計測工学(旧カリ)

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 計測工学(旧カリ)
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学分野 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:計測工学入門 第3版(中村邦雄,森北出版),参考書:1.はじめての計測工学 改訂第2版(南茂夫 他,講談社),2.計測工学(谷口・掘込,森北出版),3.入門工業計測(谷口修,実教出版)
担当教員 小杉 淳

到達目標

様々な工業計測量の測定原理と測定時における注意点や誤差の扱いについて理解できる。
計測器の諸特性を理解でき、測定に適当な測定機器を選択できる。
計測値は信号処理等によって様々な情報を抽出したり演算することができ、現象の理解につなげられることを理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測工学の必要性とSI単位系およびその標準供給,トレーサビリティについて十分な説明できる.誤差の考え方と分類が理解でき説明でき,その評価を計算で行うことができる.計測工学の必要性とSI単位系およびその標準供給およびトレーサビリティについて理解できる.誤差について分類し,その扱い方の基本がわかる.計測工学の必要性とSI単位系およびその標準供給およびトレーサビリティについて理解できない.
評価項目2機械工学分野で主として計測される各種物理量の計測方法・原理を理解・説明でき,応用的な問題に関しても必要な計算を通して目的となる物理量を算出することができる.機械工学分野で主として計測される基本的な各種物理量の計測方法・原理を理解・説明でき,必要な計算を通して目的となる物理量を算出することができる.機械工学分野で主として計測される基本的な各種物理量の計測方法・原理を理解・説明できない.
評価項目3静・動特性の違い,およびそれらを評価する方法とその結果について理解し説明できる.また,フィルターの処理の種類・効果,信号処理の方法や効果について理解・説明できる.基本的な静・動特性の項目および,その意味がわかり説明できる.また,基本的なフィルターの種類や効果を説明できる.基本的な静・動特性の項目およびフィルターの種類や効果を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学で要求とされる幅広い基礎知識の一環として、各分野における物理量の計測方法・原理ならびに取得した値の扱いなどに関する能力を養うことは重要となる。このため計測に対する考え方や応用方法について広く学ぶとともに、計測器の特性や適正を把握した上での計測作業の実際についての能力を養うことを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿った自作のプリント配布し,プロジェクターを利用して行う.資料には空欄があり,プロジェクター見ながらそして話し聞きながら適宜必要なことを書き込んでいく.ほぼ毎回授業に沿った演習を別途配布する問題用紙で行う.演習の際には必要に応じ,グループを作りアクティブラーニング的に行うこともある.
合否判定:4回の定期試験の平均が60点を越えていること
最終評価:((前期中間+前期末+後期中間+学年末)/4)+課題評価(max10点)
再試験:再試験は,前期(前期末再試期間中に実施)と後期(学年末末再試期間中に実施)に分け実施する.   
     合否は受験しなければならない試験すべてが60点以上であること.
注意点:
4学年までに履修した各種工学実験の計測方法や物理量の取扱い方法について十分理解していることが望ましい。 講義終了後,自宅学習等により復習をすること. なお,授業では興味のある物理量の計測に関するプレゼンを一人一テーマ5分程度で行う(成績にも反映されます).

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、計測工学の歴史と必要性について. 計測工学の必要性と役割りを説明できる.
2週 単位系と標準供給およびトレーサビリティ SI単位系と標準供給、トレーサビリティの説明ができる
3週 誤差の種類とその扱い-1 誤差の分類ができ,それらの基本的な性質を説明できる.誤差,誤差率について計算で求められる.
4週 誤差の種類とその扱い-2 誤差を統計的に表す方法を説明できる.また,誤差の伝播について説明でき,計算で評価を行うことができる.
5週 測定器の基本構成(零位法と偏位法など) 零位法,変位法など計測器の基本構成を説明でき,その代表的な計測機器がわかる.
6週 測定器の特性(静特性・動特性)について 測定器の性能を表すパラメータを静特性と動特性にわけて説明できる.
7週 信号処理について(A/D変換と各種フィルタ) A/D変換の必要性および,サンプリング定理,量子化について説明できる.また,各種フィルタの種類と効果について説明できる.
8週 前期中間試験を実施する
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説
長さの測定-1
長さ計測の基準や誤差要因を説明できる.また,端度器,線度器の用途と使い方が説明できる.
10週 長さの測定-2 長さ計測の様々な拡大方法を説明でき,それを用いた計測機器がわかる.
11週 長さの測定-3 レーザなど光や流体を利用した長さ計測の方法について説明できる.
12週 角度および水平の測定 角度,水平計測における種々の方法を説明できる.角度ゲージの説明ができる.
13週 長さ・角度計測における誤差要因と各種ゲージの利用について 長さ角度計測における誤差要因と各種ゲージによる長さ角度の測定について説明できる.
14週 長さ・角度計測におけるデジタルスケールの利用 角度測定の様々な原理を説明できる.デジタルスケールのメリットを説明でき,リニアスケールやデジタルエンコーダの原理と特徴を説明できる.
15週 総合演習-1 学習した範囲の演習問題を解くことができる.
16週 前期末試験を実施する
後期
3rdQ
1週 力(質量)の測定 力(質量)計測について種々の測定方法を説明できる.また,質量計測に与える影響因子について説明できる.
2週 動力の測定 動力計測の必要性と測定原理を説明でき,種々の動力計について説明できる.
3週 流体の測定-1(圧力・真空の測定) 代表的な圧力・真空測定器の原理と特徴が説明できる.
4週 流体の測定-2(流速・流量・液面の測定) 流量・流速計・液面計の原理や選定上の注意を説明できる.
5週 流体の測定-3(粘度の測定) ニュートン、非ニュートン流体の特性と粘度計測上の違い(注意点)を説明できる.
6週 振動の測定-1(サイズモ系と測定原理) サイズモ系と振動計の原理、特性を説明できる.
7週 振動の測定-2(変位、加速度センサ) 様々な振動センサーの原理と特徴を説明できる.
8週 後期中間試験を実施する
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説
音の測定方法(音の表現,騒音計,聴覚補正)
音の尺度と騒音計について説明できる.
10週 不規則波形の表し方と解析方法 振動計測を例にした不規則波形の解析方法とFFT解析について説明できる.
11週 温度の計測-1(温度計の原理,各種温度計) 温度計測に関係する物理現象とそれを応用した温度計の原理を説明できる.
12週 温度の計測-2(放射温度計) 放射温度計(非接触温度測定)の原理を説明できる.各種湿度計測の原理を説明できる.
13週 湿度の測定
湿度の表し方が説明でき,各種湿度計測の原理を説明できる.
14週 汎用センサーの種類と原理 センサーの役割と種々の汎用センサの原理・特徴を説明できる.
15週 総合演習-2 学習した範囲の演習問題を解くことができる.
16週 後期末試験を実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力0000000
専門的能力90100000100
分野横断的能力0000000