概要:
機械工作法は，機械工学固有の科目であり，工作実習によって体得した各種材料の加工技術について，加工技術の原理を科学的に理解し，それらの特徴を把握して適切な工作法を選択できる能力を具備することを目的とする．更に機械工作に使用される各種の工具や設備，加工機械の構造と特徴理解して，生産設備を適切に改善し能率向上を図る能力を養う。尚，担当教員は，計20年間にわたり開発系技術者として複数のメーカーに勤務し，その中で社内の生産技術系社員と協業した経験を持つ．
授業の進め方・方法:
教科書を中心に各種加工方法の原理と特徴を把握させる．適宜VTRやビジュアル教材を適宜提示して，実際の加工状況を認識させる．必要に応じてプリントを配布し，時折，授業の最初或いは最後に「キーワード確認」と称した小テストを実施する。合否判定：4回の定期試験の素点平均が60点を超えていることが合格条件である。最終評価：4回の定期試験結果の平均点を80%，授業中の学習態度,小テストを20%とし、その合計値で評価する。
再試の合否判定；4回の定期試験のうち，素点60点未満のみを受験し，その結果を定期試験の結果と差し替える。60点以上で持ち越した回と差し替えた回の計4回の素点平均点が60点を超えること。尚，再試は基本的に1回とする。
注意点:
身の回りにある実際の製品について，どのように加工したのだろうという疑問を持って物を見る眼を養うことが単位取得の秘訣である。いくら良い設計であっても，それを加工や組み立てなどの機械工作がなければ製品化できないことを認識し，ものづくりの根幹を成す実学的学問であることを自覚すること。覚えなければならないことが多いので，毎回の授業の前後で予習復習を励行し，都度理解しておくことが単位取得の秘訣である。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
| 前期 |
| 1stQ |
| 1週 |
第１章 製品をつくる
-1 .製品のつくり
-2. 製品のできるまで |
・身のまわりの製品には，さまざまな材料が使われている．自動車に使われている材料について理解できる．
・コンピュータによる製品設計の流れを理解させる．
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| 2週 |
第3章 鋳 造
-1. 鋳造法と鋳型 |
○鋳造法の概要について理解できる．
・砂型鋳造法・金型鋳造法に特徴について理解できる．
・精密鋳造法や真空鋳造法などの特殊な鋳造法について理解できる．
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| 3週 |
-2. 鋳物材料の溶解 |
・鋳物材料の溶解方法および鋳物製品の検査方法について理解できる．
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| 4週 |
第4章 溶接・接合 |
○溶接・接合の概要について理解できる．
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| 5週 |
-1. 溶接 |
・ガス溶接およびガス切断のしくみについて理解できる．
・アーク溶接およびアーク切断のしくみについて理解できる．
・抵抗溶接のしくみについて理解できる．
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| 6週 |
-2. 接合 |
・ろう接のしくみについて理解できる．
・接着剤による接合および機械的接合について理解できる．
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| 7週 |
<前期中間試験> |
実施する
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| 8週 |
第5章 塑性加工
‐1_1. 素材加工1 |
○塑性加工の概要について理解できる．
・板材や棒材などの素材の圧延加工のしくみについて理解できる．
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| 2ndQ |
| 9週 |
‐1_2. 素材加工2 |
・押出し・引抜き加工のしくみについて理解できる．
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| 10週 |
-2_1. 成形加工1 |
・せん断・曲げ加工のしくについて理解できる．
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| 11週 |
-2_2. 成形加工2 |
・深絞り加工について理解できる．
・鍛造について理解できる．
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| 12週 |
-2_3. 成形加工3 |
・射出成形について理解できる．
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| 13週 |
-2_4. 成形加工4 |
・粉末冶金について理解できる．
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| 14週 |
第6章 切削加工
-1. 切削による加工 |
○切削加工の概要について理解できる．
・旋削のしくみ、切削抵抗について理解できる．
・旋盤の構造について理解できる．
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| 15週 |
-2 フライスによる加工 |
・フライス削りのしくみについて理解できる．
・フライス盤の構造について理解できる．
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| 16週 |
<前期期末試験> |
実施する
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| 後期 |
| 3rdQ |
| 1週 |
-3 穴あけ
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・穴あけのしくみについて理解できる．
・ねじ切り、座ぐりなど、穴の二次加工について理解できる．
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| 2週 |
-4 その他の切削加工 |
・歯切り法および歯切り盤について理解できる．
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| 3週 |
-5 切削工具 |
・切削工具の種類と特徴について理解できる．
・超硬合金工具鋼など硬質材料工具の性質や用途を理解できる．
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| 4週 |
-6 切削加工の効率化 |
・切削加工の効率化には、切りくずの扱いが重要であることを理解できる．
・工作物の材質や作業条件などを考慮して、切削速度を選定することを理解できる．
・切削油剤を使用する目的について理解できる．
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| 5週 |
第7章 砥粒加工 |
・砥粒加工の概要を理解できる．
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| 6週 |
-1 研削加工 |
・研削加工のしくみについて理解できる．
・砥石の構成要素およびそれぞれの要素の働きを理解できる．
・研削抵抗や研削液の働きについて理解できる．
・砥石の切れ刃の自生作用について理解できる．
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| 7週 |
-2 研磨加工 |
・ホーニングやライニングなど、砥粒を使った仕上げ加工法について理解させる。
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| 8週 |
<後期中間試験> |
実施する
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| 4thQ |
| 9週 |
第８章 特殊加工と表面処理
-1_1 特殊加工1 |
○特殊加工と表面処理の概要について理解させる。
・放電加工のしくみについて理解させる。
・レーザ加工のしくみについて理解させる。
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| 10週 |
-1_2 特殊加工2 |
・電子ビーム加工のしくみについて理解させる。
・リソグラフィーとエッチングのしくみについて理解させる。
・液体ジェット加工、超音波加工のしくみについて理解させる。
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| 11週 |
-2 表面処理 |
・いろいろな塗装方法について理解させる。
・液相めっきおよび気相めきのしくみについて理解させる。
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| 12週 |
第9章 生産の自動化 |
○生産の自動化の概要について理解させる。
・ＮＣ旋盤やマシニングセンタなど代表的なＮＣ工作機械について理解させる。
・ボールねじ駆動方式とリニアモータ駆動方式について理解させる。
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| 13週 |
-1_1 数値制御工作機械1 |
・サーボ機構の制御方式について理解させる。
・コンピュータ利用した製品開発について理解させる。
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| 14週 |
-1_2 数値制御工作機械1 |
・ＮＣ工作機械の制御について理解させる。
・ＮＣプログラムの作成の手順を理解させる。
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| 15週 |
-2 工場の自動化 |
・組立作業の自動化のしくみについて理解させる。
・工場の自動化に向けたいろいろな生産システムについて理解させる。
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| 16週 |
<後期期末試験> |
実施する
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| 分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
| 専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 工作 | 鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
| 精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
| 鋳物の欠陥について説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
| 溶接法を分類できる。 | 4 | 前4,前5,前6 |
| ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6 |
| アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6 |
| サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6 |
| 塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。 | 4 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
| 降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。 | 4 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
| 平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 4 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
| 軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 4 | 前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
| 切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。 | 4 | 前14,後2 |
| バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | 前14,後2 |
| フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | 前14,前15 |
| ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | 前14,後1 |
| 切削工具材料の条件と種類を説明できる。 | 4 | 前14,後3,後4 |
| 切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。 | 4 | 前14,後3,後4 |
| 切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。 | 4 | 前14,後3,後4 |
| 研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7 |
| 砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7 |
| ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後9 |