でバーナーやエンジンの開発・設計を担当していた教員が、その経験を活かし、熱力学の基本法則と蒸気等について講義形式で授業をおこなうものである。
授業の進め方・方法:
下記条件に基づき、成績評価をおこなう。
①合否判定(②最終評価):下記による合計点が60点以上であること。
a) 中間試験実施時:授業毎の提出課題(合計14通)の評価平均点×0.4+前期中間試験と前期末試験の平均点×0.6
b) 中間試験未実施時:授業毎の提出課題(合計15通)の評価平均点×0.4+前期末試験の評価点×0.6
c) 中間試験と前期末試験未実施時:授業毎の提出課題(合計15通)の評価平均点×0.4+全授業範囲を対象とした総合提出課題1通の評価点×0.6
③再試験:授業毎の提出課題が全て提出されている条件のもと、全授業範囲を対象として実施し(または、全授業範囲を対象とした総合再提出課題2通を課し)、評価平均点が60点以上で合格。最終評価は60点とする。
④関連科目:応用物理Ⅰ(3学年)、熱力学Ⅱ(4学年)、伝熱工学(5学年)、熱エネルギー工学(5学年)、内燃機関工学概論(専2年)
注意点:
講義では、できるだけ多くの実例を交えた説明をします。また、解析式等は基本的な範囲に留まりますが、より詳しく理解を進めたい方向けに学習方法のポイントも解説します。
①これまでに学んだ数学の基礎知識を必要とする。②関数電卓を必要とする。③予習と復習を欠かさずおこなうこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスと単位 熱力学で用いられる物理量と各種単位を理解し計算できる。
2週 熱力学の第一法則 熱力学における系の考え方、状態量、そして閉じた系の熱力学の第一法則を理解し計算できる。
3週 熱力学の第一法則 開いた系の熱力学の第一法則と二つの系での仕事の違いを理解し計算できる。
4週 理想気体の性質と状態変化 理想気体の性質と状態方程式、比熱、等温過程を理解し計算できる。
5週 理想気体の性質と状態変化 等圧過程と等容過程を理解し計算できる。
6週 理想気体の性質と状態変化 断熱過程とポリトロープ過程を理解し計算できる。
7週 理想気体の性質と状態変化 モル数による理想気体の状態方程式を理解し計算できる。
8週 前期中間試験:実施する 実施できない場合:熱力学の計算における有効数字等を理解し計算できる。
2ndQ
9週 熱力学の第二法則 サイクル、熱機関、熱効率、カルノーサイクルを理解し計算できる。
10週 熱力学の第二法則 エントロピーを理解し計算できる。
11週 熱力学の第二法則 有効エネルギーを理解し計算できる。
12週 熱力学の第二法則 冷凍機・ヒートポンプを理解し計算できる。
13週 蒸気の性質 水の等圧蒸発過程を理解し計算できる。
14週 蒸気の性質 蒸気表による状態量の計算を理解し計算できる。
15週 蒸気の性質 蒸気線図を用いた状態量の読み取りを理解し計算できる。
16週 前期期末試験:実施する 実施できない場合:全授業範囲を対象とした総合提出課題1通を課す。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
専門的能力60000400100